不都合な自由

何をしてもいい、好きなことを、好きなだけ。
ただ、ちゃんと一人で生きてね。
社会の規範を守りつつ。

当たり前のことかもしれない。
けれど、私はそれを提示されたとき、戸惑ってしまうのだ。

 ずっと親が、先生が、言っていることが正しいと思っていた。言うことを聞いていれば間違わないのだと思っていた。自分で考えてくることをしなかった。そのせいで今、ある程度の拘束とある程度の自由の間で自分の身をどう置けばいいのかわからなくなっている。私の存在は何の意味をなすのか。まだ、拘束がある分有り難いのだが。

 記憶力がいいのか、フラッシュバックが盛んなのか、過去に縛られがちで、感情やその当時の状況がいきなり襲ってくることがある。ただ、じっと我慢して過ぎ去るのを待つ。

 この繰り返しで、なるべく過去から現在を見ようとし、未来へ目が向けられるように努力はしているつもりだ。だが、足元は不安定で、視界は揺れる。

なにもかも、どうすればいいのかわからなくなって、しゃがんで、うずくまっている。

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