SAKE DIPLOMA 独学で合格 2次試験

はじめに


2本目の記事となる今回は、2次試験について自分の経験を書いてみます。独学で特に悩んだのはテイスティングをどう勉強するか。こちらも、いろいろな受験経験者のブログをあたってみたけれど、勉強の方向性が見えなくて悩みました。ただ、私の場合は1次試験を期日ぎりぎりで受験したため、合格から2次まで1か月半、時間もない。気持ち的に右往左往しながら、とにかく着手することにしました。


テイスティングについて


まずは、どこで勉強するかです。様々な日本酒が置いてある居酒屋や飲み放題のお店か、あるいは自宅にお酒を揃えるか迷うところですが、テイスティングが「香りや味を言葉と結びつける勉強である」ことを考えると、自宅の方が味覚嗅覚に集中できるし、色の確認もしやすいことで利があると思いました。

どんなお酒で試飲するか
様々な個性を持つ日本酒が溢れている中で、試験に出される日本酒はどんなものが適しているかを考えました。
生酛、山廃、アル添、純米酒、吟醸酒…。他者と味覚を共有するための言葉選びがこの試験の本質と思えば、やはりスタンダードな味わいで造ることを守っている日本酒がいいのではないか…と推測。また、できる限り予算も安く抑えたいので300mlで揃えたい。比較しやすいように、同じメーカーで揃えたい。

そこでたどり着いたのが、高野酒造さんの大吟醸、純米吟醸生貯、吟醸酒2本、純米酒、本醸造酒からなる6本入り飲み比べセットが見つかりました。
まさに、上に挙げた自分の条件にぴったり。アル添と純米酒、吟醸酒と本醸造酒が比較できるというのもよかった。ネットで見た採点基準によると、純米酒と純米吟醸酒、吟醸酒と大吟醸酒の区別がつかなくても減点にはならないとあったからです。
飲みやすく、おいしく、そして特徴がわかりやすいお酒でした。

高野酒造
ページの一番トップに取扱いしている通販サイトのリンクがあります。
ポイントの貯めやすいサイトから、どうぞ。
税込4,380円です。

「日本酒飲み比べセット」でいろいろ検索もかけましたが、当時はこちらのような一つの酒造会社での吟醸酒、本醸造酒、純米酒の組み合わせは、見つけることができなかった覚えがあります。


参考図書について
田崎真也さんの「No.1ソムリエが語る、新しい日本酒の味わい方」 (SB新書)を参考にしながら、試験対策のお酒をネットでいろいろと探しまくりました。この本で紹介されているお酒のどこがいいかというと、比較的手に入りやすいお酒が紹介されていることかと。

こちらの本で紹介されていた「あさ開」の純米大吟醸は、運よく近所のスーパーで300ml瓶が見つかりました。セルレニン耐性酵母のお酒についてもネットや田崎さんの本を参照し、「多満自慢」の大吟醸をネットで購入。

焼酎について
知識がないので大手スーパーで揃えました。
芋焼酎は「黒伊佐錦」のカップ酒
米焼酎は「白岳」のカップ酒
麦焼酎は「高千穂」で【減圧蒸留】と【常圧蒸留】それぞれ瓶で一本ずつ
黒糖焼酎は「れんと」
泡盛は「菊の露」

テイスティングの勉強でもまた私の悪い癖が。焼酎はきっかり出るとネット情報でも確認しつつ、手を抜いてしまいました。正直な話(言ってはいけないことですが)、焼酎が苦手だったんです。
また、以前の勤務先の上司が芋焼酎が好きで、「芋」は絶対わかるという思い込みもあり…なんと試験では「麦」と「芋」を間違えるという惨事。

なので、日本酒と焼酎分け隔てなくすべての香りと味を舌で覚えておきましょう。当たり前のこととは思うのですが、自分はそれを怠ってしまったのであえてお伝えしておきます。


記述試験について


かろうじて合格したこの試験で、一番の失敗は「ヤマを張ったこと」。特に、焼酎は日本酒の副次的な扱いだろうという決めつけからほとんど手を付けておらず、「球磨焼酎について地理的特徴をベースに述べよ」との記述問題を見て、まさに顔面蒼白。全く頭に入っていませんでした。

それでも空欄で提出することは避けたいので、ない知恵を振り絞るように原稿用紙を埋めましたが、そういう時に限って「角煮」という言葉が出ず…。「豚肉を酒と醤油と砂糖で煮詰めた料理」なんて、いかにも文字数稼ぎの文言で埋めたという…まぁ、その解答自体も間違っていましたが。

1問目の「奈良県について」は、きっちりと書くことができました。露葉風という酒米の名前がいいなぁと覚えていたのと、日本で最初に日本酒を作った地方であること、さらに菩提酛と覚えやすい項目が揃っていた地域だったのです。奈良県さまさまです。

個人的な反省に基づくお勧め勉強法としては、1次試験で使った教材を利用して細かい知識のチェックを続けながら、テキストを読み込むこと。それぞれの項目のキーワードを押さえながら、他人に説明するつもりでストーリー仕立てで読むと、頭に入りやすいと思います。

他の人の経験に基づく予想問題は、ヤマを張ることと同義なので正直お勧めできません。私自身、検索をかけてその手の内容のブログを見つけて、心躍ってバリバリ印刷し、試験前はずっと目を通しましたが、全く役に立ちませんでした。解説としてはとてもよくできていたとは思うのですが…それでもあの時間をテキストを隅々まで読むことに専念していた方が、試験対策としてよほど有益な時間になったと思います。

記述問題は、限られた文字数なので、ボーメの数字などあまり細かいことを覚える必要はないかと思います。ソムリエとしてお客様に何を説明したいかという着目点が大切なのかもしれません。

2次試験についてざっと概要について書いてみました。
テイスティングについては、もう少し詳細を別記事でお伝えしようと思います。

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