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一寸先は…

えーと、とりあえず昨日夕方ごろにSNSを開けたらルートインBCリーグの西地区4球団が来季はリーグを脱退、独立して新しいリーグを立ち上げ運営するというリリースが出ており、驚きと共に複雑な心境でいます。
自身で言うと、認めたいけど認めたくもない、という、なんともいえない感覚が続いています。一先ず中旬の発表を待つしかないですが、大きな出来事なので思う事を述べておきます。

・新型ウイルスの影響が三年に渡りそうな事、三年という歳月
最大の影響はやはり新型ウイルスによるもので、特に西地区が割を食った面は否定が出来ません。再起を目指した福井球団にとっては冷や水を浴びた形です。西地区の特徴としてファンの中でもコアに位置する方が意外に県外に多いという所があり、移動の制限が長期に及ぶ中で集客にも大きく影響してきます。ウイルス終息が一年で済むとは到底思えなかったのですが、二年経って何とかワクチン接種で集団免疫を作れても、変異株の適応の関係でもう一年くらいは自粛要請が続きそうだ、という所で、三年はジリ貧を想定しなければなりません。曲がりなりにも運営はできているのですが、三年も同じ状況が続いて経営として無事で済むとは思えず、かと言って三年も変化がない球団に誰が未来を見出して新規投資するか?と思うと、このタイミングで何か新しくて大きなインパクトを与えないと生き残れない、というプレッシャーはあったと思われます。

・遠征費用の捻出が厳しい
元々今年は西地区が交流戦から外れ、読売の三軍戦からも外れるという措置が取られていたのですが、これは福井の財政難を想定した措置だったと推測しています。福井球団は一年目こそ自前で選手の雇用を継続しましたが、二年目からは副業を解禁しないと捻出が厳しい状況になりました。遠征でも球団代表の小松原氏が自らバスをチャーターして運転する状況で、この状態で長期のロード費用をどこから出すか?となり、恐らく球団単独では賄いきれない。昨年の地区CSですら福井球団は費用捻出で苦労した話を聞いていますし、所属選手でA契約の藤原蔵太さんが最近出したアルバイトの一ヶ月の金額(四万円くらいだったでしょうか)を考えても、これを何年もやるのはいくらなんでも…という気持ちがあるのは事実です。
よって他の三球団交えて地区単位で緊縮として措置を分けたと考えますが、来年も社会全体は回復途上の状況になりそうで、同じ独立性の地区だったらBCリーグの組織である必要はなくないか?というのは球団首脳陣も感じていたのではないでしょうか。

・組織の一員として持たされるイメージ
元々として、西地区は比較的新型ウイルスの影響を受けない県で構成されており、自身ももし地区で売り出すなら安全性で出すべきではないか?とは思っていました。しかしルートインBCリーグの組織内の一員となると、BCリーグ自体のイメージが西地区も交えて持たれる事になってしまいます。例えば関東圏主体の東地区のイメージを持たれていて、西地区を見ても一般の方は「まああれと似たようなものだろう」くらいしか感想を持ちません。むしろ個別で売り出すなら独立で組織を立ち上げた方がイメージの戦略でも余計な事が入りにくいのはあると思います。

・球団事務所が関東圏にある事
元々リーグの事務局は新潟にあったのですが、エキスパンジョンにおける売り込みの利便性向上の関係で東京に籍を移しています。この事に加え前述のウイルス影響で移動が出来ず、どうしても現地で観る、という事は難しかったかもしれません。こうなると特に西地区に目が届きにくかったことは否定が出来ません。事務局関係だと福井に出向している小松原さんがいますが、球団代表は球団代表なので、事務局の様な権限を持っている訳でもありません。この連絡体制の問題を解決するなら複数に事務局を置く事が良いと思うのですが、ちょうど独立した北陸リーグの話が出ましたので、新しいリーグの事務局として置けばフットワークも良くなり、リーグ球団を巻き込んだイベント開催や売込みもしやすくなるのではないか?とは思っています。
新リーグはオセアン滋賀ブラックスが主導しているらしい話を聞いてはいますが、京都開催も出来ていますし、関西圏へのアクセスを考えると差別化が出来ていいのかもしれません。

・とりあえず賽は投げられたので…
詳細発表がないので何とも言えないのですが、新リーグに期待する事として、大前提としてはIPBLに所属する事(所属していないと外部交渉が難しい)、あとはリーグスポンサーとしてそれなりの所を持ってきてほしいのと、何らかでBCリーグとの接点は持っていてほしい、という辺りでしょうか。仮に新リーグが上手くいかなかった時にBCリーグ側から救済できるような余地は残しておいてほしいのと(逆も然り)、今年もグランドチャンピオンシップが中止となり来年も影響が続きそうな事も踏まえ、最低限でも西地区の新リーグとの対抗戦としてグランドチャンピオンシップと称して出来ないか?というのは考えていてほしいと思います。基本的にイベントは二年連続で開催されないと存在意義を否定されかねないので、三年目は何らかこじつけてでも開催できるようにしてほしいものです。

