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「何故、私が千賀滉大を推すのかと言うと」①

 こんにちは、ざき、です。今回は以前から書いてみたいなと思っていたnoteに挑戦してみました。書きたい事が多すぎたので2回に分けて公開する予定です。第1回は「千賀投手を見始めた理由」「これまでのキャリアについて」、第2回は「今季のピッチングスタイル」「千賀投手に期待すること」ついての内容になります。拙い文章になってしまうかもしれませんが、最後まで読んで頂けると幸いです。

0、千賀滉大とは

千賀滉大、プロ野球を見ている人なら名前を知らない人は居ないでしょう。愛知県蒲郡市出身で福岡ソフトバンクホークスに所属している投手です。2010年の育成ドラフトにて4巡目指名を受け育成選手として入団、2012年4月23日に支配下契約を結び支配下選手に。当初は中継ぎ投手として活躍していましたが2016年からは本格的に先発に転向。最速161km/hのストレートに驚異的な落差を見せるフォークボール、150km/hに迫るカットボールやキレのあるスライダーを駆使するピッチングスタイルで打者を圧倒。2017年には初となる日の丸を背負いWBCに出場した経験や、2018.19年には2年連続開幕投手を務めたこともあり今や鷹のエース、そして日本球界のエースと呼び声の高い投手です。育成出身の選手であるため「育成出身選手最多勝利記録」「育成出身選手初となる投手三冠」などの記録を持っています。2019年にはこれまでのNPB記録を塗り替える奪三振率11.33をマークしました。他にも昨年にはパ・リーグ最速となる通算1000奪三振を記録、ベストナインとGG賞それぞれ2回受賞、最優秀バッテリー賞、2017WBC最優秀投手選出パ投手初となる四年連続日本シリーズ初戦に先発、など育成出身選手とは思えない程の輝かしい功績を持っています。

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千賀滉大投手(画像提供:にくさん)

1、背番号41の選手

 僕が野球を見始めたのは2016年、そうあの悲劇の大逆転劇をファイターズに喰らった2016年でした(笑)。と言っても今みたいにがっつり見ていたわけではなく「テレビ中継があれば見ていた」というような感じでした。もちろん選手の名前を知らない訳ではありませんでしたが今と違って「この選手は特に好き!」みたいなのもありませんでした。ですので、僕にとって千賀投手は速い真っ直ぐと非常に落ちるフォークを投げる投手で悪く言えばただの「背番号41の選手」でしかありませんでした。それが一変したのが2016年のシーズン終盤の千葉ロッテマリーンズ戦でした。この試合は自身初のタイトルである「最高勝率」を獲得できるかを賭けた試合でした。千賀投手は既に12勝をあげていた為勝てばタイトル獲得は間違い無いと言う趣旨の記事を見たので学校帰りは一球速報にかじりついていました。結果は…

7回まで順調に来ていましたが8回に突如乱れ押し出し四球2つで追いつかれここで降板。あと一歩のところでタイトルを逃してしまいました。一球速報で追いかけていて実際に映像を見ることができていなかったのでハイライトをYouTubeで見ました。押し出しのシーンで膝に手をつきこれでもかと悔しがる姿を見た瞬間に僕は「プロ野球選手はこれ程までに一球にかけているのか…」と感じさせられました。そして、気付いたら僕は「千賀滉大」のファンになっていました。同時に僕の中で「背番号41の選手」が「背番号41の千賀滉大」に変わった瞬間でもありました。それからはCSやオフの強化試、2017年開幕前のWBCも見ることが出来る日は必ず見ていましたし、これまでの成績や登板時のピッチング映像をYouTubeで見るなど、どんどん“千賀滉大”にのめり込んでいくばかりでした。これが私と“千賀滉大”との出会いでした。

