ゲイから見たBLの世界
近年、BL作品が実写されたり、BLもののドラマが増えている。
BLとはボーイズラブの略称で、文字通り男同士の恋愛を描いている漫画や小説作品だ。
元々、同人誌界隈でジャンプなどの少年誌の漫画に出てくる男キャラ同士を恋愛関係やアダルトな関係させて(主人公×ライバルとか主人公×敵キャラとか)内々で楽しまれていた。
その市場は年々大きくなり、BLのオリジナル作品ができたり、BL専門漫画誌・小説レーベルができたり、書店でBLコーナーができたり、今ではドラマ化になったりするのだから、すごいものである。
それだけゲイへの理解が深まってきているということですね…それは早合点というものである。
BL市場を動かしているのは9割女性である。
作品を書いている作家も女性ならば、購買層も女性である。
そう、BLとは女性が盛り上げてきたジャンルなのである。
当事者であるゲイにはあまり好まれてはいない。
好きな人もいるが、比率は多くないだろう。
なぜ好まれていないのかというと、構成が基本少女漫画だからである。
・絵の線が細い。
・キャラの体型はスラっとした長身。
・ジャニ系やホスト系など女子受けするルックス。
・エッチシーンより好きになる過程や内面の動きに重きが置かれている。(エッチするまでの過程の方が大事)
・ノーマル同士がなぜかお互いを好きになる。
後述するが、現在はBL作品も多様化しているため、一概には言えないが、おおよそこれが基本である。
こちらの記事で述べたゲイの好みとは真逆である。
BLとは女性が妄想する男性同士の恋愛である。ゲイからすると、完全なファンタジー。
なぜそんなジャンルがここまで発展したのかは謎だ。
今はゲイ作家が描くゲイ漫画もあるにはあるが、BL好きの女子が読んでみると色んな意味でショックを受けるだろう。
ちなみに自分もゲイ漫画は苦手である。なんというかね…もう少し品性をだね…(略
とはいえ、BL界もファンタジーばかりというのではなく、年々描写がリアルになってきています。
・性行為の描写がリアルになった。
昔はやおい穴と言われ、人体の構造を無視した性行為の描写が多かったが、今ではそんなことはほとんどなくなってきている。
聞いた話ではゲイ向けのアダルトビデオを見たりして研究しているそう。
そのためか性描写のアングルもおお!と思わせるものが多い。
・筋肉や骨格の描写がリアルになった。
体の書き方も筋肉がまったくない、つるぺっただったが、筋肉のラインや骨格などのデッサン力がかなり上がっている。
・ノーマル同士の恋愛ばかりではない
どちらが一方がゲイだったり、ゲイ同士のカップルを描く作品が増えできた。しかもそれゆえの葛藤とか悩みの心理描写も読んでいてグッとなるものもある。
さて、今回はゲイから見たBLについて書いてみた。
結論としてはゲイのリアル恋愛とBLはまったくの別物である。
少女漫画のような恋愛はリアルな世界ではないのと同じである。
同性愛への理解という点でも誤解を生む気がするけど、作品を通じて同性愛も日常に普通にあることだよと思ってもらえるとっかかりになるのなら、それはそれでうれしいという、なんとも複雑ですね(笑