『酒場にて #6』
そこで男は、またビールを口に運んだ。
そして、ジョッキをカウンターへ叩きつけるように置くと、店主を睨みつけた。
「ところであんた、アイリーン・ヴィシャスって女の子、知らねぇか?」
店主の片眉が、ぴくりと動く。
心なしか、店内の空気も変わったように思える。

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