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2022 ex.happyender girlの奇跡

2022年12月に ex.happyender girl は毎月新曲をリリースします。そんな発表がありました。そしてもちろんそれをわたしはずっと追ってきました。それはとてもうれしいことだけど、おそらく1年後以降 ex.happyender girlの活動はフェードアウトしていくのだろうなという予感とともに。そんな1年間の軌跡をかなり抽象的な表現ではありますが個人的に振り返りたいと思います。

1月:リトルガールイズデッド (20220130)

新しい曲はどうしてもこんなにも孤独で聴いていると胸が苦しくなるのだろう。キミハナニヲミテなにを思って、ただそこに立ちすくんで動き出すこともできずにそのキラキラした水の流れの中で壊れゆくあなた。それは、よくできていて。右側に流れるピアノの音が流れる水のようで、その音がとても印象的でした。教会に鳴り響く厳かなオルガンの音の粒が弾けて朝日を浴びてキラキラと輝いていてこれからリリースされていくであろう曲たちの一曲目として相応しく最初から音が多めで大きな川の流れみたいでそれぞれの受け持つパートがのびのびとかつ揺めきながら。音が多めでしたがわりと控えめなので思っていたほどごちゃごちゃせずに一つのまとまりになりつつもそれぞれが美しい旋律を奏でていました。(ここまでが1月当初の感想。体調もあまり芳しくなかったのでかなり抽象的)
始終きらめくようなピアノの音の上をメインのメロディが流れていきとにかく美しいの一言に尽きます。特にサビのピアノのメロディが印象的。ハピガはピアノの使い方がとてもうまく、これは過去の作品においてもそうですが、ピアノに置き換えると美しいのはやはり本来のメロディがいいからなんだろうなと思います。踏襲しているなと。特徴的なのは前面に出てくる音は勢いと力強さがあるのにバックでは美しいメロディが流れているみたいな。全体的に音がノスタルジー。使っている音がまろやかで角がそぎ落とされていたなあという感じでした。好き。
最後の「バイバイ」がとりわけ良かった。


2月:ホーム・スイート・ホーム (20220227)

ピコピコ音とずちゃちゃちゃで唐突に始まるところがまず良いのですが、最初から右側でメトロノームのように刻み続ける音が自由奔放でいて時々テッテッレテッで揃うところも微妙にずれていてとても印象的。揃うところではそれぞれの楽器が手をつないでいる情景が浮かびます。いろんな音がいろんな階層で好き勝手にメロディを奏でているにもかかわらずうまく統制していて。これ系はあー好きだなと。所々で遊び心満載の音が入っているのも好き。ミクちゃんが最後のホームスイートホームを歌った後(2:30)にイェイと言ってて、こう、時々ミクちゃんが自分が好きなように自由にふるまっていて、そういうところが彼らの信頼関係が垣間見えるようでいつもいいなと思います。アウトロもこれまでの流れを翻してくる感じで良かったです。音の運びが伸びやかでかつ滑らかで個人的にはもっとノイジーなギター音がババーンと主張してくるかなと思いましたが控えめだったのが意外でした。ですがこういう感じの方が一般的には受け入れられるのかなとも思いました。MVが良かった。


3月:leave my mind (20220327)

とにかく美しい。水の流れるような美しいメロディが続き水底を別のメロディが流れていくキラキラとしたそんな曲でした。こういう感じは『 2007 』(大好き)にもありましたね。イントロがずっと続いて静かに歌い上げていくのもとても聴き入ってしまいます。ようやく後半に入って曲が始まりますがここでタイトルが出てきそうなそんな雰囲気でそれはまるで終わりの始まりみたいで。ミクちゃんが時々喋るのとかもまた自由度があって好き。そして始終テープを巻いているようなノイズ音が微かに入っていてそれがMVと合わせて聴くとノスタルジックですごい好き。"そして人生の夏が" から始まりますが、『 cruel 』の "そして人生の夏が過ぎ去り" とシンクロしてエモさがあり最初から感極まってしまいました。なんていうかこの曲も過去から続いているんだなと。先月もそうでしたがこうやって少しずつおしまいに向かっていく感じがなんとも切ない。ですね。MVがエモくて観ながら聴きたい。めちゃ好き。


4月:ニノコルモノ (20220426)