・それでも寂しいもんは寂しい
他にも球団間での裏事情も考えがつきそうなもんですが、そこはまあ置いといて、現実を踏まえた合理的な選択であった事は間違いがないのですが、それでも感情は納得がいってくれません。それだけ西地区の球団に対しても思い入れが強かったと我ながら思わされています。
群馬ダイヤモンドペガサスの関わり始めの頃、石川ミリオンスターズは強豪中の強豪で、NPBにも何人も送り込みましたし、選手も色々な人を雇ったり、イベントの試みも先駆となったのは多くは石川球団です。自分自身としてもファンの知り合いは特に石川球団に多いので、打倒石川でやってはきたものの、良き友人という視点もあり、長い付き合いの中で色々なかかわりも持ってきました。それが突然リーグを離れるというのだから、切り離されるファンとの関係はどうなるんや…というのもあり、来年こそ石川球団を倒すとしてきた自分のモチベーションはどこに捨てていけばいいんだ…とか、何とも言えない、橋を落とされぽっかり穴が空いた感覚になっています。
富山GRNサンダーバーズも強かったので何とか打倒をと意気込みは強かったですし、福井球団(ミラクルエレファンツ→ワイルドラプターズ)も再起を支援した経緯があります。基本的に北陸は屈強な印象が強いです。東地区の方が相対的に劣ると言われていたくらいだったので、リードしていた群馬球団のファンとしては負けられないという感情もあった訳です。それゆえにこんな形で別れるのは予想外でした。永遠なんてもんは無いのは分かっています。しかし、きっかけが新型ウイルスによる経営影響なのは間違いなさそうなので、心底このウイルスを恨まずにはいられません。

来シーズンからは交流戦でもない限りは殆ど試合もなくお別れとなってしまいかねないので、その点では分かるけど、分かりたくないんだ…という難しさは、この陳腐な文面では理解できるかなぁ…まぁ発表当日にあったTwitterの「スペース」とやらでも偶然自分が発言者になったので、思いのたけは吐かせていただきましたが、まぁ新しいもんに期待とか合理的とかそういうのは非常によく分かるんですけど、どうしても奥底で寂しさがぬぐえない、というのが正直な所ではあります。

・まあ、悲観しても仕方がないので…
新型ウイルスの影響が引き金になって行われたと推測される今回の出来事ですが、新しくリーグとして構成されるのは事実です。ただ新しいというのは信頼が無いので、BCリーグというブランドは仄めかしたまま、一年目から色々な事をしてほしいと思います(利用できるもんは何でも利用してほしい)。以前の福井球団であったNPB球団との提携もいいかもしれません。NPB交流戦も独自に呼び寄せたり、オールスターとかも。将来球団拡張の余地が残るのかとか、球団数は4なので四国ILみたいな1リーグの方式になるかもしれませんが、例えば試合数を減らして間の休止期間で連合を組んでNPBファーム相手にショーケースとして渡り歩くとか、少ないなら少ないなりにやり様はあるかもしれません。

スペースで話している途中で香川オリーブガイナーズでコーチをしている生山裕人氏と話す貴重な機会があったのですが、独立リーグの課題を話している時に彼の口から出てきた事は新規リーグの第一関門になりそうと思うものが多かったです。
「野球との関わりを見つめ直す場所たりえるか」
「野球界を嫌いになってしまった選手を再起させられる場にならないか」「様々な理由で能力があるのに埋もれてしまっている選手にこういうリーグがあるという声を伝えられないか」
「進路として魅力的とみられるか」
「大型の雇用機会として地域に貢献出来るか」
「リスクに対するアフターが強固と評価されるか」
…自分ごとで捉えると、これは群馬球団でも既にやっていたり、まだ十分には進んでいなかったりする事があって、その内容の話も少ししたのですが、ホスト側の接続が落っこちてしまったので多くを話しきれなかったのは残念でした。またどこかの機会で聞いてみたいものです。

未だにまとまらない事を書いてみましたが、良い事ではあるんですけど素直には喜べないな…って、この例えって何なんだろうなって思った時、過去に自分が大学に行くために一人暮らしをすることになった時に母親が見えない所では涙を流していたという話を聞いておりまして…
今は実家に戻ってきているのでそういう辛さはないはずですが、ずっと関わっていた人が少し先にいなくなる辛さというか、子を送り出す親の気持ちってこうだったのかな、みたいな事も思ったりしました。自分はまだ残念ながら親にはなれていない(そもそも独身…)ので推測でしかありませんが、この辛さを乗り越えた先にお互いに成長した先の光景が見られると信じて、寂しさはぐっとこらえて送り出そうと思います。

もうちょっと今シーズンは続きますから、その間は、といえばアレかな…
まぁリーグ全体、特に西地区にいるファンの方々は今後とも関わってくれると嬉しいので、よろしくお願いします。

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