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偶然や奇跡という話。

久しぶりに見る顔が扉の向こうにある。
扉が開く。
外のむっとした熱気とともに、その人が入ってきて席につく。

「あのお客さん、久しぶりだね」と、隊長。
「そうですね。」と、私。

ああ、あの人は近所の居酒屋の常連さんだったよな。
そのお店の名前は、なんだったっけ....。

いつか、そのお店はあったのだ。
だけどいつのまにかなくなってしまった、そひていつなくなったのか忘れてしまった。

お店ってそんなものだ。

これからも、ふと気づけばなくなっていたり、リニューアルしていたり、新しい内装になっていたり、そういうことがあっちやこっちで繰り返される。
長く続くお店というのはひとつの偶然だ。
長く続くお店で、同じスタッフがい続けるというのはそれはもう奇跡だ。

同じ場所で働き続ける、同じような業務をし続ける、それに耐えられなくなる人の方が多い。

オーナーが耐えられるのは自分の店だからだ。
耐えられるどころか毎日ポジティブに仕事に向かえるのも、オーナーだからだ。

それはオープン前から思ってたし、今もそう思っている。

それでも、
割合としては低いかもしれないけど、ずっとそのお店にい続けてくれる仕事人という種族がいて、そういう人とマッチングすると、奇跡が起きる。

うちでは隊長がそれである。

奇跡は起こそうとして起きるものじゃないし、奇跡が絶対的に良いというわけじゃない。
だけど、そうなったらいいよなあって思っていたから、今の状態は総じて良いと言える。

もしかしたら、2年め3年めで仲違いして、今頃1人で営業してたかもしれない、そんな時期もあったし、そういう状況も覚悟してやってきた。
9年目を同じ顔ぶれ(二人だけど)で迎えてるなんてすごいな。

なんかね、最近しみじみそう思うんだな。

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