まずイントロが良いです。そして長いのも良いです。わたしは長い曲が大好きなので。美しいメロディなのにノイジーでそのノイジーな音の中にわたしの好きな happyender girl がありました。ダイアルアップの接続音のようなそんな音が入っていて私たちのリアルはいつだってインターネットで繋がっていて、そしてその関係性は危うい。そんなことを思いました。ミクちゃんが広いバーチャルの世界の中に自分の足で立って歌っているといった。こうふわふわした感じではなくてコアの部分から声が出ているような。歌詞についてはいつもとても好きなのであえて触れませんが、水色というワードが出てきたのが良かったです。水色好きなので。そして、時々ハピガの歌詞には水色が出てくるんですよね。そこが好き。実はこの歌詞、書かれた当時に目にしていたんですよね。いいなと思っていたのでこんな形でまた触れることができて嬉しいです。
"過去も未来もない。うつくしさ。"の直後で音が上がりながらそろっていくメロディがあってそこが特に好きです。6:20の半音上がるところもとても好き。聴けば聴くほど浸透してくるそんな曲でした。集中して聴いてしまうと泣きそうになってしまうので注意が必要です。全体的にハピガは前半は音少な目で静かに進み後半からババーンとなる交響曲的な構成なのですがまさにこの曲もそれでわたしはそこがすごい好きです。


5月:よどむ (20220529)

結果的にめちゃくちゃ聴きました。いきなり始まるのが良いです。美しいイントロで始まるのもいいのですが、やはりこういった唐突にみたいなのが好きなので。『 ニノコルモノ 』でもチューニングみたいなイントロがとても良かったですよね。心の準備ができないままに始まりますが、実はまだイントロ要素があって伸びやかに展開されていくなと聴き入っているとさらに0:50あたりから唐突にかっこいいギターでメインが始まるみたいな。全体的にギターがかっこいい(2回目)ドラムも良いです。それから音の動きがめちゃくちゃ好きです。躍動感があり疾走感もあるにも関わらず途中途中で入るゆるっとしたメロディが最高です。さらに後半にかけてガンガン音が大きくなっていくのも特徴的です。非常にhappyender girl交響曲的。とはいえ、音のバランスは控えめに調和が取れるような構成になっているので自分でバランスを変えて低音を爆音で聴きたいそんな曲。それから、歌詞がなぜか次のパートにつながるところも実は好きです。"気がしたんだけど。毎日、"(0:39)など。メロディだと "それを拾おうとする。"(2:00) で上がっていく感じが良かったです。この曲も静けさの中にある狂気みたいないきなりバーンって音がぶつかってきましたね。好きです。ハッピーエンダーガール交響曲楽団。ぶつかってくるといえば『 ガールフレンド・アーミー 』もめちゃ好きです。あの曲はあえて爆音で聴きたいですね。それはそれとして、ギターとシンセ、パーカッションの組み合わせが天才的だなと思いました。特に半拍ずれたりするところか。あのずらし具合が違和感なく聴けるのとか。めっちゃ好き。思わず笑みがこぼれてしまうそんな感じ。


6月:ジェミニ (20220626)

奇をてらってなくて安心して聴ける曲。だからと言ってただの消費してしまう音楽では済まないところがハピガ。まずイントロが控えめに遠くの方で始まってそこに乗せてくるメインメロディ。そのまま同じボリュームを保ったまま最後まで進んでいくその安定感。とにかくシンバルがシャンシャン必要以上に大きな音でなっておりそういうとこがいつも好き。happyender girlはそういう音のバランスがおもしろい音楽なので。ミクちゃんは相変わらず半音ずらして歌っていたりちょっといつもよりかしこまった雰囲気でテンポはそんなに早くないのに少し駆け足でみたいなそんな音楽でした。アウトロのピロピロした音から後半が特に良かったです。あと不安定なメロディラインも良かったし。目を閉じて聴くと向こう側が見えて「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」みたいな音楽だなって思いました。MVもとても好き。ミクちゃんが楽しそうで伸びやかに歌っていて良かったです。はにゃあって感じで好き。


というわけで、ひとまず1月から6月までの記録ということで。
happyender girlはわたしが勝手に好きなように好きでいて勝手に好きなようにいつも感想を書いています。今回も完全に書きたいように書きました。とは言え、好きという表現は控えめにしたつもりですが。聴く人によってはそうかなと思うかもしれません。でも、わたしはわたしが好きなようずっと聴いてきたし、これからだってずっと勝手に大好きなので。バズってもバズらなくてもわたしはずっと好きなのでそれでいいと思っています。みんなが忘れてしまったとしてもわたしはこれからもずっと大好きだし唯一無二なので。そして、時々新しい音楽を聴くことができればそれはとても嬉しいと思うのです。

7月以降は改めてこっそり下にプラスする形で上げたいと思います。あくまでも完全にわたし自身の勝手な記録なので。

7月:Miku Append Dark (20220731)
8月:アウトサイドより愛を込めて (20220831)
9月:ホットケーキミックス (20220930)
10月:AP in the SP (20221030)
11月:悪食 (20221127)
12月:ワールズエンド・ガール(フレンド) (20221225)

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