イベリア縛りについて
私がイベリア縛りを始めたのは2021年の夏ごろであり、はじめは危機契約の訓練場で遊んでいました。この縛りに挑戦した最初のイベントは【遺塵の道を】最初の危機契約は【危機契約#5】です。イベリア縛りについてこれまでの経験と感じたことを気ままに書いていきます。
●概要
この縛りにおいて編成・使用できるオペレーターはイベリア陣営とイベリア出身のオペレーターであり、2023年現在以下の11人です。大陸ではイベリア組(伊比利亚组)と表記されることが多いようです。
・ソーンズ ★6前衛(陣営・出身・図鑑II01)
・アイリー二 ★6前衛(陣営・出身・図鑑II07)
・ル―メン ★6医療(陣営・出身・図鑑II09)
・ウィーディ ★6特殊(出身)
・ハイモア ★5前衛(陣営・出身・図鑑II10)
・アンドレアナ ★5狙撃(出身・図鑑II04)
・ウィスパーレイン ★5医療(出身・陣営)
・グラウコス ★5補助(陣営)
・アズリウス ★5狙撃(陣営)
・インディゴ ★4術師(陣営・出身・図鑑II05)
イベリア縛りの最大の魅力は敵の位置操作能力の高さと手段の多さを生かした戦術が組めることです。
ソーンズがいるため、傍から見て攻略が単調になりやすいと思われているかもしれません。初週のイベントステージのような簡単なマップとなるとソーンズを置くだけでどうにかなってしまう場合も多いです。しかしこの縛りは火力・瞬発力が出しづらいという致命的な欠点を抱えています。特に高耐久高防御の敵は対抗手段が限られ、手も足も出ないなんてこともあります。〈遊撃隊盾兵〉をはじめ、BOSSだと〈ビッグアグリー〉や〈血騎士〉〈蒸気騎士〉などが典型的な例となります。アイリ―二の加入で多少の改善はされたものの、攻撃回復スキルということもあり扱いづらさは否めません。また頼みのアンドレアナS2も癖が強く限定的です。さらに地上オペレーターが少ない分、ブロック数に余裕がない上、耐久も並み程度です。抱えられる数が少ない分、敵を倒すまでのリミットがシビアであり敵の迅速な処理が求められます。敵処理のリミットの短さも火力・瞬発力への心許なさに拍車を掛けていると言えます。
火力をどう出していくのか。補っていくのか。それがこの縛りの最大の課題であり、やりがいでもあります。そしてこの課題の解決へのヒントとなるのが敵の位置操作能力の高さと手段の多さです。ウィーディの強制移動やスタン、グラウコスやインディゴの足止めやバインド、エリジウムやアンドレアナの減速、アイリ―リの浮遊、これらの豊富な手段を用いればきっと強敵にも立ち向かっていけるはずです。幸い火力は出しづらい反面、手数と射程を兼ね備えたオペレーターが多くそろっています。つまり、ひたすら敵を遅延して防衛ラインに侵入する前に手数で押し切ればよいということですね…!?
それもひとつの攻略方法としてあるのは確かですし、特に危機契約に挑む上で主軸となってくる戦略です。しかし、これまでこの縛りをしてきた私の経験からすると、マップにもよりますがこの縛りは危機契約適正は薄いです。理由は明白でこの縛りの要となるソーンズは、ご存じの通り危機等級が上昇するにつれ需要を減らしていくオペレーターです。同じ前衛のスルトは等級が上昇するにつれ需要が増していく対極の性能をしていると言えるでしょう。さらに手数と射程で攻める・高耐久高防御は苦手である典型例であり、この縛りの特性を象徴するようなオペレーターです。危機契約は等級が上昇すれば上昇するほど敵の耐久値は増し、味方の火力は削がれていくものでその逆はありません。言ってしまえば、もともと火力が不足している上さらに味方の火力は削がれ、かつ敵の耐久値は上昇しているという状態で戦っていくわけです。いくら敵を遅延して倒そうにもすぐに限界がきてしまいます。
しかし、適性が薄いだけで工夫を凝らせばそれなりの等級が狙える縛りであることがこれまでの結果からわかります。私が確認できた範囲での過去の危機契約の戦績を載せておきます。
CC#4 → 23
CC#5 → 18
CC#6 → 20
CC#7 → 22
CC#8 → 12
CC#9 → 24
CC#10 → 24
CC#11 → 29
CC#12 → 25
【危機契約#8】は難易度もさることながら暗闇ギミックとの相性は最悪で、持ち前の射程は封じられた上、序盤から高速で敵がなだれ込んできます。なす術がなかったと言えるでしょう。それに対し【危機契約#11】はギミック色が強くかなり相性の良いマップだったことが窺えます。持ち前の位置操作能力の高さを生かし、やりたい放題できたマップでした。毎回こんなマップならやりがいがあるんですけどねぇ(笑)つまり、危機契約はマップとの相性に左右される部分が大きいことが見てわかります。
