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【今日の臨床】右膝が痛くて曲げられなくなった50代女性。

※写真は施術中のイメージ写真で、本文とは関係ありません。

寝て起きたら、右膝が痛くて曲げられなくなった女性。

脚を捻った訳でもなく、原因が分からない様子。

何もなく痛みが出る訳がないので、原因は必ずあります。


両足を触診すると、右足の距骨下関節が強く緊張していました。

顎かな?と思い、関連する右足母趾のIP関節(第一関節)を触ると、想像通り硬さが出ていました。

これは何か強いストレスが掛かったのかなと思いました。

そして、右膝が痛くなる前に何か強いストレスが掛かったりすることはありませんでしたか?と聞くと、推しの熱愛が発覚したことを教えてくれました。

これから売り出していこうというグループのメンバーの熱愛が発覚したことにご立腹でした。

うーん、なるほど。よっぽど腹が立ったのでしょうね。

右の咬筋が強く緊張するほど、噛み締めていたのでしょう。

本人は噛み締めていた自覚はありませんでした。

やはり食いしばりは、無意識に起こるようです。


そして、この食いしばりこそ、今回の右膝の痛みの原因でした。

元妻の死が急性腰痛に繋がった50代男性は、食いしばりによって腰痛が起きましたが、この女性は同じ食いしばりでも、右膝に痛みが出ました。

この違いは、その人の身体の使い方や癖によるものだと考えられます。


で、この女性は、右顎の緊張が右股関節の詰まりになり、そこから右大腿四頭筋の緊張へ繋がり、右膝関節が固まって痛みが出たのです。

この女性は自律神経の交感神経が過剰に働き過ぎているはずなので、手にある労宮というツボを押したり、鎖骨下の胸郭を手で温めたりして、自律神経の緊張を緩めました。

すると、右顎の緊張が緩み、右股関節の詰まりが取れ、右大腿四頭筋が緩んだことで、右膝関節の動きが良くなりました。


右顎の緊張が、回り回って右膝関節に影響したのです。

もし右膝関節だけを診ていたら、痛みは取れなかったでしょう。

全身を診ることで、何が問題となっているのかが見えてくるのです。

どんな症状であっても、必ず全身を診るべきなのです。


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