見出し画像

ずっと準備してた話。

古代小麦というのを取り寄せた。

細かい説明は、気になった人に各自調べてもらうとして.... スペルトというやつ、ドイツ語でディンケル。イタリア語でファッロ。

ざっと言うと、パンが作りやすいように、扱いやすいように、収量が多くなるように品種改良された小麦でなく、そうでないままの古代種の小麦である、ということだ。
収穫量が少ないだけでなく、脱穀にも手間がかかり、殻が硬くて厚いため粉になる分が少ないらしい。

なんでこの粉がよかったかっていうと、香りと味がよく、小麦でありながらライ麦のような性質を持っていると知ったからである。

(ライ麦は好きだけど、ライ麦パンはあんまり好まれない。
独特の酸味が小麦よりもたっていたり、ハードな見た目からなのだろうと思う。
硬くなりゆく感じも、扱い方も、小麦のパンとは違うから、そういうので「よくわからないもの」として捉えられてるとこもある。)

で、いいなと思ってから半年以上経っているんだけど、
この小麦でこねた生地は扱いづらいと聞いていたから、その特性にあわせた製法をひとつひとつマスターすべく、じつは練習を重ねていた。

なんでかって、この小麦は高いから....
失敗はできるかぎりしたくない🙅‍♀️という気持ち。
すくなくとも、普通の小麦粉の2〜3倍はする。
粉は元々そんなに高くないじゃん!という声があろうと思うのだけど、100円のパンがあって、この小麦でやいたら売価が200円になる、と考えたら高いでしょう。
そういうことなのだ。

とりあえず、いままでの小麦粉とあわせて焼いてみる。

もちろんブレンドしてるから、生地は扱いやすい。扱いやすいけど、違いがある。
お〜〜〜〜こんな感じなんだ〜〜〜〜!!となる。

ほぼスペルト小麦のみで、

あるいは、100%で焼いてみる。

おお〜〜〜〜〜〜!!!
こんな感じなんだーーーーー!!!と目がキラキラする。
語られる特性から対策を練っていて、その通り焼いてみたらうまく焼けた👏

しかも肌質もすてき✨
いままでできなかったようなクラストが、当たり前のようにできる、という感動が湧き起こる...

クラムもい〜〜い感じ✌️

もうね、パン好きのあの人が来てくれるというから張り切り度がアップして

天然酵母のスコーンや、

食パンも焼いた🍞
食パンは生地量が多いし、型にいれて焼くから、丸パンとは焼成具合が違うのです。

でね....
やきたての香りも、詰めた袋をあけたときに漂う香りも、全然ちがうんです。
粉も天然酵母も仕込み方も、その元になってるのはいろんな要素が絡んでいると思うんだけど。

しかも、ハードにバリッと焼いてるのに、グルテンがすくないからくちどけがいい。
口にいれて、噛むたびにほろりとくずれる。
ミネラル豊富で味わいも良い。
やきたてというより、半日から一日経ってからの方がおいしい。
手間がかかっても、多少高くても、これはハマる、と思いました。

練習してきてよかった。
勉強して対策を練っていてよかった。

なにより、高い素材を買って、売価が高くなることに懸念をもってた私の背中を押してくれた方に出会えてよかった。

グラスフェッドバターに変えた時もそう思ったなって思い出した。あれは10ヶ月近く前のことだったかな〜

正しいかどうかはわからないけど、その選択を正しいものにしてくれるのは、いつも求めてくれる、支持してくれる人がいてこそ。
それが初めは少なくても、その人に支持されるという意味がじぶんの中で大きいなら、応えていくことで次が見えて来るんだな。

この粉をちゃんと使えるようにする、というのは10月中旬までの締め切りがあったから、めっちゃほっとしている。
まあ、これはスタートにすぎないのだけど。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?