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理想との乖離

久しぶりにnoteに触れますが、今回は独立リーグの在り方というか、当初の動機というか、そういうのを再認識した話をしようと思います。
少し前にあった出来事でちょっと自分自身でも思うことがあったので、覚えている間に形にしておこうと思いました。いつか書こうと思っているとすぐ忘れてあれ、何を書こうとしたんだっけ、というのが多い人間なので…

・とあるやり取り
自分はTwitterというSNSを現時点では主要な場としていますが、表に出ている会話だけでもなく裏側でも色々とやり取りしています。踏み込んだ話だったり、ちょっと個人情報に触れそうな内容だと表に出すのはリスクありますからね。そういうもんでもない普通の会話は流しますが、切り分けは行っているつもりです。
ちなみに匿名メッセージのやつはほとんどやっていません。他者と会話なり議論するならまず身元を名乗れ、というのが自分なりの主義でもあります。相手をリスペクトしろ、というやつですね。なので裏側では言葉に関しても結構気を遣います。

で、その会話の中で独立リーグの新球団の話がありました。
会話内容としては、静岡の球団の立ち上げに群馬の球団のOBさんが関わっているかもという話、あとこの球団が出来ると独立リーグのあり方が問われるから困っている、という話でした。
まぁ自分に振ってくるという時点でこれどう思うか、というのはあったと思うんですが、自分は少し思うことがあって釘を刺しました。
返した内容はざっくり言えば「都合が悪いからと言って潰せという訳ではないだろう」「そこまで独立のカテゴリが傲慢をかますわけにはいかない」というニュアンスです。

自分が関わったのは2014年からで8年くらい経つのですが、ここ数年で独立リーグの球団数が増えて全国で30球団を超えるとかなんとか。それ自体は地位を確立しているのでありがたいのですが、他カテゴリと比べても独立性が高いためかそこに対して攻撃的になる言動も目立ってきたと思います。まぁ有名になれば色々な人が来ますし、自分が関わり始めた当初も先輩方のファンはNPBに対する反旗を主体にしてきた所はありましたから、昔が良かったという訳でもなかったりします。ただ別の意味で拡大における歪みが出始めていて、これをほっとくとやがては存亡に関わる大きな事態になっていってしまうのではないか、と自分としては危惧しています。

・そもそもなんのために独立リーグはあるのか
自分として思ったのは独立リーグの駆け出しの頃に何を願ったのか、そして今はどういう立場でいるのか、という点です。夢を叶える場所としながら、自分が掲げた夢と今の在り方が真逆であれば本末転倒で、夢とはなんだったのか?という事になりかねません。変動した理由を時系列において明確に示せなければ、それまで過ごした数年を無駄にする事になってしまいます。

自分としては可能性を感じて、NPBに並ぶ、とまではいかなくてもそれに影響力を持てるくらいの拡大機運があった事と、合同誌でもちらっと述べたことがあったと思うのですが、自分自身も地域における野球リーグの構想がうっすらとあって、具現化して近いリーグが身近にあったので乗っかってみようと思った、というのが大きいです。あと無名の選手をプロとして別の角度から光を当ててやりたい、というのもあったと記憶しています。
自分の主張にNPBへの輩出ありきにならず地域貢献が先行しやすいのも、元々の動機がNPB云々ではなかったから、というのがあります。

・排除の論理に向かってはいけない
しかし当初掲げた動機があったにしても、目標の実現を繰り返してもはや不可能はないと思ってしまい、いつの間にか排除論理に向かってしまう事はよくあることです。特に革命、革新的な組織では起こりがちです。
まぁ今のその排除目的に対し組織の意思を統一するためにはやむを得ないと思うのか、間違っていると主張するのか、というのはあると思いますが、そういう不義理な事をしてしまえば他のカテゴリや球団支援のスポンサー、所属地域が黙ってはくれない、というのは予測出来ることです。
排除の話に関しては静岡球団だけに留まった話でなく、例えば同じカテゴリでも千葉に新球団が出来る、という話でもやれ通用しない必要とされていない、と聞かれますが、根っこは同じ事です。自分たちの島を荒らされたくないからよそ者は排除する…
ただ当初の目的を思い返せば、それは昔掲げた自分の大義に反する行動なのではないか?と自分としては思ってしまうのです。
なので福井球団の消滅に関しては自分なりに最大限の義理を果たしましたが、千葉に設立する球団に対する風当たりに関しては正直自分は快く思っておらず、一歩引いて見ています。静岡に関してもそうです。大義に対する指摘はあるにしても、存在意義まで否定されてはそこで働くスタッフの方々、ファンの方々をひどく傷つける事になります。当然そこまで出来る権利を自分たちは持っている訳ではありませんし、独立リーグのファンに属することはステータスでもなんでもなく、ただの一形態に過ぎません。それをして何になるのか、争いの意思を明確に示したわけでもない、争いを望んでいない方々とどうして曖昧な動機で争わねばならないのか…

・万物流転
自分が持っている大義は独立リーグを通して球界の発展と地域の発展に寄与すること。他球団が出来たにしてもそれは自分たちが競うことで成長できるきっかけが増えたという事になり、むしろ刺激を与えてくれる存在が出来た事はありがたい事でもあります。いつまでも同じ島という訳にもいかないのです。現状維持は堕落であり、置かれた立場の中で変化と適応を続けなければならない…これが出来ないまま取り残されたら最初の会話相手も言っていたように恐らく三年後には独立リーグは埋没していく事になります。
自分としては群馬の球団を一応は支援している手前、当初掲げた発展と貢献の目的は持ちながら役割は果たすつもりですが、自分の目的は他球団他カテゴリの排斥ではない。地域の人々の生活に少しだけでも足しになるため、そして自分の想いを貫くためであります。そこに寄与してくれる存在が増えるのであれば、球団が増えることに対する協力を惜しむことはしません。

・さて、あなたの答えはどこにあるのか
とはいえ多くの人々をまとめるためには、納得いかないことであっても受け入れなければならない事もあるとは思っています。勢いを失わせずに今の勢力を拡大するためにはやむを得ない、これも決して間違いではないです。
そもそも自分はたまに話しますが間違いという概念は存在せず、選択した道が先に広がっているだけなのです。その中で自分は一つの道を選択して歩き始めたに過ぎない。例えば納得いかないために組織を離れる、これも一つの選択で間違いではないです。
今一度自分の事を振り返ってどういう答えを導き出すのか。初心の方々はまずは率直な想いに忠実にいてくれることが大事ですが、独立リーグに長く関わっている各々には広い視野でよく見つめて欲しいと思いました。


・余談
当初の会話の中で感じた自分の葛藤に何か心当たりがあると思ったのですが、よく掘り返してみるとオウガバトル64というゲームにおける前作主人公の心情に近いものである事に気付きました。
作戦が相次いで成功し多くの者が不可能なことはないと信じてしまって、革命そのものよりも上級民の排斥に傾いてしまっている革命軍。その組織を維持するために下した革命軍上層部の決定が自分の掲げた信念と根本的に食い違い、一度受けた任務である以上は遂行するが納得は出来ないので、革命軍からは所属を離れて行動する、というものでした。今動画を見直してみると、彼の葛藤が痛いほど伝わります。
最近の世界情勢や国内情勢でも革命行為による歪みは見受けられるのですが、この作品は1999年製でありながらこういった事態を示唆していた事になります。

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