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小説/Novel

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#詩

流星を持つ少年

少年の瞳の中には キラキラと輝く 小さな星がありました。 その子が流す涙の流星を 手にした人には 幸せが訪れるという。 その噂を聞きつけた たくさんの人が 少年に涙を流すように お願いしましたが、 涙はなかなか 流れるものではありません。 欲望に駆られた人たちは 意地悪をして涙を流させ、 幸せの星を手に入れました。 たくさんの 悲しい涙を流し、 しだいに 少年の瞳の中の星は消え 真っ暗になってしまいました。 「欲望で膨れた星は、 いつか爆発して しまうでしょう」

星ひとしずく

お星様、 ようこそ私のところへ。 女の子のコーヒーカップの中に 星が一雫降ってきました。 コーヒーカップの中は小さな海です。 真っ暗な海を星が照らしてくれています。 女の子は、とても安心して星を眺めるのでした。 カップの中は女の子の思い出。 ささやかな思い出の断片を 大切に ゆっくり 味わいながら飲みほします。 希望というお星様を添えて。 今日もおつかれさまでした。 優しい夢が見れますように。 ーーーーーーーーーー こちらのイラスト は、 『思い出喫茶』(物語