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私にとってのルートインBCリーグ

【やたらと長い前書き】

ちょっと前にルートインBCリーグの公式アカウントにて「開幕前の企画をやりますから参加してください!」と書かれていて、とりあえず何か書いてみようか?と思って「BCリーグはいいぞ」という企画に参加表明してはみるのだが、さてどう書けばいいのかといきなり悩んでいる。
なんせ、「あれがいいですよ!」「これがいいんですよ~」という意識して押す感じではなくなっていて、そらまあ付き合えば悪い所もあるし文句を言う事もあるけど、そこは上手く折り合いをつけて乗り越えていく、という様に、BCリーグはいいという意識付ける所をすっ飛ばして、もはや「BCリーグは日常である」という無意識の境地まで行ってしまっているのである。

これはあれか、リーグという存在が付き合っている彼女みたいなものと思えばいいのか。彼女いないけど。
そこはまあお付き合いしてください!という人がいればまんざらではないけど、見ず知らずの人から言われるとこれは何か裏があるのか?
とか思ってしまったりとか。そういう事ありますよね。人付き合いは簡単にはいかない。

訳が分からないので話を戻そう。

そんな無意識の境地になってしまった自分が、わざわざルートインBCリーグのなにがいいのか絞り出してみる、という滝行みたいな企画になる。
んなもん日常生活と同じなんだから何となくでいいんだよ、で終わらせたいんだけど、そんな適当な事を言ってしまったら群馬ダイヤモンドペガサスの糸〇会長さんから「説明が足りません」とケチをつけられかねない。

そういう訳で気合入れて書いてみます。気合と言っても何をモチベーションに?となるので、原稿が完成した暁には長野県佐久市にある「大阪たこ焼き」でたこ焼きを食す事にします(ステマか?)。
断片的な記録はBCリーグ合同誌という所にいくつかのっけているので、それ買って読んでみてもいいと思います。
堅苦しいのは自分の性格上なので許してほしいですが、なるべく軽く書いてみます。自分の基準が軽いだけかもしれませんが、気にせずいきます。

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【そして日曜日になり】

先週一週間仕事で無理をし過ぎたために土曜日は一日疲労が抜けきらず、ようやく日曜日になって体調もまともになってきたので、本題でありますルートインBCリーグの魅力とはなんぞやというのを書いていきたいと思います。
なんせ数時間しか時間が無いので、画像を用意する余裕などありません。
どこまで「書ける」やら…?

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・最初に
この土日でリーグの東地区が開幕となり、三試合が行われています。中地区と西地区も開幕まであと一週間を切りました。
昨年コロナ禍でまるで情勢が読めず、やむを得ず四月開幕が延期された地獄を考えれば、予定通り開幕しただけでもありがたいというものです。
どうしても各球団の勝敗についてのめり込んでしまう事もあるかと思いますが、昨年苦しみ続けたこの大前提は忘れずに今年のシーズン、当たり前の日常の価値を噛みしめていきたいと思います。

・ルートインBCリーグとは
ばっと書きますが、北信越と関東、東北の一部を合わせて構成されている大型の独立リーグです。
最初は北信越の四球団から始まり、名称も「北信越BCリーグ」だったのですが、ここに2球団が加わり名称も北信越が抜けて「BCリーグ」となり、そこからまた2球団ずつ球団加盟が行われ、現在は12球団にまで増えた状態で構成されています。
リーグ全体のスポンサーとしてルートイングループが支援する事になり、名称の頭文字にルートインという冠がついて、今の「ルートインBCリーグ」となっています。
2021年現在の球団在籍地は、新潟、富山、石川、長野、群馬、福井、埼玉、福島、栃木、滋賀、茨城、神奈川の12県です。
今後拡張するかどうかは分かりませんが、準加盟(正式加盟の一つ前の承認)に向けて動いている所もいくつかの県で見られます。
地区割りは年によって違うのですが、今年は東地区、中地区、西地区といった具合に三地区に四球団ずつ分けてブロックを組んで試合をするそうです。

