マガジンのカバー画像

一般高校時代

24
それまで過ごした聾学校から、一般高校(聾学校ではない)に進学したあとの高校時代のNoteをまとめています。 ※マガジン分類は今後変わることがあります
運営しているクリエイター

2021年3月の記事一覧

私は、自身の本の世界を聾学校に持ち込まなかった。読書感想文コンクールについても同様で私は、聾学校図書室にあっただけの本について書いた。

聾学校小学部と中学部合同の行事として、毎年、読書感想文コンクールがあった。入選は小学部中学部の生徒全体で、1,2人、佳作は5人ぐらいだったかもしれない。小学部と中学部で、入賞を分ける基準があったのかどうかは分からない。 私は小1、小2のとき、2年間続けて「入選」した。 当たり前だ。母と二人羽織で書いていたのだから。そのことに、私は違和感は持たなかった。その前の聾学校幼稚部時代では、毎日日記を暗唱したが、その文章のベースは、母が書いたものであった。読書感想文を母と一緒に書くこ

高校合格の新聞取材で、将来の夢は先生になること、と私は口に上せた。しかし、私は全く先生になるつもりはなく、考えたことすらなかった。

聾学校から高校受験をし、合格した私は新聞取材を校長室で受けた。 新聞記者の問いかけはまったく私には分からず、担任の先生に任せて私は黙っていた。担任の先生はしゃべっていた。時折、水を向けられては、言うべき答えを一足飛びにもらい、それを私は復唱した。 取材の終盤のあたりで「将来の夢は?」と聞かれた。私はその質問を担任の先生から伝えてもらった。 将来の夢?中学生の私は、そういうことを長らく考えたことがなかった。幼稚部の頃は、歌手もしくはアイドルになりたいと思っていたそうだが、いつ