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SAKE DIPLOMA 独学で合格 1次試験

はじめに
2020年度SAKE DIPLOMA試験の受験で一番困ったのは、情報集めでした。
受験者数もまだまだ少ないうえに、独学で勉強するにも普通の資格試験と違って、市販の参考書や問題集がありません。
受験申し込み後に届いた分厚いテキストを横目に、どういう風に勉強を進めていいか、困り果てたといってもいいくらいでした。2nd Editionになって日本酒の生産地についての記述が増え、焼酎についての記述も大幅に増えています。
私自身、酒販店や飲食業などの仕事に就いているわけではなく、さらにスクールに通う予算もないので、独学でなんとか合格したいと思い、限られた予算でネットで知った有料教材などの力も借りながら、合格にたどり着きました。
自分の勉強方法と失敗したことが、独学で合格を目指すみなさんのささやかなヒントになればと思い、今回こちらに投稿することにしました。ご参考になれば幸いです。

自分の勉強について、時系列で説明していきたいと思います。

1.早く申し込むことが一番大切


こんなことをわざわざ伝える必要もないかとも思うのですが、自分自身が7月8日に受験を申し込み(一応2回受験で申し込みました)、8月24日と9月受験締め切りギリギリに受験したため、勉強時間がボリュームに対して切羽詰まってしまい、さらに1次合格後、2次試験の筆記やテイスティングに割く時間が足りなくなってしまいました。ヤマを張ってはいけない試験なのに、結果ヤマを張ってしまい、試験で冷や汗ものの失敗をし、ギリギリでの合格となりました。なので、早く申し込んで早く勉強を開始することをまずはお勧めします。

2.テキストを5回通読する

私は、何らかの試験を受けるときには必ずテキストを5回通読するようにしています。どういう内容の試験なのか、どういう問題が出題されそうか、なんとなく把握するためです。キーワードをチェックするためと言ってもいいかもしれません。
テキストはできるだけ短い期間で一気に読むことが肝要です。(読む回数が進むと、だんだん読むことに費やす時間も短くなっていきます。)同じ小説を5回読んだら、少しはあらすじが記憶に残っていると思います。テキストも同じです。読むだけで覚えることができる箇所が必ずあります。

・1回目 --- とにかく最後まで読み切る。最後まで読むためには、難しそうだとか何だこのボリュームは(本音)とか、ネガティブな感想を抱かないこと。読み切ることが大切。少なくとも1週間ぐらいで読んでしまいましょう。
・2回目 --- 黄色のマーカーで、自分なりに重要だと思われる個所にマーキングしながら読む。ページがまっきっきになってもOK。
・3回目 --- 緑のマーカーで、前回マーキングした個所から、キーワード(あるいはカギとなる文章)をより絞ってマーキングする。

テキスト

3回読み終わったテキストは、こんな感じです。けっこうズラズラとマーキングしてますね。付せんしているのは、後日、問題を解いて間違えた個所です。
・4回目、5回目 --- マーキングした個所を重点的に最後まで読み切る。

上にも書きましたが、5回読めば何となく印象に残っている個所もあると思います。でも一番大きいのは、「こんな厚いテキストを5回も読んで頑張ったな、自分!」という満足感です。次のステップへのモチベーションにつながると思うのです。
私は1回読み終わるたびに、ご褒美においしいお酒を飲むことにしていましたね。長丁場になる試験勉強、楽しみもないと!

3.暗記用にカードに書き留める

普段であれば、5回読んだ時点で過去問に進むのですが、もう少しテキストの内容を整理したいと思い、カードに要点を記入しました。

カードファイル

ノートにしようか迷ったのですが、記載する情報量を視覚的にもコンパクトにしたかったんです。不足分は後で書き足せばいいし。
ダイソーをうろうろしていたら、文具の売り場にカードとそれ用のファイルがあったので、そちらを利用しました。
カードに記載したのは、1章、2章でマーキングした箇所です。

主要生産地の特徴は、A5サイズのルーズリーフ(これもダイソーで調達)に、1県1枚表裏にまとめました。

A5ファイル

わざわざ時間を割いてこういったカードやノートを作った理由は、自分自身で書いて覚えたいというのと、覚えるべき年号や数字はどのくらいあるのかを、このようにまとめることで把握したかったということもあります。また、外出時に覚えるために、持ち運びしやすくしたかったのも大きな理由の一つです。
時間のない方は、後で紹介する有料教材のサイトの力を借りてもいいかもしれません。

ここまでやって、何とかスタートラインに立てたという気持ちになりました。なんとなく、どういうところが出そうか把握できた。あとは記憶に定着させるだけ。

4.問題を解く

ここまで来たら4~5割は、うっすらと記憶に残っている個所もあると思います。あとは、知識を定着させるため、さらに苦手な個所を把握するために問題を解いていきます。
とは言うものの、普通の本屋さんではSAKE DIPLOMAの問題集などは売っていません。なので、ネットで有料の問題集を購入することにしました。

5.私が利用したサイト

ナナメキカク(有料) 

ここの教材の特徴は、試験後に教材を購入した受験生からのアンケート回答が教材に反映されていること。出題傾向が把握しやすかったです。
資料も簡易かつ分かりやすくまとめられていました。
また、パソコンでもスマホでもできるオンラインクイズが、自分の勉強不足の個所を確認するのに役に立ちました。ちょっとの空き時間に、どこでもチェックできるのもよかったです。

