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[翻訳] 理想的なREDLINEとは by Saulo Costa

今回はアグレッシブなポーカープロの象徴とも言えるRED LINE、赤線がテーマです。
※ポーカーの収支グラフは一般的に実収支(緑線)に加え、ショーダウン収支(青線)とノンショーダウン収支(赤線)で表現されます。

今回は、パッシブプレイヤーをエクスプロイトすることが得意な "赤線プレイヤー" として知られるSaulo Costaによる記事を翻訳しました。

Saulo Costa @sauloCostaPoker

How To Fix Your Tanking Redline

あなたの貧弱な赤線を改善する方法

あなたが真剣にポーカーに取り組むキャッシュプレイヤーであれば、少なくとも一度は赤線のことで頭がいっぱいになったことがあるだろう。そして、それは正しいことだ。 このように言う人もいるかも知れないが…

「レッドラインなんて気にしてどうする、
キャッシュアウトできるのはグリーンラインだけだ」

赤線は絶対に気にするべきだ。赤線をキャッシュアウトできないのは事実だが、実際にキャッシュアウトできる緑線は、ノンショーダウンポットでの収支に大きく影響を受ける。赤線を無視するのはバカげているだけでなく、非生産的だ。

公平を期すために言うと、赤線を気にする必要はないと言っている人のほとんどは、貧弱な赤線でもポーカーで稼ぐことは十分可能だと考えているからだろうとは思う。また、赤線を過度に気にしすぎると、プレーや座学における重要なことを見誤り、正しい判断が下せなくなると心配しているのかも知れない。

それには私も同意だ。思考プロセスを改善し、より多くのヒューリスティクスを獲得することに重点を置くべきであり、それによってあなたの実戦における実行力は向上する。

ポーカーで成功するために必ずしも優れた赤線を持つ必要はないとしても、あなたが好むかに関わらず、世界最高のプレーヤーたちを少し調査すれば、彼らの赤線はあなたのものとは似ても似つかないことがわかる。

これは直近数年間のキャッシュゲームにおける世界トップ10のプレイヤーのリストだ。

TOP 10 Players (Pre-raked)

彼らのグラフをいくつか見てみよう。

Linus Loeliger - 1/6
(*訳注: 赤線 +10.4bb/100)
M Leikkonen - 2/6
(*訳注: 赤線 +16.8bb/100)
Markkos Ladev - 3/6
(*訳注: 赤線 +9.1bb/100)
T Duthweller - 4/6
(*訳注: 赤線 +0.1bb/100)
Kevin Paque - 5/6
(*訳注: 赤線 -1.9bb/100)
Taisto Janter - 6/6
(*訳注: 赤線 +1.0bb/100)

お分かり頂けただろうか。
これが、赤線に目をつぶるのは得策ではないと言える理由だ。世界のほとんどのトッププレイヤーの赤線は、あなたのように-10 bb/100 なんかではない(気分を害したら申し訳ない)。この大きな違いを無視しても、あなたのキャリアに悪影響を与えるだけだ。

私のプレイヤーおよびコーチとしての経験から言うと、赤線は -3 ~ +3 bb/100 の範囲内に収めたいところだ。それよりも低い場合、あなたのプレイはパッシブすぎる。Foldしすぎたり、bet sizeが小さすぎたり、その他この後説明するミスによってテーブルにお金を落としている可能性が非常に高い。 赤線がそれよりも高い場合、あなたはアグレッシブすぎる。すべきでないスポットでcall downし、赤線を得るかわり青線が下がり、おそらくEVを失ってしまっている。

イケてない赤線でもポーカーで成功できるだろうか。もちろんできるだろう。上記のリストで第1位のBarak Wisbrodの赤線は -7 bb/100 で、ハイレートにいる同業者のほとんどよりはるかに悪い。それでも、彼はそのステークスで十分稼いでいる。そうは言っても、イケてる赤線を描ければ、あなたが大成功する可能性は大幅に高まるだろう。