2、これまで積み上げてきたキャリア
  2-1:WBCと初タイトル

 千賀選手は2017年3月に開催されたWBCに出場し見事最優秀投手に選出されました。WBCは合計で4試合に登板しましたが、第2ラウンドのオランダ戦でのピッチングは私の中で特に印象に残っています。無死2.3塁のピンチでメジャーリーガーボガーツ155km/hの真っ直ぐで見逃し三振に切ると、バレンティンフォークで空振り三振。最後はファーストゴロに凌いだシーンは今でも鮮明に覚えています。最後の登板になったアメリカ戦では負け投手になってしまいましたが、最優秀投手に選ばれたこともあってか当時の私は「今年は凄い千賀を見られるのか」と漠然ではありましたが感じていました。

千賀選手は私の期待通り自己最多となる13勝(4敗)をあげ勝率は.765を記録し前年にあと一歩と迫り惜しくも逃した最高勝率のタイトルを獲得しました。WBC出場に始まり自身初のタイトルを獲得、2年連続の二桁勝利の達成、などから、必然的に彼に対する期待値は高くなる一方でした。これは私以外のファンの方々、そしてチームメイト、首脳陣含め皆が同じことだったでしょう。

2-2:重責と苦悩

 我々の期待に沿うように2018年は自身初の開幕投手を務めることになります。その開幕戦では7回無失点でチームの勝利に貢献。初球には当時最速となる157km/hを計測するなど「また一つの階段を登り始めたな」と思っていました。しかしそう甘くないのがプロ野球でした。この年は怪我に怪我が重なり計4度の抹消初完封達成3年連続の二桁勝利をあげるも防御率(3.51)やWHIP(1.23)などは自己ワーストを記録することに。そして、この年優勝争いをしていた西武との試合、特にメットライフドームでは全くと言っていいほど結果が出ていませんでした。16イニングを投げて失点は19被本塁打はなんと9本とまさに滅多打ち。終盤の直接対決で打ち込まれエースとしての役割を果たせずにマウンド上で見せた「情けないな」という表情は見ているだけで辛かったです。チームを優勝に導くことができず、しかも自身も結果が出なかったという事もあって非常にもどかしい想いをしていたでしょう。そんな千賀投手の姿を見ていたからこそ私は「本来持っている力はまだまだこんなものじゃ無いからこそ来年こそエースになってほしい」、そう思いました。これも千賀投手だったからこそ生まれた感情だったのでしょうね。

2-3①:飛躍と影

 2019年は東浜巨選手との開幕投手争いを制し、2年連続開幕戦登板の切符をゲット。工藤監督の「持っているものはチームでNo.1。投手陣を引っ張ってほしい。」と言う発言からも例年に増して期待を寄せていたことがわかります。そして千賀投手はその期待にしっかりと応えていきます。3月2日のオープン戦で自己最速を更新する158km/hを2度も記録。そして3月29日の開幕戦では初球と2球目にまたも自己最速となる161km/hを計測。しかも開幕戦初球の161km/h計測はプロ野球史上初の快挙だったのです。開幕戦から去年とは違う姿を見せてくれた千賀投手はここから快進撃を見せ前半戦終了時には「9勝2敗 防御率1.97 投球回105 奪三振138」と圧巻の成績を残し、3回目のオールスターにも選出。成績から見てもわかるように順調な前半戦でした。しかし、再三になりますがプロ野球はそう甘くありません。後半戦に入ると中々思うようなピッチングが出来ず、遂には8月17日の西武戦では1イニング9失点を喫するなどそこから3連敗。打たれてマウンドを降り悔しがる姿を見ると、胸が苦しくなったのを覚えています。「千賀投手の力はこんなものじゃ無い」と自分なりに分かっていたつもりでしたので「大事な場面で勝てないのはエースじゃ無い」などのネット上での発言は見ていて悲しかったです。でもそれが現状で、受け入れるしかありませんでした。

2-3②:転機-ノーヒットノーランと首位攻防戦-

 勝負所の8月に3連敗。どん底にいた千賀投手に転機が訪れます。9月6日の千葉ロッテマリーンズ戦で彼は球史に残るピッチングを私達に見せてくれました。これまでの3連敗の悔しさをぶつけるかのように初回から160km/hに迫るストレートを投げ込むなど初回からエンジン全開で終始ロッテ打線を圧倒。7回から8回にかけては4者連続三振を奪うなど終盤に入ってもその出力が衰えることはなく、最後の打者は自身の代名詞でもある「お化けフォーク」でこの日12個目の三振を奪い見事ノーヒットノーランを達成