・リーグの目的とは
報道上ではNPBに選手を送り込む、というイメージを持たれがちなんですが、根本は野球を通した地域貢献活動であり、NPBへの選手輩出は目的ではあれど絶対的な使命とは言い切れない、というのがあります。
この理由はリーグ代表である村山哲二氏の著書にも書かれているのですが、育成契約が主体の指名では育成コストに見合わない点が大きいです。
詳細は省きますが、指名されてトレードマネーを貰った所で赤字という現実があり、実際指名が多かった福井ミラクルエレファンツという球団も赤字続きでとうとう当時の運営母体が球団を清算するに至りました。ここは現在は運営が変わり、ワイルドラプターズという球団として再起を図っています。

・どんな事をしているのか
四月から九月ごろまでリーグ戦として各地で野球の試合を行い、その合間で地域のイベントに参加したりして地域の方々へのアピール活動も行います。
きちんと順位付けもあり、勝者に応じてチャンピオンシップという勝ち上がりのトーナメントが行われ、この頂点に登り詰めたものが四国アイランドリーグというもう一つある大きな独立リーグの頂点に登り詰めた球団と一騎打ちをする、という日程になります。

・どんな選手が在籍しているのか
色々な選手がいまして、高校卒業から入ってきた選手、大学卒業から入ってきた選手、社会人野球から、クラブチームから、軟式野球から、NPBから、あと海外からやってくる外国人の方もいらっしゃいます。
経緯としても中退してやってきた人とか、一回引退したけど諦めきれずに復帰したとか、NPBから期間限定で派遣されてきた人もいたり、様々です。
一応はプロ野球の扱いですが、名門のエリートを集めるトッププロとは少し趣が違い、可能性のある人材は出自を問わず入団させてくれる懐の広さが魅力の一つです。
それゆえ、投打においてフォームや持ち球、能力が特殊な選手を見かけることもあります。NPBでは厳しそうだけどこのカテゴリであれば活躍できそうな選手もおりまして、選手各々の目標もNPBありきではなく、例えば将来教員を目指すにあたって野球を通して多くの発見がしたいだったり、このカテゴリで結果を出す事で無名のクラブチームの名を広めて後進に影響を与えたい、だったり、NPBから来た選手でもNPBに復帰したいだけでなく、自分の限界を突き詰めたいという目的だったり、海外を目指したり、何かと個々の目的が多様であり、それが一つのチームの中で交差していくのも魅力です。

・どんな監督、コーチが在籍しているのか
監督に関しては元NPBである、という縛りがあるのですが、つい最近撤廃された様な気がします。実際、茨城アストロプラネッツの監督にはNPBでの選手経験がないジョニー・セリス氏が就任しています。
この方はNPBでは通訳をしていた方で、その点では間接的には関わりがあるのですが、選手としての経験者でないケースはこれが初かもしれません(過去にいたっけか、記憶にない)。
一方でコーチに関しては比較的自由度があり、NPBの元選手だけでなく、BCリーグのOBの選手が就任したり、社会人野球で指導者をしていた方が就任する事もありますし、選手兼任コーチという形で選手としても出場できる形でコーチ登録する方もいます。

・遠征において楽しい所を教えて
読者の居住地による所があると思いますが、近くで野球の試合が見られる、という点が第一です。
例えば私は長野県に在住しておりまして横浜DeNAベイスターズのファンではあるのですが、横浜スタジアムの遠征はとても楽しい反面ものすごく負担がかかります。移動だけで一万円以上吹っ飛んだり、チケット代でそれに近い額を取られたり、食事代もありますし、好きではあるものの気軽に何試合も行ける、というものでもない現実があります。
この中で最初にBCリーグを観に行ったのが2014年5月の南城公園野球場(大栄小諸球場)での試合ですが、これは家から車で五分程度の距離にあるご近所の球場です。ここでベイスターズの派遣投手が見られる事を新聞記事で見て、暇つぶしに観に行った、というものでした。チケット代は試合や球団によって様々ですが、1500円あればまあ十分なくらいです。
近くでそれなりのプロ興行が見られ、NPBとの関わりもまあまああり、費用も抑えられる、という地域の方にとっては結構おいしい所があります。
小さな旅行としては負担が軽く済み、それなりに満足感も得られる趣味、といった感じです。