私はこれまでのキャリアを通じて、あらゆる種類の赤線を経験してきた。 -10bb/100、-5bb/100、+4bb/100、横ばい等々。ステークスを上げていく中で、自分のプレイやアプローチを何度も変えてきた。また、あらゆる種類の赤線グラフを持ったプレーヤーを何百人もコーチングし、成長を見届けてきた。その経験から、赤線を改善する過程で何がうまくいき、何がうまくいかないのかがよくわかっている。そのすべての知識を、これから紹介する赤線を改善してさらにお金を稼ぐための3つのTipsに凝縮した。

Tip 1 - Overfoldをやめる

赤線が下がっている場合、最も多い原因がOverfold(フォールド過多)だ。 2NLから40KNLまで、ほぼすべてのREGがソルバーと比べてOverfoldしている(特にRiverのノードにおいて)。

その一例が、SRPのBB (OOP Caller) でのプレイだ。 IPプレイヤーが、Bet-Check-Bet(Flop小サイズ、River 3/4サイズ)のラインを取ったとする。ソルバーはこのRiver betに対して平均48%をfoldするが、ハイレートREGは56%もfoldしている。

River Check-Fold頻度 56%

ポーカーにおいてOverfoldは非常に重大な問題だ。これは、すべてのストリートにおいて、エクスプロイトされない頻度でディフェンスすることがあまりに難しいという事実があるからだ。適切にプレイするには、あまりに多くの難しいことを同時に行うことが求められる。

  • ナッツハンドを時々スロープレイし、すべてのbet sizeの中にスナップディフェンスできるハンドをいくつか入れておく。

  • 大きなBetに対して、4th pairやA Highのような非常にマージナルなハンドでブラフキャッチをする。

  • マージナルなブラフキャッチャーや完全AirによるBluff Raiseを、ディフェンス戦略に組み込む。

もしあなたがミドルステークス以下でプレイしているとすれば、River Betに対するOverfoldだけでなく、Flop BetやTurn Betに対してもOverfoldしている可能性が非常に高い。例えば、ほぼ全員がOverfoldするラインの1つは、SRP FlopでSBから小さいbetを打たれた場合のBB (IP) だ。

Flop Fold vs small bet 33%

ソルバーが19%しかFoldしないこのスポットで、ローステークスプレイヤーは33%という異常な頻度でFoldしている。

Overfold問題を克服するために、私は毎日Postflopのドリルで練習することをお勧めする。この方法はミスをした時に即時フィードバックが得られるため、どこにリークがあるかを認識し、反復練習によるディフェンスパターンの暗記に最も効果的な方法だ。もしあなたが毎日(または少なくとも週3回)トレーニングを行っていないとすれば、私の意見では、あなたはシリアスプレーヤーとしてミスを犯している。

Tip 2 - 弱いレンジに対してOverbluffする

Tip 2は、上で説明したほとんどの人が抱えている問題から来る直接的な影響だ。様々な異なる状況でソルバーと比べてみんながOverfoldする場合、ソルバーよりもアグレッシブにプレイするのがEVを最大化する適切な方法となる。正しく行えば、Bluffによって大金を稼ぐことができる。

あなたのBluffハンドをBetとCheck間でindifferentにするために理論上必要な頻度で相手がCallしてくる可能性は低いため、あなたはBluffハンドをpure betにすることで、より多くのお金を稼ぐことができる。 Overbluff(ブラフ増加)することで獲得したすべてのFoldが直接あなたの赤線へと振り込まれる。

ただし、Overbluffの注意点は、あなたのプレイが即Exploitableになることだ。ソルバー同等の頻度でCallするのが非常に難しいという理由だけで、盲目的にアグレッシブにプレイするのはお勧めしない。あなたが本来のBet戦略から大きく外れていることを相手が気づかれると、非常に簡単かつ利益的にアジャストされてしまう。相手はレンジを考える必要さえなく、ただFoldの代わりにCallをクリックするだけだ。

