いつまでも仕事を続けて欲しいです
私には33年間続けて通っている床屋さんがあります。
本日は床屋さんに行きました。
私が28歳のときに静岡から茨城に引っ越して、住んでいたアパートの近所にあった床屋さんです。
歩いて3分くらいの距離にありました。
私は隣町に引っ越しても車で通い続けています。
その床屋さんのオーナーは3人目です。
1人目と2人目のオーナーは1~2年で交代しました。
3人めのオーナーとはかれこれ30年の付き合いになりました。
30年間も通い続けていると、お互いの人生はいろいろなことがありました。
私は当初、独身でした。
結婚して子どもが2人生まれました。
床屋さんも、当初は忙しく、奥さんと2人で店を切り盛りしていました。
当時は床屋さんも40歳くらいで店は繁盛していました。
人口減少とともお客様の数は減少しました。
そのうちにご主人だけで店をやるようになりました。
私は髪を切るだけではなく、ご主人との会話が楽しみです。
そのご主人は、青森から集団就職で、鹿島コンビナートにある石油会社に勤務したそうです。
2年ほどして会社を辞めて、理容の専門学校に通い、床屋の免許を取得したそうです。
東京の世田谷で10年くらい修行をして、自分の店を茨城で持ったそうです。
ご主人の故郷の話、サラリーマン時代の話を聞かされました。
子どもさんが2人いたので、その受験相談に乗ったこともありました。
もう200回以上は通っているはずです。
話のネタに困ったことがありません。
あれから30年が経過して、私は61歳、床屋さんは71歳になりました。
最近、電話で予約しようとしても、断られることがたびたびあります。
なぜならば、ご主人の体調が悪く、仕事ができないときがあるからです。
坐骨神経痛だそうです。
いろいろな病院に通っても完治しないそうです。
朝にならないと体調が分からないので、朝に電話をして調子が良いとやってもらいます。
ご主人は、私の頭の形から髪質や、つむじの場所(私はつむじが6つあるそうです)や顔の傷の場所まですべて把握しています。
そんな床屋さんですから替えることができません。
今日は、帰るときに、いつまでも長生きしてくださいね、と言いました。
床屋さんは笑ってうなづいていました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?