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日記36 錯覚いけない、よく見るよろし。

(前回の続きから)


Day2-後編 甲子園(?)

金武キャンプで得た充足感は、一瞬で命懸けの緊張感になった。繰り返すが、2年ぶりにハンドルを握るペーパードライバーである。さらに一日陽の光をたっぷり浴びて疲れ切っており、その状態で西日の差す方に向かって高速道路を走る………これの怖いのなんの。それでもなんとか、行きよりは安全に北谷まで戻り、無事にレンタカーを返却できた。

昨日の夕食はくら寿司だったが、今日はお腹もほどほどに空いているし、アメリカンビレッジで食事を摂ることに。数ある店舗の中から、「甲子園スタジアム OKINAWA」という、ステーキも楽しめる野球居酒屋に行くことに。

ちょうど録画し忘れていた野球番組が見られてラッキー!
店内には野球グッズやペナントなどがびっしり。
有名選手のサイン色紙も壁一面に貼ってある。

ステーキを味わいながら、オリオンビールを飲み、野球のVを見る………もはや家ぐらいの勢いでくつろげる空間だ。これもある意味「野球漬けの一日」と言って良いかも知れない(?)。

アメリカンビレッジの夜

異国情緒……というよりアメリカンな空気が漂うどこか別世界のような街並みを抜けて帰路へ。本当に満足度の高い一日だった。楽天キャンプ、場所が場所なので行くのはかなりカロリーを使ったが、それを上回る圧倒的に充実した時間だった。


Day3 北谷→宜野湾

いよいよ最終日。まずは北谷キャンプを改めて楽しんでいく。メイングラウンドは例によって距離感があるので、サブグラウンドに移動。アップ中の投手陣を間近で見られる好ポイントだ。

通過していく根尾&タジー
(もちろんズームなし)

この日行われていたのは、投手陣の守備練習。ピッチャーゴロを捕り、一塁に投げる。全員が終わったら、次は二塁、三塁、ホームと順番に回していく。中身としては地味だが、プロの軽やかな動きは映える。

あらゆる所作が美しい涌井さん

特に藤嶋投手はムードメーカーとしての能力を存分に発揮し、常に大きな声で練習を盛り上げていた。こういう選手は特に応援したくなる。(まあふじっしーは既に人気選手だが…) 

練習の終わりと共に退散。ブルペンは激混みでほぼ見えなかった為、メイングラウンドへ。

良い天気だ!

走者を置いた守備練習を見守る。いろんな選手が見られて楽しかったが、そういえば今キャンプの目玉とも言える中田翔選手、ほとんど見なかったな……。基本野手はグラウンドにいることが多いので、近い距離で見ることはできませんでした、残念!

その後、この練習も終わったのでさらに移動。ここまで行っていなかった陸上競技場に行ってみる。すると、ちょうどよく選手が登場!

根尾、髙橋宏、松山(敬称略)など
一軍の主戦投手たちが集う。

黙々と走る選手たち。これも地味な練習だが、このランニングの蓄積が体力と持久力に繋がるんだなぁ……と思うと、より選手を応援する角度も増えるというものだ。

結局、室内練習場を除くほぼすべてのエリアで様々な練習を楽しむことができた。いつでも見られる地元のチームではあるが、北谷に来て見ることでまた違った視点が得られたと思う。

北谷、ありがとう!

さて、時間は13時を少し回った所。名古屋に帰る飛行機は19時台なので北谷を出るのは少し早い……のだが、実は急遽、ここからまた別のキャンプ地に移動することにした。

ですから!

北谷から那覇方面に行くバスに揺られること10分少々、お隣宜野湾市にあるユニオンですから!スタジアム宜野湾にやってきた。宜野湾でキャンプを張っていたのは……

みんな結構似てる

横浜DeNAベイスターズ!我らがドラゴンズのライバルチームであり、ハマスタで例年好き放題やられている相手ではある。がしかし、魅力的な選手もいっぱいいるし、これは寄らないわけにいかないだろうとなったのだ。

ここぞとばかりにグッズショップで観覧料(手ぶらで行ったこともあり、ユニフォームやキャップなど合計15000円ほど)を奉納し、球場へ。

芝が鮮やか!

