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イベリア縛りについて②

 ありがたいことにこの記事にもほんのわずかな需要があるようで、第2回を書かせてもらえるようです。
 前回はイベリア縛りの概要を書かせていただきました。まとめると「火力がないっ! じゃあどうするの? そうだギミックを味方につけよう!!」というものです。危機契約適正が薄い、イベントステージがこの縛りを最大限楽しめるとも書きました。
「でもでも、やっぱ危機契約っしょ。あーし危機契約しかやってないし」
そんなドクターの声が聞こえてくるようです。
 そんな声にお応えして(?)危機契約でも生きるかもしれない、あくまでかもしれない視点?発想?をひとりのオペレーターとともに考えていきたいと思います。彼女ならきっとみなさんを、そしてなによりイベリアのみんなを高みへと導いてくれることでしょう。



司令塔ーグラウコス

 これから一緒にイベリア縛りの可能性について考えていくオペレーターは、そう、グラウコスです。前回の記事の最後にも性能を紹介したいと書いていました。私がこの縛りに惹かれ続けられている理由のも彼女の存在が大きいのです。
 ウィーディじゃないの? アイリ―には? 先に言っておきますと後々彼女たちも登場します。しかしまずはグラウコスです。彼女を知ればきっとこの縛りが少し違って見えることでしょう。

 さて、みなさんはグラウコスにどんな印象を抱いているでしょうか?
おそらくは「なんか地味」という印象を持った方が多いのではないでしょうか? 私もそのひとりです。★5キャラの性として★6の性能を埋めるかのように極端に尖っている、もしくは地味な性能をしていることが多いです。グラウコスも例に漏れず、性能はいまいちパッとしません。キャラクターとしても控えめで地味な印象を受けます。
 性能に関していえば、素質≪対空装置≫による対ドローン性能と役職が補助であることから術攻撃であること攻撃射程が短いことによるミスマッチが大きく足を引っ張っており、これまたパッとしません。そもそも地味なグラウコスなんて性能すら知らなかったというドクターも一定数いることでしょう。しかしグラウコスと言えば対ドローンというのはある程度プレイしているドクターからすれば至極当然のイメージです。グラウコスと聞いてイメージが浮かぶのはよいのですが、そこから「そもそも対ドローンなら狙撃(速射手)でいい」「素質込みでも火力が足りない」「射程短すぎ」「〈アーツバード〉と相性悪い」と言ったネガティブな意見も同時に浮かんでくることでしょう。
 〈アーツバード〉との相性の悪さはよく指摘されています。グラウコスは補助ということで術耐性が高く設定されています。これは術攻撃の〈アーツバード〉に対してある程度耐性があると言えます。しかし、それ以上に彼女自身が術攻撃である点と射程が短い点で大きく不利を取っています。動きが俊敏で射程が長く、あまつさえ術耐性も65と高く設定されています。そもそも攻撃を当てるのにも一苦労であり、自身の射程外から一方的に攻撃を受けるだけになる場合もあります。
 さらにS2≪電磁パルス≫にはドローンに対し威力が2倍かつスタンという効果がついていますが、その代わりに素質のほうが適用されません。素質が適用されるのは通常攻撃とS1のみということです。他にも残念が点を挙げると切りがありません。そもそもドローンは攻撃タイミングがわかりずらく、スタンによる攻撃キャンセルの目的でタイミングよくスキルを撃つのが難しいです。そして最近の環境ではドローンでない飛行ユニットが主になってきています。何よりスタンさせたい敵はドローンなどの飛行ユニットではなく、スタンによって撃墜できる<ダブリン飛行兵>や<フローター>などの低空浮揚状態の敵であるというのが実際のところです。<フローター>をグラウコスでスタンさせられたらどれだけミヅキの統合戦略が楽になることやら…。せめても対象を飛行ユニットに拡大して欲しいものです。さらに余談ですが夏イベント「理想都市‐エンドレスカーニバル‐」のBOSS〈「物欲の拮抗者」〉はしっかりとスタン耐性を持っています(泣)これほどまでに性能に恵まれない彼女をどうして私が”司令塔”と謳っているのか、これからゆっくり説明していきたいと思います。

 彼女の唯一と言ってもいい持ち味は、スキル≪電磁パルス≫にあると断言します。先ほどさんざん下げておいて何を言い出すのかと思ったかもしれませんが、エイヤのイラプションと同じ攻撃範囲内であり、攻撃範囲内の敵全員をバインドできるというのは彼女の最大の魅力だと私は思います。そもそも彼女にドローンの対処や火力役など期待してはいけません。無理に背伸びせず彼女自身の性能と向き合ってみようということです。
 では改めて彼女のありのままの性能を詳しく見ていきましょう。職分は≪緩速師≫ということで癖のない減速補助オペレーターといったところです。素質≪対空装置≫は"ドローンを優先的に攻撃し、ドローン攻撃時攻撃力+50(55)%"というものです。前述した通り、彼女にドローンを任せる機会は少なくおまけ程度の素質と思ってもらって構いません。スキル1≪デュアルリロード≫は強化系スキルと同様"攻撃力+50%、攻撃対象数+1"と通常攻撃強化に加えマルチロックになるシンプルなものです。そして私が彼女の持ち味と話したスキル2≪電磁パルス≫は必要SP30持続なしの撃ち切りスキルで、❝スキル範囲内すべての敵に攻撃力400%の術ダメージを与え6秒バインドする❞というものです。対象がドローンの場合はスタンさせます。この撃ち切りスキルの回転率を底上げするのが彼女のモジュールであり、”攻撃範囲内に敵がいる時、SPの自動回復速度+0.2sp/秒”というものです。モジュールこそは性能に噛み合ったものを貰えたと言えるのではないでしょうか。
 
