宮古島100kmワイドーマラソン(小林)

どうも、山形県民の小林です。
宮古島1周してきたのでレポートします。

【エントリーまでの経緯】
泉から「出ようぜ」とLINEが来たが、全く完走出来る気もしないし、興味もあまりなくて、乗り気じゃなかった。

でも、安田の東日本インカレ応援時に、佐竹も出ると知り、みんなで一緒にチャレンジ出来る機会はないな、と思いエントリーすることにした。

【練習量】
ウルトラマラソンのまとめサイトをチラチラ眺めて、1ヶ月前くらいに60km走ができていれば安牌なんだと理解した。と言ってもその時点で全く走っていなかったので、まずは10km走ること、そして一度に10km以上走ることと決めてジョギングを始めた。12月末から雪が積もり外では走れなくなったので、ジムに入会し、トレッドミルで60分間走るようにした。年始にはうのっきー、大倉に声をかけ、ロングランをした(42km)。最後に走ったのは1/13で、会社の先輩にランニングコースを紹介してもらい、積もった雪を踏みしめながら25km程度走った。その頃から足裏に疲労が溜まることが多く、たまにピキッとくることがあったので、サポーターを探した。レースまで1週間しかないので大慌てでネットを駆け回った。

【装備】
・ランシュー①:Puma ディヴィエイトニトロ2
・ランシュー②:Hoka clifton9
・靴下①:tabio 5本指
・靴下②:tabio
・足首,足裏サポーター:zamst
・アームカバー: zamst
・ふくらはぎサポーター:ワコール
・リュック:Salomon ADV HYDRA VEST 4

【携行品】
・ヘッドライト
・ワセリン
・グミ
・ドライフルーツ
・magonジェル×4
・medalist ジェル×2
・スマホ
・ウォーターハイドレーション
・痛み止め
・胃薬
・絆創膏

【レース前】
19日(金)夜に17時半で退社し、18時半の電車に飛び乗った。隣には中国人観光客が座っていたが、郡山あたりで降りたので、そこからは席を広く使えた。9時半に大鳥居の東横インに到着し、ガストでミックスグリルを頬張り、23時ごろに就寝した。当日3:00起きに慣れさせたかったため、20日も5時起きと早めに設定し、起きることはできたが、徒然なるままに寝た。宿を9時半に出発し、羽田空港でoekiとstkと合流。stkはずんだ餅がどうしても食べたいらしく、お土産屋に消えていった。東北に住んでいるが、ずんだが好きだと言うやつは初めて見た。3人で当日は何を携帯するか、どのくらいでこの関門を通過するか、どこまでいけそうか、などと話しているうちに搭乗時刻になり、宮古空港へ。

【レース当日】
会場行きのシャトルバスが3:45発だったため朝飯の時間も考え、2:50起床。熟睡できた気はしないが、意識はスッキリしていたし、体調も優れていたので不安はなかった。もちろん一切緊張感はなく、長い長い遠足に出発する感覚に近かった。

↑スタート前

Start 04:00
10〜20km付近で伊良部大橋に差しかかったが、とにかく風が強く、横殴りの雨。痛いくらいの雨粒をかき分けながら走った。なんて過酷なんだ、とookrと笑いながら走った。

↑暴風でゴンなookr

10kmあたりで、一緒にペースを考えていたoekiとstkとはぐれたが、残ったookrと2人で6:20〜30/kmを刻んで行った。暴風雨の伊良部大橋を往復し、約25km通過。ookrはこの時点でかなり無理をしていたようで、「低電力モードに入ります」と言って、段々と反応が鈍くなった。ここでookrは見捨てて、6:20〜30/kmの集団についていく。30〜40kmで折り返してきた松本と西川とすれ違う。この時点で1時間くらい差がついていていた。
前にはうのっきー、後ろにはstkがいる状態で第1関門(47km地点)到着。

【第一関門(47km地点)】
うのっきーはまだ余裕あって完走しそうだな、と思ったのを覚えている。前半でびしょ濡れになった靴と靴下を履き替え、5分後くらいに後ろから来たstkと合流し、さらに後から来たookrとお別れして出発。エイドを出発した時間は5時間28分くらいだったはず。

↑47km関門

(第1関門の特別エイド)
ぜんざい、おにぎり(具なし)、ゆし豆腐
しょっぱいものが食べたかったが何もなかった。代わりではないがぜんざいを摂取。第1関門には荷物を預けられるので、コンビニのおにぎり等を預けておけば良かった。

次の関門は67kmなので目標が遠い。stkと一緒に刻んでいこうと頑張ったが、日が出てきたこととエイドで食べたぜんざいで血糖値が上がりすぎた影響か走り続けることが難しくなる。50kmちょいで調子がよさそうなstkとはお別れして一人旅開始(50km,5時間50分くらい)。ここから崩れていく予感がした。そのあとも何とか60kmは超えたが、まだ40kmもあるのかと絶望した。どの関門で切られればちょうど良くリタイアできるか計算を始めたが、60kmで7時間10分経過(たぶん)していたので、残り40kmをAve8'45/kmで押すことができれば間に合う。おかしい...。何度計算してもまだ余裕がある。もう無理だと諦めて、よく頑張ったと褒めてもらうには条件が足りない...。前半いいペースで走った自分を恨んだ。

今大会は今年から制限時間が14時間→13時間に変更になった影響か、90km〜100km関門の制限時間差が60分しかなかった。つまり、90km関門をギリギリで通過した場合、残りの10kmを6'00/kmで走り切らなければならないが、それは不可能なことはわかっていた。

