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がんばろうぜ、という話。

友人が店をオープンするという知らせを受けた。
おめでとう、と心の中でつぶやく。
8年前、中目黒のバーのカウンターで「開業するんだ〜〜」という話をしたら「俺もやりますよ!○歳までに!」と返した。
そうして、昨年その歳になって、ギリギリセーフ。笑

私が開業した年は震災があって、その波を受けて閉店したお店が多かったし、資材も不足していて「なんでこの年にオープンするの?」って言われたこともあった。

でも今年は今年で景気も良いとは言えないし、増税もあるし、お店の使い方というか付き合い方が変わってきているし、なかなか大変な年だと思う。
まあ、今後きっとバブリーな年など来ないだろう。そう思ってた方が楽だ。

だから、おめでとうというのより、「がんばろうぜ」って感じがする。
だって、そこがスタート地点なんだから。

10年続いたらすごいと言われて、まあこのままやっていればうちだって続いていくのだろうけど
10年やってたらそのあと10年も続いていくのかというと、そんな保証はない。

経営のあれこれというよりも、身の回りの環境や事情が変わってきたり、突発的な出来事があるかもしれない。
大家さんとのあれこれで移転閉店せざるを得なくなったお店もある。

今月、お世話になってきたお店が閉店する。
昔通ったお店は下水道のトラブルで閉店して、知人のお店は共同経営者との仲違いで閉店した。

きっとずっとそこにある、そんな気がしてた、そんなお店もいつかふっと消えてしまったりする。

だけどまぁ、延々と続いているお店も多くあって
もがきながら戦い続けてそこまで来たお店もあれば、なんとなく続けてこられたお店もあるし、商売というものの感覚が優れていて無理なく続いているお店もある。

夢のためにつくるお店があれば、
稼ぐためにつくるお店があって、
趣味的につくるお店もある。

それはもう、やってく理由もモチベーションの高い低いも店それぞれで、それはそういうものだ。

じゃあ、自分にとって続けてきたことの意味、続けてきたことによって得たものってなんなのかというと、
それは信用力だと思う。

昨年、返済が終わるからと改めて借り入れに行った時。
「無担保、保証人不要で借り入れできます」と言われて、あー、続けてるとこんな素晴らしいことが起こるのか〜と思った。

今月、そろそろ厨房機器を新しくしたいな〜〜とおもっていて、ふとした折にリースの話が入ってきた時。
相手が申し出た条件を聞いて、「審査問題なく通りましたから」と言われて、あー、続けてるとこんなにハードルが下がるのか〜〜と思った。

買った時すでに型落ちしてた機器だから、電気代も高いし、売り払うこともできない、それをわかって買ったわけだけど、
今回こうしてスムーズに新しい機器に移行できるのはほんとに嬉しい。
(そして、これまで壊れなかったのはラッキーだったと思う。
だって、夏の厨房はめちゃくちゃ暑いし、寸法がぴったりあわせてあるから熱がこもるし、いつ壊れてもおかしくなかったと個人的には思っている。)

いつまでも小さいお店のままだけど、続いていく保証はないけど、だけど、始める前よりは安心できることが増えた。

好きな仕事を続ける場所があって、
休みには打ち込みたい趣味もあって、

趣味に打ち込むために仕事を頑張れて、
仕事に打ち込むために趣味に向かえて、
それだけで充分に幸せだな〜。

来月お祝いしにいくんだ。
それに誘ってくれた地元の友達にも感謝しなくちゃ。

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