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徳川まつり台詞botを復活させた話と、その過程で見えてきたまつり姫の世界観

はじめに

この記事を書いている2023/09/30、アニメ アイドルマスター ミリオンライブ(以下ミリアニ)の劇場先行公開 第三幕を見てきました。
※本記事にアニメのネタバレはありません

10月に一般向けのTV公開を控えた今、名も無い徳川まつり担当プロデューサーである私が出来ることってなんだろうとずっと考えていました。
私はイラストも描けなければ、気の利いたSSも書けません。
そこで思いついたのが……

X(旧Twitter)に徳川まつりの台詞botを作ろう

というものでした。
アニメから入った方や久しぶりに戻ってきた方に、まつり姫の魅力の一端が伝わってくれたら嬉しいという想いで作りました。
こちらのアカウントになります。

さらに、botの作成と公開にあたり、本稿では以下をまとめておくことにしました。

  • 徳川まつり台詞botを作ろうと思った詳しい背景と意義

  • botの仕様と運営方針の説明

  • 徳川まつりの台詞を編纂していて改めて感じた"まつり姫"の世界観

よろしければ最後までお付き合いください。また、興味がありましたらぜひ台詞botの方もフォローしてやってください。

徳川まつり台詞botを作ろうと思った詳しい背景と意義

過去に運営されていた台詞bot

過去にも徳川まつりの台詞botはいくつか存在していました。いずれも管理者さまは私ではなく、無関係の方です。
たとえば、以下のアカウントです。

ですが、上記アカウントは2023/04/04で投稿が止まっています。恐らくAPIの仕様変更などで投稿が止まり、管理者も不在になっていたのだと思います。botは他にもありますが、同じく投稿は止まってしまっていました。
前述の通りもうすぐアニメのミリオンライブがスタートします。そこでまつりに興味を持った視聴者のみなさんを一人でも多くミリシタに導くための導線として、台詞botがあった方がいいなと思った次第です。

徳川まつりの紡ぐ言葉と価値観

徳川まつりは謎の多い人物です。常に"まつり姫"として演技をしている彼女が、本当はどのような価値観、世界観を持ち、どのようなパーソナリティを持っているか、正確なところは担当Pですら(あるいは担当Pだからこそ)よく分かっていません。
エキセントリックな姫キャラを見せつけることもあれば、仲間や周囲のことをよく見て、裏方にも気を配り、さりげないフォローを見せてくることもあります。ときには一人称をあえて"私"に変えてプロデューサーに感謝を伝えることもあります。(いわゆる素まつり)

それらが、徳川まつりとしての本心、本音なのか、あるいはまつり姫としての心構えや使命感なのかは分かりませんが、ひとつだけ確かなことがあります。それは……

自分に厳しく、他人に甘い

ということです。まつりの言葉は自身に対して妥協や甘えを許さない一方で、他者に対しては優しさと癒やしに溢れています。
たとえ創作であったとしても、私はそういうキャラクターが存在しうることに深く感動しました。

まつりは能力的にも人格的にも非常に高い水準でまとまっているのですが、それを誇示することも、変に謙遜することもなく、人によっては変な姫キャラと侮られても気にしません。
それも間違いなくまつりの魅力なのですが、一方で担当としてまつりの本当のスゴさや人物像が伝わってないんじゃないかという"もどかしさ"がありました。

他者への温かいまなざしも、明るく楽しくフワフワな姫も、今のSNSに必要な"癒やし"ではないでしょうか。

そういうわけで以前の台詞botが停止したときから新しいbotを作りたいという想いをずっと持っていたのですが、今回ミリアニのTV放送が始まる直前ということで今が潮時と判断しました。
また、私の本アカウントのTLにもまつりの台詞を流したいという気持ちもあります。

botの仕様と運営方針の説明

基本仕様

朝の7時から、夜の23時まで、2時間おきに登録済みの台詞からランダムでポストします。ただし、間隔については今後調整する可能性があります。

収録対象

台詞の収録元はグリマスとミリシタです。ただし、すべての台詞を網羅しているわけではなく、順次追加を予定しています。また、SSRの覚醒コミュや台詞については課金要素として除外しています。
ミリアニが一般放送されたら、ミリアニの台詞も追加するかもしれません。また、現時点ではコミカライズや二次創作の台詞の収録は考えていません。

元データの場所について

直接の取得元となるデータは、スプレットシートとして一般公開することにしました。収録している台詞一覧はオープンにする方が望ましいという考えからです。併せて出典も記載しています。
考察などの際に台詞を確認するときなどにもご自由にお使いください。

管理者の連絡先

botアカウントは原則としてリプライやDMには反応しません。ご意見や誤植のご指摘などは以下のマシュマロで承ります。
台詞の追加依頼なども歓迎です。返信する場合は私の個人Xアカウントからの返信となります。ご了承ください……