90kmを越えてモチベーションもなく総合制限時間13時間の時が来るまで歩み続けるのだけは嫌だと思い、仕方なく、本当に仕方なく走り始めた。こちとらわざわざ山形も米沢市からやって来ている。会社の人にも宮古島で100km走ってきます、と言って来ている。マラソンに縁もゆかりもない人には100km完走の凄さはわからないだろう。「完走出来ました」と伝えれば、「すごいな。」と言ってくれると思うが、「完走出来ませんでした」と伝えれば、よくわからない何かを成し遂げられなかった人間だと思われてしまうような気がした。何よりここまで走ってきたのに、リタイアしてもう一度チャレンジするのは嫌だ。とにかく、今ここで諦めてはリタイア後の自分に悪いと思った。

そこからは頭の中で時間を距離で割る計算ばかりしていた。最後の10kmをほとんど歩いても完走出来るように 90km関門を制限時間の30分以上前に通過することを目標にした。その前の80km関門は残りの10kmにできるだけ余裕ができるように走った。体が軽くなるよう願いを込めて、鎮痛剤と胃薬を飲んだ。

練習段階では、本気で完走をイメージできていなかったため、5'30〜6'00/kmペースでしか走ってこなかった。レース前半は少し抑えて6'30/kmで走り続けられたが、後半は疲労が溜まってきて6’30/kmを維持できくなった。走っては歩き、走っては歩きを繰り返していた。これでは効率が悪いと思ったがどう走っても心拍が上がる。そんな時、自分を追い抜いていった女性ランナーが身軽そうにちょこちょこ走っているのを見て、試しにトレースさせてもらうと、これがすごく楽で、いつまでも走り続けられそうな気がした。7'00/kmで5〜6km走り続け、気持ち的にも時間的にも余裕が出てきた。グループLINEで、うのっきーとstkが自分の10分くらい前に67km関門を通過していると知り、うのっきーも疲れてきていること、もう少し頑張れば2人に追いつけると思い頑張れた。70kmあたりでようやくうのっきーに追いつき、あのタフなうのっきーですら疲弊しているのを見て、やっぱりこのレースはキツイんだと実感した。トイレ行ったうのっきーとお別れし、7'00/kmで刻んでいるとうのっきーが追いついてきた。さすが、やっぱりこいつはタフだ。どう考えても自分より勢いがあったので見送ろうと思ったが、せっかくなのでついて行ってみようと思い、2人で6'40/kmで3kmくらい走った。しかし、いいペースで走っているのにstkに追いつかない。あいつはなんであんなに走れるんだ、と思いながら走り続けていると、78kmくらいでstkの背中を捉えた。しかも歩いている。これは簡単に回収できると思い、ペースを維持して走った。stkと合流し、少し走ったが今度は自分がしんどくなりしばらく歩いた。次のエイドがすぐそこにあったので、うのっきー・stkと再合流し、簡単に会話した。うのっきーは身体がしんどそう、stkは目の下にクマがあって土のような顔色をしていた。そんなstkの写真だけ撮って、2人を置いて走り出した。完走が見えていたので、止まっている暇はない。

↑土色のstk

もう走れないくらい苦しかったが、ここまでの70kmで
・焦らず500mくらい歩けば気分が良くなる
・もう一度走り出すかどうかは自分次第
・ゆっくり走り出して我慢すれば7'00/kmまでは簡単に戻せる
と学んでいた。またしんどくなったら歩けばいい、抜かれても抜き返せばいい、と考えながら進んだ。
80km関門付近で2人に抜かれたが、また走り出し、エイドで追いついた。味付きのおにぎりと蕎麦があって両方食べたかったが、味付きのおにぎりのみ頂き、走り出した。足裏と頭が痛そうなstkを追い抜き、うのっきーにも追いついた。「マジか」と驚かれたが、確かに僕はこんなゾンビみたいに復活するタイプではないと思う。そのあとも集中力を切らさず進み続けた。後半はアップダウンが激しいレイアウトだったが、登りは歩き、下りは駆け降りると決めると、7'30/kmで刻むことができた。90kmの関門を越え、残り時間が1時間47分。10kmすべて歩いても完走できる計算だった。そのあとについては特に書き記すべきことはない。GarminのGPS計測距離と実際の距離のズレが怖かったため、2km分は余裕が出来るように走ったり歩いたりし、完走が確実となった残り3km時点で走るのをやめた。しばらく歩いていたので、ゴールストレートを軽快に走る元気はあった。みんなとハイタッチし、手を上げてゴール!

↑マキチャンが撮ってくれた写真

総合タイム12:40:28

みんなと合流して讃えてもらった。うのっきーからは「強いわ!」と言われ、頑張ってよかったと思った。自分が凄いと思っている人たちに凄いと言われるのは嬉しい。今回は正直完走できるとは思っていなかったが、できないとも思っていなかった。僕が完走したことにビックリした人も多いだろう。今大会は暴風雨で暑いと感じる瞬間が少なく、自分向けのコンディションだった。暑かったら絶対に完走出来ていない。とはいえ、粘り強く走り続けた自分は褒めてあげたい。僕はよく「メンタルが弱い」と言われるが自分ではそう思っていない。ウルトラマラソンはメンタルが弱い人間が完走出来るものではないと思ったし、自分は粘り強い人間だと実感できた。社会人になって、学生の時のように高強度で練習する機会は無くなったが、今後も自分は強い人間なんだと証明する為にチャレンジしていきたいと思う。学生時代の弱かった自分を精算していきたい。

↑ゴール後の自撮り

エントリーした時はネタになればいいな、くらいに思っていたが、完走出来たことで今後の糧になるくらいの自信がついた。izm、誘ってくれてありがとう。

ではまた。

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