うまぴの台本③おでん屋の出来事

「好きです、付き合ってください!」(清楚な男の子の感じ)

「は…?」(驚くうまぴ)

唐突な一言に牛筋がひとかけら残ったおでんの串が地面へと落ちる。(ナレーション部分)
普段なら勿体ない!と大騒ぎするところだけど、あまりにビックリしてそれどころじゃなかった。

男の子は小学生くらい、私がこのおでん屋さんで寛いでると、たまに見かける子だ。
この店は何故か駄菓子屋さんが併設されているから、子供から年寄りまで色んなタイプの人を見かける。

そんな中で彼は目が合うといつも避けてくる感じの子だった。
だから嫌われてるのかなー?くらいのイメージしかなかったんだが…

「付き合うって、私と?」(まだ驚きが治まっていない)

「は、はい」(少し勢いを落として)

「あなたが?」(確認をする感じ)

「だ…ダメですか…?」(自信なさげに)

か細い声で尋ねる少年。
あまりに悲しそうな顔をして私を見上げる姿が少しだけ可愛い。
なんだか私も少し冷静になって来たかもしれない。

「ダメって言うか…私、大人だよ?」(確認をする感じ)

「そうですね」(ちょっと弱そうにきっぱりと)

「で、君が…」(質問をする)

「来年で5年生になります」(しっかりと答える)

「そうなんだ、意外とお兄さんなんだね」(普通の受け答え)

「はい!」(元気なアピール)

「でも…えっとね、お姉さん警察に捕まっちゃうのよ」(ちょっとあきれた感じ)

彼は「そうなんですか…」と泣きそうな表情になる。

「ところでなんで私だったの?」(確認する)

「えっと…凄く綺麗だったから…」(少し恥ずかしそうに)

そ、そうかな…?なんて喜んでいたら「その尻尾が」というお答え。
まあなかなかお手入れには力入れてますし?なかなか良いところに目が行くじゃない?
とも思ったんだけど…彼の性癖は前途多難かもしれない。

「あと何年かして、もっと大きくなったら考えても良いかもね。っていうのが答えかな」(濁さないで答える)

「え、もっと大きくなったら…って」(諦めてたから驚く)

「少年、人生はダメで元々。何回でもチャレンジできるものなんだよ」(ちょっとからかう感じ)

「あ、ありがとうございます!」(元気を取り戻す)

そう少年は頭を下げると、元気そうにお店を後にした。
私は落ちた牛筋の串を拾って、もう一度少し冷めたおでんを味わうことにした。

「って言うのが昨日の話しなんだけど、ウマザワどう思う?」(ダラっしたウマザワとの会話)

「ああ…リスナーは喜ぶんじゃね?彼ら好きそうなシチュエーションだし」(1mmも興味なさそう)

こいつに話すんじゃなかったわ…と思いつつ、今日もまたおでんを摘まむ。
季節はそろそろ夏から秋へと、静かに移り変わろうとしていることをアキアカネが教えてくれる。

「明日もまだ少し暑いかもしれないな…」(少し懐かしい思い出を見るような感じ)

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