この日は三連休が終わった翌日ということで客入りはイマイチ。その分、スタンドの好きな位置で好きなだけ練習を観ることができた。

マキシューゴ!

三浦監督が見守る中、牧選手は黙々とティーバッティング。一方大注目ルーキーの度会選手はチームメイトと体幹を鍛えるトレーニング中。DeNAは名古屋でもみられるが、ビジター練習となると調整程度のものしか行われないので、こうした他球団の練習っぽい練習を観るのも新鮮だ。

さて、グラウンドを後にして球場を散策していると気になるスポットが。なんとベイスターズでは「選手サイン会会場」なるものが常設されており、対応できる選手がいる場合はこの場所で固定で行われるシステムらしい。ちょうど先程買ったばかりのグッズもあるし、15000円の上納によって昨年の試合球をゲットできた(レジのお姉さんに唆された)ので、敵情視察だったはずがノリノリでサイン会の列に並ぶことに。

かなり長い間列に並び、ついには並び始めた頃にサイン会をしていた選手が途中で時間切れとなり引き上げてしまった。「結構人が入れ替わるし、待ってればまた始まるかも」という近くのベイファンの方の言葉を信じて待っていると、言葉通り再開の案内が。早く始まって良かった!

応援するぞ!

サイン会に来てくれたのは、ハマの金の卵・徳山壮磨投手。21年ドラフト2位の期待株で、ここまで1軍出場がなかったのだが、今年はアピールを続け先日(3/30)ついに横浜スタジアムで1軍登板を果たした。これもいい御縁ということで、敵チームながら今後の活躍に注目。ぜひ名古屋で投げてください。

そんな出会いもあり、半日の滞在ながらそれなりに満喫した宜野湾キャンプ。他球団の魅力に気づくことができるのも、チームが密集しがちな沖縄キャンプ期間中ならではだと思った。


エピローグ

日も傾き始め、いよいよ沖縄を去る時間が迫ってきた。既にこの時には「来年も来るぞ」という確固たる意志を持ってはいたが、一応やり残しのないように、沖縄に来たらこれ!というイベントをクリアしてから帰ることにする。

20th Anniversary

沖縄唯一の鉄軌道路線、ゆいレール。車社会の那覇において、市民の足として親しまれてきた。鉄道ファンとしても、これに乗らなきゃ沖縄じゃない!という気持ちがあったため、空港まで行けてしまうバスをわざわざ途中で降りたうえで乗りに行くことにした。

赤嶺駅とゆいレール

途中、日本最南端の駅として知られる赤嶺駅で下車。事前調査で確認していた石碑をゆいレールの車両とともに撮影。ほのかな達成感と沖縄の夕方に吹く暖かい風がなんとも旅情をそそる。

バイバイ、沖縄!

沈みゆく夕日を見つつ、再びゆいレールに揺られて那覇空港へ。野球ファンとして夢見てきたプロ野球の春季キャンプ、それも3球団分たっぷり楽しんだ3日間。本当に良い時間だったなぁ………。あとは、空港でゆっくり沖縄名物でも食べて………。

………。

………??

………!!!!!!


!!!

飛行機の時間間違えてたわ。

偶然のディレイのおかげで若干余裕ができて助かったが、なんと荷物を預ける直前まで飛行機の時間を30分遅く認識していた。出発時刻表を見て気づいた時の絶望感たるや。手荷物検査に駆け込み、出発を待つ制限エリアで必死にご飯を探した結果、こんな人達のためにあるとしか思えない立ち食い沖縄そば屋を発見。時計をチラ見しながらパックの焼きおにぎりを口いっぱいに頬張りながら沖縄そばをすする。おそらく旅行先でこんなに余裕のない食事をすることは生まれてこのかたなかったのではと思うような時間だった。それもまぁ思い出ということで…。

なんだか最後の最後に締まらない終わりになってしまったが、ともかく…。最高の沖縄でした。また来年来るぞ!


錯覚いけない、よく見るよろし。
(升田幸三先生風に)