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料理の謎解きの話。

一品つくるときに、それが単品で食べるものか複数品で完結するものか、っていう問題について書いたことがあるよーな気がするのだけど、
今回はそれに近いようなそうでないような、そんなこと。

丼が好きなのか、サーモンが好きなのか、とにかくそれしか食べない人もいるくらいサーモン丼は人気ある。

「サーモンたくさんあるし、丼にするか」って気軽な感じで始めたのだけど、食べたい人多いし、って感じでなんとなく続けている。

ごはんをよそった後、醤(ひしお)ダレを軽くまわす。
その上にサーモンをならべていく。


丼って、タレのしみたごはんだよね、っていうのと
食べたときに味がついたとこと、そうでないとことあって、時々醤油味が出てくるのがいいよね、っていうのと、
ふたつの理由があってそうしてる。

それに関して、いままでなんのコメントをもらったこともない(なくて良いのだけど)けど、そうし続けている。

だけど先日、ヨーコさんがサーモン丼をたべて、「タレのしみたごはんが〜〜♪」っていう感想を書いていたのをみて、
「ですよね!わかります!?」って心の中で語りかけてしまった 笑


何が言いたいかっていうと、
一品を食べ進めるなかで、いろんな風味や、香りや、食感や、味の濃淡があったほうが、最後まで楽しく飽きずに食べられるってこと。

たとえばからあげ、
衣は塩気がつよくて、中の肉は淡い塩味だったほうが、味のメリハリがあっていいな、とか

たとえばコロッケ、
ざっくりつぶしたじゃがいもに、クリームやバターをまんべんなくあわせ、
スパイスをこれまたざっくりあわせると、
口の中で香りが時々あらわれて、ふっと消える、そういうのいいな、とか、

カレーのスパイス、コリアンダーやクミンだけは粗くつぶしたのを使う。
時々カリッとした歯ざわりとともに、強い香気が立ち上る、そこにリフレッシュ感があって好き、とか、

そういう場面を思い描きながら仕込みをする。

もっというと、煮込みもそうだ。

ビーフシチュー。
ルーがしっかりした味で、やわらかく煮込んだ肉は淡く味付けしている。

(このやり方には秘密がある 笑)


今やってる牛ほほ肉の甘辛煮もおなじ。

全部がおなじ味じゃなくて、食べ終わったときにちょうど良いといい。

和食にある炊き合わせは、
ひとつの素材それぞれを、それに合ったかたさや味付けにしあげて、盛り合わせる、
盛り合わせたその一皿が一品である。

それぞれにちゃんと味が染みていたほうがおいしい。
でも、全部おなじ味だと単調で飽きてしまう、

だから調味料をいろいろ付けたり、二度楽しめる食べ方を考えたりする。

人ってぜいたくだ 笑

でも....
そういう「だってそう思うでしょ?」ってことがあるからあれこれ工夫するのだし
それは謎を解いていくよな楽しさでもある。

その謎解きは地味な作業で、
謎が解けても、誰に語ることでもない。
答えを投げかけても、返ってくることを求めてはいけない。

何十回、何百回と繰り返して、時折その答えが合っていたのかどうかわかることがある、くらいのものだ。

「やった!」ってなることも、「そうなのかな?」って曖昧なこともある。

だけど、ハマった瞬間の嬉しい気持ちが忘れられなくて、また同じことを繰り返す。

トロケの日々ってそういう感じ。

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