そして次の登板だった9月12日の西武との首位攻防戦でもエースは魅せてくれました。11日の試合で西武に敗戦したため、この試合に負けると西武に優勝マジック11が点灯。逆に勝てばホークスに優勝マジック12が点灯すると言う非常に大事な試合でした。前回のノーノーから中5日で登板した千賀投手は粘りのピッチングで8回1失点、チームに優勝マジック12をもたらしました。この試合は「味方が何度もチャンスを作りながらも援護できない」という試合展開でしたが、「援護があるまで何としても0で」という強い意志をピッチングから感じていました。それが現れていたのが7回裏でした。無死1,2塁のピンチ、更にアウェーで西武ファンの声援しか聞こえないような状況を内野ゴロの後に三振二つで切り抜けるその姿はまさに「エース」だったと言えるでしょう。栗山選手にフォークを続けたところは特に痺れました。この試合は僕にとって千賀投手が投げた試合で一番好きと言っても過言ではありません。

チームにマジック12を点灯させるも結果的にチームは2年連続でリーグ優勝を逃してしまいます。しかし、この二試合はどん底でもがいていた千賀投手にとって非常に大きな転換点になったのではないかと私は思います。


2-4:エースとしての真価

2019年シーズンは「13勝8敗 防御率2.79 投球回180.1 227奪三振」の成績に加え、自身初のベストナインとゴールデングラブ賞を受賞。「NPB AWARDS 2019 supported by リポビタンD」での千賀投手の「来年はタイトルを独占したい」と言う発言もあって、2020年シーズンへの期待はこれまでにない程高いものとなっていました。

しかしながら、またも千賀投手は怪我に苦しむこととなります。春季キャンプ初日からふくらはぎ痛で離脱。2月終盤にブルペンに入るもその後右腕を痛めてしまいペースダウンは避けられず3年連続開幕投手すら危うい状況に。新型コロナウイルスの影響により開幕が延期になったものの、その開幕にすら間に合わず結局復帰したのは7月7 日の東北楽天戦でした。決して万全という状況ではありませんでしたが5回3失点で勝ち投手に。その後はローテーションの頭として、エースとしての働きを期待されるも思い描くピッチングが出来ずに葛藤の日々を過ごします。8月の千葉ロッテ戦自身ワーストとなる12本のヒットを打たれ6失点で負け投手になってしまいます。ここでもまた千賀投手はどん底へと沈んでしまいます。しかしこのどん底状態を救ったのは先輩の和田毅投手でした。当時の状況をオフに出演した「アサデス」でこう仰っていました。「試合後、部屋に呼ばれて夜遅くまでスコアラーの方と映像を交えながらアドバイスをしていただきました。想像するピッチングに体が追い付いていない」と。和田投手のアドバイスがあってか、この千葉での炎上を境に千賀投手は次第に本来の姿を取り戻していきます。

味方の援護がない試合もあってこの内容で4敗していますが、長いイニングを投げながら失点も減らし13試合中12試合でQSを達成するなどエースとして役割を全うしていきます。そして石川柊太投手・東浜巨投手先発三本柱を形成しチームを3年ぶりのリーグ優勝に導きました。2020年シーズンは「最多勝利(11勝)・最優秀防御率(2.16)・最多奪三振(149)」の投手三冠に輝きましたがこれは2006年に斉藤和巳さんが達成して以来14年ぶりとのことでした。また2年連続のベストナインとゴールデングラブ賞の受賞に加え甲斐拓也捕手と共に最優秀バッテリー賞にも輝くなど、主要タイトルの獲得に成功しました。

ということで、今回はここまでです!続きは明日公開予定です!

引用記事、データの出典
 1:データ

2:記事






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