ただ、どんなマップになろうと危機契約はアークナイツ最大の人気コンテンツであり、等級が数字という明確な指標で表されるため目標ややりがいを見出しやすいものです。
しかし私は、今までの経験からこの縛りを最大限生かし楽しめるのは、ギミック色の強いイベントマップであると感じています。決して屈強とは言えない彼らですがギミックを最大限味方につけることで強敵と渡り合うことができます。私自身が攻略した例を元に解説したいと思います。下の攻略は火力をどう補っていくのかという課題に対し敵の位置を操作することでギミックを味方につけることで補い解決した攻略です。
マップは【ウォルモンドの薄暮】より「TW-EX-8」 の強襲です。このマップでは《蓄音機》というギミックがあり、《蓄音機》を味方につけることで大きな恩恵を得られる反面、奪取されるととても不利な状況になってしまいます。
そんなマップにおいて大切なのはスキル発動時の〈マドロック〉の位置とボスに対しどこで勝負を仕掛けるか、この2点です。
私はこの攻略において下レーン2つの《蓄音機》を味方につけ、下レーンで勝負を仕掛ける戦略を考えました。つまり下レーン2つの《蓄音機》を味方につけた状態で<マドロック>が下レーンにいる状況を作らなければなりません。
<マドロック>は一定期間ごとに自身に最も近い中立・味方の《蓄音機》を奪取するスキルを使用してきます。”自身に最も近い《蓄音機》”ということは〈マドロック〉の位置を操作できれば奪取させる《蓄音機》を意図的に選択することができるということです。今回は下2つの《蓄音機》を奪取されてはいけません。順当にいくと右上から順に下ってくるマドロックに上2つの《蓄音機》を奪取され、3度目のスキルでは下の《蓄音機》を奪取されることになるでしょう。
そこで私は、右上の《蓄音機》を2度奪取させることにしました。つまり右上奪取→左上奪取→右上取り返す→中段ルート最右において右上を奪取させる、という流れです。こうすることで、奪取スキルを使って間もないマドロックが下ルートに向かうことになります。よって次のスキルまでは時間を十分確保することができ、下2つの《蓄音機》の恩恵を最大限受けることができるのです。
中段最右にてスキルを使用させるためにグラウコスの2度のバインドが大きな役割を果たしたほか、ウィーディであえてブロックするなどマドロックの位置操作に余念はありません。位置操作の得意なこの縛りで挑戦できたからこそやりがいと楽しさを感じることができました。
今回の作戦では、各オペレーターの役割が明確だったのも例に挙げた理由でもあります。ウィーディは《蓄音機》奪取に専念していてほどんど攻撃をしていないですが、ウィーディが攻撃をする以上にギミックを味方につけるメリットが大きく、重要であるということです。
・ソーンズ→雑兵処理
・ウィーディ→《蓄音機》奪取
・アンドレアナ→〈シャーマン〉への火力
・グラウコス→〈マドロック〉の位置調整兼〈シャーマン〉の足止め
(〈マドロック〉への2度のバインドに加え、撃ち漏らした〈シャーマン〉をソーンズの射程範囲かつ《蓄音機》の奪取範囲外にバインドしていたグラウコスはこの作戦の要でした)
最後に圧人への私の見解を述べさせてもらいます。アークナイツでは人数を最小限で攻略する、いわゆる圧人が行われることが多いです。彼らの関係性を好きになり箱単位で推しているからこそイベリア縛りを始めたというドクターも多いはずです。そんなドクターからすると「人数を削るのはもってのほかだ」と考えている人も一定数いることでしょう。ですがやはり、私はこの縛りにおいても圧人を強く推奨します。その理由は、人数をかけた無駄の多い攻略はオペレーター各々のポテンシャルが十分に発揮されず、各々の個性や役割が不明瞭になってしまいます。逆に無駄を削ぎ落とすことで残されたオペレーターの活躍がより明確になり、オペレーターの個性やポテンシャルをより映し出すことができるでしょう。このイベリア縛りは個性豊かなオペレーターが揃っています。私はその個性を活かす攻略、この縛りでしかできない攻略を心掛けています。確かにソーンズの採用率が高いことは間違いないのですが、ソーンズが居てこそ輝けるオペレーターがいるのも事実です。適材適所、個性を理解しマップマップにあったオペレーターを活躍させてあげることを私は強く推したいと思います。今回の攻略で外れてしまったオペレーターがいたとしても、次回の攻略ではポテンシャルを最大限発揮できるマップに恵まれるかもしれないのです。
今回は以上です。需要があればまた書くかもしれません。グラウコスの性能についてだけは書きたいと思っています。(2023/11)
次の記事です。
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