 本記事ではグラウコスの代名詞(となって欲しい)スキル≪電磁パルス≫の可能性について考えていきたいと思います。スキル説明通りに言えば”広範囲の敵を6秒間足止めできる”ということです。ですがそんなことは読めば誰でもわかります。なので私はこう言い変えたいと思います。広範囲の敵の位置操作をできるかもしれないと。これは敵の流れに変化を与えるという意味でもあります。要は交通整理です。具体的にどういったことなのか、他のオペレーターも紹介しつつ説明していけたらと思います。
 
 
 その説明をする前に話しておきたいことがあります。先ほどグラウコスに火力を期待するのは検討違いだと話しました。¥(状況によっては必ずしもそうではありません。が、それ以上に彼女が果たす役割があるはずです)。そう話したのは、私がこの縛りをしてる方々の動画を観て思っていることのひとつに≪電磁パルス≫を撃つタイミングが敵の制圧である場合が多いからです。さらには何となくで、てきとうに撃っている、そう感じることもとても多いのです。最近はどうしてかイベリア縛りをしている方々をよく見かけると同時に、攻略動画が目に入るようになりました。言い方がとても悪いですが、自分が心から良い攻略と思えるのは1つあるかないかであり、ほどんど全てがどうしてそうなってしまうのかいまいち理解できない攻略がほとんどです。前回の記事でも書いた通り、この縛りは火力不足です。それなのに危機契約では、序盤にコストを稼いだ後突っ立っているだけのエリジウム、楽だからと無闇矢鱈に採用されているアズリウスS1などが見られ、その他にも思うところが多くあります。イベントステージも同様です。火力不足なら全員の力を最大限引き出さなければ攻略できるものも攻略できません。
 それが顕著に出ているのがグラウコスです。極論ですがこの縛りに理解ある人ならばグラウコスの指揮に意図を感じることができるはずです。火力の見込めないグラウコスをあえて採用しているからこそ、それ相応のメリットがあり、それを最大限引き出す指揮をしなければならないのは当然のことです。そうでなければあえて彼女を採用する意味がありません。しかし、今まで彼女が採用された攻略の中で、指揮に意図を感じることができたものは私の観た限りありません。「どうして彼女を採用したのか?」「どうしてここに配置してるのか?」「どうしてここでスキルを撃ったのか?」聞いてみたい攻略ばかりです。彼女の指揮に疑問符が浮かぶのならば、彼女が採用されていない他の攻略も同様に疑問符が浮かびます。要するに、グラウコスの指揮能力がこの縛り全体の指揮能力、グラウコスの指揮が全体の指揮能力を顕すということです。私はそう思っています。
 
 この記事を書くきっかけとなったのが、イベリア縛りをしている方々をよく見かけることでした。この縛りをしている理由はひとそれぞれだと思います。「箱で推しているから」「やってみて楽しかったから」と始めた方がほどんどだと思います。しかしやっていくうちに「危機契約で高等級を出したい」「この縛りの楽しさを知ってもらいたい」さらに言うと「この縛りでいいねとRT(ポスト)をたくさんもらいたい」と承認欲求を満たしたいと思う人もいるでしょう。そういった方たちが見境なく少人数wikiに投稿したり、攻略組等から攻略動画を出したりしています。たかがゲームなので私がどうこう言うのはおかしいのですが…これだけは言っておきたかったのです。本来の目的はどうあれ、建前上「イベリア縛りを知ってもらいたい」というのなら、「イベリア縛りはこういう縛りで、こういった魅力のある攻略である」という確かな回答を持っていなければならないと私は思っています。私からするとどの攻略を観ても、この縛りの良さや魅力を伝えようという意思はどうしても感じとるができません。かといってこの縛り本来の魅力を捨て、耐久戦術や肉壁戦術をしてまで高等級や人数削りをしている攻略を観てもいまいち詰め切れていないように思います。要するに一貫性が感じられず中途半端に思えます。そんな攻略がイベリア縛りの第一線などとは思われたくはなかったのです。イベリア縛りの魅力を伝えたいのなら、この縛りの特性を理解し、それらを生かして攻略してあげればよいと思いますし、危機契約で高等級を示したいのであれば、どんな戦術を使ってでも最後までやり切るべきだと私は思います。

 グラウコスを理解するということはこの縛りを理解することだと私は思っています。そして、危機契約やイベントステージでより良い攻略をすることと、この縛りの特性や魅力を示すことは、必ずしも二分するものではないでしょう。むしろより良い攻略には、この縛りをより理解することが必要なのではないでしょうか? 余談が長くなってしまって大変申し訳ありません。次の記事から本題に入りたいと思いますので、どうかお付き合い下さい。
(2023/11)


 この記事を書いている時点で、感じることをありのままに書かせていただきました。不快に思われた方は申し訳ありません。今現時点ではこの縛りを楽しんでいる人たちが集まり、この縛りを盛り上げ、より良い攻略を創ろうとしている熱を感じています。私には到底できることではありません。頑張っていただきたいと思います。(2023/12)

 
 

 

 


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