SAKE DIPLOMA 試験対策(無料)

こちらでは用語集と年表を利用しました。問題集はナナメキカクさんのを主に利用しており、あちらこちらに手を伸ばすのを避けるため、こちらの問題集は利用しなかったのです。
2つの資料が資料がコンパクトにまとまっていたので、いつでも見ることができるように印刷して持ち歩いていました。

ワイン受験.com(有料) 
1次試験で、正しい記述を選ぶ問題が出題されるとネット情報であったので、こちらを利用しました。ナナメキカクさんのオンラインクイズである程度知識を整理してから、こちらを利用するといいかと思います。
問題文の微妙な判別しにくさが、実際の試験と似通っていると思います。
また、自分の当日の勉強の進捗状況が項目ごとに把握できるページがあり、ハッパをかけるのにはよかったです(いい意味で焦ることができました)。

最初は解けない問題ばかりですが、問題を解く回数をこなすことで、どんどん正解率が上がるのがひたすら楽しかったです。

6.焼酎について

この試験は、焼酎も日本酒同様に重点を置いています。なので、決して捨ててはいけません。日本酒のプラスアルファとしての焼酎ではありません。SAKE DIPLOMAの【SAKE】は日本のお酒すべての種類を対象にしていると思ってもいいと思います。
確かに、テキストにおけるこの焼酎のボリュームであれば、択一では100問中焼酎の問題は数問かもしれません。でも、去年は2次の記述問題で出題されました。
私は、焼酎の勉強のウエイトをかなり軽くしてしまっていたため、2次の記述では「テキストを読んでおけばよかった」と、本当に泣きました(心で)。
受験後に、日本ソムリエ協会の例会セミナーで田崎会長が講師を務められた焼酎の講座を聞きに行ったのですが、ものすごい知識量と熱量でした。
試験前に受講していれば、もう少し勉強をしたかもしれません…。
球磨焼酎についても、海外販路開拓のために元エルメス副社長だった方を招致しており、動きが大きくなりつつあるようです。
なので、ページが少ないからといって気を抜かずに取り組まれることを心からお勧めします。

7.5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)で試験情報をチェックする

意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、5ちゃんねるの試験情報板はとても親切です。実際に受験勉強をしている方たちや受験を終えた方が、率直かつフラットな雰囲気で試験の傾向や勉強方法について語り合っています。ぼやきもあるので、「苦しいのはみんな一緒なんだなぁ」と、勉強が進まない時の慰めにもなっていました。

コピペして保存していた投稿を引用してみますね。
これは2019年度試験についての情報です。

>合格しました。
>そこまできくか?って問題もあったけど、教本やウェブのクイズアプリをしっかりやり込めれば大丈夫な感じではないでしょうか。

>問題の印象としては年号問題もけっこう渋い問題が出た。
>検査等級制度は1991年でなくて1950年の方とか。
>酒造好適米の登録年とかは細かくチェックしたほうがいいですね。
>都道府県の地理の問題とか盆地とか山地山脈とかも。
>あとは、特定名称酒の香りの問題、お酒にどの料理を合わせるか
>と言う問題はけっこうノーマークだったけど意外に多く問題出た。

>2回受験で申し込んでたので7月と8月末に入れて、1回目ダメでも問題の傾向掴んで2回目で受かればいいと思ってたので、1回で受かってラッキー。
>てか、けっこう細かい問題出てたから、やってる時から、
>もし落ちたら来月もう1回受けるのヤダなあと思ってたのも事実。

こんな感じの内容です。
試験が終わってからも、答え合わせをしたり、間違いを指摘したり。学生時代、定期試験が終わってからクラスメートと答え合わせをしていたことを思い出しました。
変な広告の表示を避けるためにも、スマホアプリにある専用ブラウザの利用をお勧めします。ChMateやJaneStyleがメジャーなようです。私はChMateを使っています。
板の所在は下記の通り。
板一覧>食文化>お酒・Bar>J.S.A. SAKE DIPLOMA認定試験 Part3

8.まとめ

1次試験については、とにかく幅広い範囲から、年号や地名、歴史、生産量など細かいところまで出ます。なので、決してヤマを張らずに、教材などを利用しながら、まんべんなく勉強することをお勧めします。

勉強しながら、「なんでこんな細かい所まで出るんだろう」と思うこともありました。でも、田崎会長の焼酎セミナーを聞いて、田崎会長ご自身がとことん勉強する人であり、熱い人であり、そのレベルの知識と情熱をSAKE DIPLOMAの試験に求めていることがよくわかりました。

勉強しているときは苦しかったですが、お酒について自分の好みではなく、客観的に、かつテイスティングなど共有できる言葉で語れるようになりました(まだまだ勉強中です)。また、酒造好適米の種類や山田錦の歴史、造りなど、初めて知ったり、知識がより深まったりしたことも受験してよかったと思えた点です。

以上、つらつらと自分自身の経験をつづってきましたが、今年度の受験を考えていらっしゃる皆様にとって、ご参考になれば幸いです。
2次試験の勉強方法(特にテイスティング)についても、後日アップする予定です。

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