私が自分の生徒や動画の中で勧めているのは、弱いレンジを攻撃することだ。相手のレンジが本来あるべきより弱くなっているゾーンを狙って、アグレッションを集中させよう。相手のレンジがソルバーよりもはるかに弱い場合、Bluffが大きな利益になるだけでなく、相手のカウンターする能力も低いのだ。レンジ内がAirハンドばかりでは、たとえOvercallしたくても実際にはCallできない。

では、弱いレンジとは一体なんなのか。どうやって見つければいいのか。

一般的に、人間のプレーヤーは、Betレンジを構築する必要があるところでCheckをした時、ソルバーよりもはるかに弱いレンジを持っている。それが複数回発生した場合はボーナスポイントだ。

たとえば、Populationが非常に弱いレンジを作ってしまう典型的な例は、Flop Check backしたIPアグレッサーに対して、BB (OOP) がTurn Probeを打つ機会がある場合だ。この状況で、ほとんどの人間は次のようなミスを犯す。
「自レンジの上位ハンドでスロープレイしなさすぎ」
「ドローでファストプレイしすぎ」
「完全なAirでBetしなすぎる」※様々なランアウツに対してもバランスを取れるようAirをBetレンジに組み込まなければいけないことは多い。
レンジ構築において、これら3つのミスが組み合わさると最適なレンジよりもはるかに弱いCheckレンジが生み出される。

このOOPプレーヤーがTurn Checkし、あなた (IP) もCheck backしたとしよう。Riverに到達した時、OOPは再びBetレンジを構築する必要があるが、彼らは本来より多くのAirと少ないナッツハンドを持ってそのノードに到達してしまう。ここでのBetレンジ構築において、再び同じミス(ナッツハンドでスロープレイしなさすぎ等)を犯す可能性が高い。RiverでのOOPの二度目のCheckは、TurnでのCheckよりはるかに弱いレンジになっている。これは単純に同じミスを2ストリートに渡って犯したためだ。

Bluffで稼ぎ、赤線を改善したいのであれば、このようなレンジにプレッシャーをかけることに集中しよう。これらは最も簡単に成果を得られるエクスプロイトポーカーだ。

Tip 3 - タイミングテルに注意を払う

タイミングテルのエクスプロイトほど、赤線を改善し、同時に大金を生み出すものはない。タイミングテルエクスプロイトを使用すると、緑線を引っぱり上げながら、赤線が急上昇させられる可能性がある。とにかくタイミングテルエクスプロイトは、ポーカーにおいて最も強力なエクスプロイトだ。

信じてないならば、それは損失だ。この話題についてはYouTubeでいくつか動画を作成した。最もクレイジーな点は、特別なことや複雑なことをする必要さえないということである。少なくともPreflopに関しては非常にシンプルだ。

相手がRFIや3Betに時間をかけすぎている時、3Betと4Betの頻度を増やそう。それだけだ。PreflopのOpen raiseや3Betに9秒以上かかる人は、平均よりもはるかに高頻度でRe-raiseに対してFoldすることがデータで示されている。これは大きなレッドラインマネーを稼げることを意味する。

タイミングテルに関する問題は、まだ構造化された情報が存在しないということだ。現時点で唯一できることは私のYouTubeを見て、自分でトライ&エラーをすることだけだろう。私は近いうちにTiming Tells Made Simpleという新しいコースを提供し、これを変えたいと思っている。リリースまであと数ヶ月かかるが、少なくとも長考RFIと長考3Betに対する攻撃を試してみることを本当にお勧めする。

そして、最も重要なことは、どのようにエクスプロイトするかを知っていることではない。人々のタイミングに注意を払う習慣をつけることだ。そうでなければ、有効な知識も使い道がない。
最初のうちは、かなりのエネルギーを使うだろう。そのため、しばらくの間はテーブルの数を減らすことをお勧めしたい。この努力はすぐに報われるはずだ。

Source: How To Fix Your Tanking Redline – Poker Made Simple


翻訳は以上です。読んで頂いてありがとうございました!

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