・ところで筆者の応援球団は
自分は群馬県にある「群馬ダイヤモンドペガサス」を応援しています。2014年からなので今年で7年目ですかね。
ここでなんで長野県民が長野県の「信濃グランセローズ」でなく、群馬県ご当地のダイヤモンドペガサスなのか?という疑問があると思います。これは当時のベイスターズからの派遣投手であった今井金太君を引き受けてくれた恩義が最初ではあるのですが、元々自分は学生時代を群馬県で長く過ごしていた経緯があり、若い頃の故郷は長野ではなく群馬の方なのです。
友人づきあいもそんな感じなので、群馬県への遠征はちょっとした里帰りのような感覚で行っています。
加えて観戦を重ねるうちに球場内で知り合ったファンの方々も多数いらっしゃるのですが、みんな置かれた状況の中でしっかり生活しております。日常の延長に野球場のスタンドがある感じとなっていて、同じファンの方々や球団スタッフの方々とのご近所づきあいという意味合いも強くなっています。

試合とはまるで関係ない部分でファンとしてのモチベーションが続いているのですが、ある意味生活の一部という無意識の境地はそういうものかもしれない…とここ数年は思い始めています。

・試合観戦におけるポイント
NPBのようなハイレベルなプレーを最初から期待すると、少し拍子抜けしてしまうかもしれません。感覚としては、NPBのファームを見るようなものでしょうか?選手は成長に向けて必死に努力している最中で、プレーは粗削りが多いです。もしくは技術的には完成されていても、スピードなどの強度が弱かったり、一長一短です。
それでも選手は必死にやっているのでして、時にNPBでも中々見ない様なスーパープレーを見せることがあれば、なんてことないプレーであっさりミスする事もあります。そういった選手たちがライバルでありながらチームとして勝利を目指し成長して「何かを残していく」という熱さが楽しみの一つです。NPBから来た大物選手の場合はどこまで通用するか、各選手が挑んでいく姿も見られます。
チームとしての勝敗は当然ながら、よく見ていくと選手個々にも特徴を見付けられる、という点も中々いいです。プロ野球のスカウトマンだったらどういう所に注目するのか?とか、試合においてどこがターニングポイントだったのか?とか、選手が上手くいかなかったときにどこが気になったのか?とか、お客さんも満員ではなる事は少ないので(満員にしたいんですが先は長い…)広い球場の中で視野を広くもちながら試合を眺める事が出来ます。

目的が一つに強要されないのも良い所で、面白い事を言えば晴れたデーゲームだと外野の芝生で寝ている人もいます。youは何しに球場へ…と思いますが、それがそのファンの楽しみであり、誰にも阻害されないし誰も邪魔しない日常というのであればこれ以上の事はないと思います。
ブルペン近くでピクニックシートを敷いて子どもたちを遊ばせている方々もいます。自分は主にバックネット裏に座るのですが、ここは球団関係者がいたり、スカウトがいたり、上がりの選手(試合にで出ない選手)が記録を取ってビデオを回していたりします。両翼の内野席には応援団が陣取っていたり、と、比較的いい具合に分かれています。お互いに阻害されない点では独立リーグの球場は理想的と思っています。
NPBだと最近はユニフォームの違いで仲違いが起きたりと何かと物騒な話も聞きますが、この独立リーグの環境にいると同じ球団のファンでもNPBの応援球団がバラバラなんて事もザラで、そんなにピリピリしなくても…と思います。確か、群馬ダイヤモンドペガサスの場合は応援団長がオリックスのファンで、副団長が巨人軍で、自分はベイスターズで、阪神とかロッテとか、まあ色々います。オールスターですね。スターじゃないけど。

・他に面白い所は?
球場によって飲食の事情が違うのも面白い所です。群馬の場合は球場前に屋台があって、唐揚げなど色々なものを買える…のですが、新型ウイルスの関係もあって昨年は姿を見かけませんでした。今年は復活できるのか、期待されます。大栄小諸球場だと球場内に小諸市内関係の飲食ブースが並び、こちらも中々いいです。
球場周辺の飲食関係でも面白い所を見付けられることがありますし、そういう点では小さな旅行というのは言い得て妙です。

他、新型ウイルスが拡大する前は試合後に「お見送り」というイベントがありました。これは何とか復活してほしいと願っています。このイベントは試合後の球場退場時に選手や監督・コーチが並んで見送ってくれる企画なのですが、場合によっては彼等と話すこともできます。話すと分かるのですが、プロ野球選手と言っても中身はそこら辺にいる普通のお兄さんと変わりないです。ただ、野球が上手いだけで…監督コーチも普通のおじさんみたいな感じですね。
リアルを知る事で、自分は選手にかける言葉を慎重に選ぶようになりました。一般人にこんな言葉をかけたら傷つくだろうな、とか、過去に自分がそういう事を知らずにしていた事の愚かさを理解すると共に、今後はそういう事はしない様にと戒めるきっかけにもなりました。
勿論すぐにこの境地に行ったわけではなくお見送りの中で勘違いしていた時期もあるのですが、そういう段階を経てようやくリアルに気付けました。

群馬ダイヤモンドペガサスの場合だと試合前に「ふれあいキャッチボール」というイベントもありまして、これもまた新型ウイルスの影響で一時的に中止になっています。これは非常に意味のあるイベントで、グローブとシューズさえ持参してくれれば試合前にプロの選手がキャッチボールをしてくれる、というものです。主に子どもたちが参加しているのですが、投げ方が下手だった子でも回数を重ねると上手くなっていくのが分かります。球場内外での運動が影響したのか、学校の体育の能力測定でもトップを叩きだすに至った子がいた事も聞いています。
部活動にでも入らない限り正しい投げ方など中々教えてもらえないものですので、今後の子どもたちに野球への興味を持ってもらえるためにこのイベントは復活を強く希望しています。

・ファンとしてはリーグの何がいいのか
当事者意識が持ちやすい、というのが真っ先に来ます。NPBのような資金が潤沢に使える環境にはないので、そのしがらみの中で何が出来るのか?という点は球団の方々だけだと限界があるようです。そこにファンの方々が色々な発想で提案して参加できる、という点はNPBとはかなり違う点です。
中には採用される企画もありますし、採用されないにしても現場の方々が一応は目を通してくれる、という点もアイデアを出しやすい要因となっています。ダイヤモンドペガサスだと堀口社長とか糸井会長とか、背広を着ている方が普通にスタンドにいるのですが、話をすると親身に接してくれます。
同じファン同士でも遠慮する事無く意見をぶつける事が出来ますし、特に群馬県の方々は言い方あれですが結構口調がきつい事もあるのですが、話が早いですし物分かりも早いので、回りくどくない分自分としては結構話しやすい、というのもあります。
昨年で言えば福井球団が清算に入って窮地に陥った時に他球団のファンが協力して存続活動に参加しましたし、新型ウイルスでリーグが苦境に陥れば総出でアイデアを練っていく団結も自分の好きな点です。受け身ありきでなく「自分達でやる」という点は他のカテゴリには中々ない特徴だと思います。

キラキラした特別な何かではないけれど、そこにいる普通の自分としても何かが出来る、という地味ながら現実での可能性を噛みしめられる点、といえばいいのでしょうか。表現が難しいですね。

・リーグの今後に何を期待するのか
もっと拡大路線を、と言いたいところではあるのですが、この新型ウイルスの経済情勢もありますし、福井ワイルドラプターズの存続危機も去っている訳ではありません。抱負としては大きくする目標は持っていたいものの、出来る事としてはまずは昨年で傷ついた部分を戻す所から、になると思います。幸い球団が残っていれば、何かする事が出来ます。残っていなければお話になりません。なので、今そこにある、自分達はここにいる、という存在意義をまずは第一に進めていって、経営危機が落ち着いたら段々とまた違った事に足を入れていく、という辺りでしょうか。当たり前の価値というのは案外忘れられがちなものですが、失ってからでは遅いので、今年はその「当たり前の価値」を強く押し出せる年になる事を願っています。


まだまだ書き足りない事も多いのですが、BCリーグの良さというのがなんなのか?という事を踏まえて校正も無しに頭に浮かんだことを書いてみました。また機会があれば違ったテーマで書くかと思いますが、一先ずリーグは開幕しますので、他のファンの方々と共に目前の試合を楽しんでいこうと思います。
まぁ仕事も忙しいのですがね…いつかは長野や群馬の球場に行く事もあると思いますので、そこでまたお会いしましょう。
(よっしゃあ、これでたこ焼きがたらふく食えるぞー!(殴))

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