参考にしたサービス

botを作成するには膨大な量の台詞が必要です。そもそもグリマスはサービスを終了しているので、情報を直接取得できません。そこで、知る人ぞ知るグリメモ(仮)というサイトにお世話になることにしました。
グリマスのイベントやカード情報などがデータベース化された非公式サービスです。

また、ミリシタの一部のカードの台詞などは以下のサービス経由でAPIを呼んで取得しました。

ご提供ありがとうございます。

徳川まつりの台詞を編纂していて改めて感じた"まつり姫"の世界観、価値観

最後におまけコーナーとして、botを作る過程で改めて見たまつりの言葉をいくつか読み解いてみます。

妹に対する執着

小さいころ、妹と夏祭りに参加したのです。金魚すくいで、妹のために金魚を全部すくったら、屋台に出入り禁止になったのです。

グリマス

撮影中に環ちゃんと一緒に公園で遊んだのです! 鬼ごっこをしたり探検をしたり……。キラキラした環ちゃんの笑顔を見ていたら、昔、妹と一緒に遊んだ時のことを思い出したのです♪

ミリシタ

……ふふっ。もちろんなのです! 姫は絶対に、トップアイドルになってみせるのです。 そしていつか、妹にまつりのことを 「最高のアイドルだ」って言わせてみせるのです♪ そのためにも、もっともっと輝くのです! プロデューサーさん、力を貸してね。 ………ね?

ミリシタ

まつりの大きな謎のひとつが妹との関係です。金魚すくいのくだりからは妹に対する(重い、あるいは過保護ともとれる)愛情が読み取れます。
また、反抗期である妹と昔のような関係に戻ってアイドルとして認めてもらうことを最終目標のひとつとしているようです。

ガッカリさせたくないという決意

まつりは姫だから、信じているみんなをガッカリさせるわけにはいかないのです。

グリマス

う~ん……あっ!、だったら、姫たちの劇場で、ステージを見るといいのです! その相手より何倍も何十倍も、姫たちがあなたを、楽しく、夢中にさせてみせるのです♪ まつりは絶対に、あなたを悲しい気持ちになんてさせないのです。 ……ね?

ミリシタ

ファンをガッカリさせない、悲しませないという強い決意が感じられます。そのためにどんなときも"姫"であり続けることを自らに課しているようです。
それを実行し続ける、四六時中演じ続けて嘘を完璧なものにするには、人並み外れた精神や体力、執念が必要なはずです。
まつりをそこまで駆り立てるものは一体、なんでしょうか。
これは完全な推測ですが、逆説的に考えれば、まつりにはかつて『信じていた"何か"にガッカリさせられた』経験があるのかもしれません。

虫やヘビに関する耐性について

ほ!? ……びっくりしたのです。 毛虫さんが落ちてきたのです? そーっと逃がしてあげてほしいのです。 今は姫達のほうが、毛虫さんのお家にお邪魔しているのですよ。 みんな仲良く、なのです♪

ミリシタ

ヘビさんと姫の、さいきょータッグなのです!ほ?ヘビさん、おびえています?もっと巻きついて、姫を目立たせなさい…ね?ヘビさん。ね?

グリマス

まつりはやヘビなど一般的に忌避される生き物に対しても好意的に接するようです。ウミウシも人によっては気持ち悪いと感じる人もいるかも……
単に気にしていないとも取れますが、外見によって対象を忌避しないという姫の心構えのひとつとも考えられます。

苗字について

プロデューサーさん、人生とは何だと思いますか?…ほ?重い荷物なんて持ちません。人生とは、まつりなのです。…一緒に楽しみましょう?

グリマス

これは『人の一生というものは、重い荷物を背負って遠い道を行くようなものだ』という徳川家康の遺訓とされる言葉を意識した台詞と思われます。
ミリシタのお仕事コミュから作中世界にも江戸時代の徳川将軍家が存在することが分かっていますが、まつり自身と実際の徳川家との関わり、そしてまつり本人が苗字についてどう思っているのかは謎です。
強いて言うのなら「重い荷物なんて」と否定しているので、分けて考えてほしいと思っているのかもしれません。

テレビという媒体について

プロデューサーさんも、お疲れさまなのです♪ 姫の初仕事、わんだほー!な出来ばえだったのです! これもプロデューサーさんが、姫の魅力をわかっていてくれたから、合格できたのです。 本当に、ありがとうなのです。 この調子で、どんどんTV業界に進出するのですよ!

ミリシタ

まつりはテレビに出演すること、テレビ業界に進出することに熱意をもっているようです。おそらくテレビが受動的なメディアであることが理由でしょうか。つまり、アイドルやまつりに興味を持っていない人にも見てもらえる……ということに価値を見出しているのだと思います。
本人的には妹を念頭に置いているのかもしれませんが、メタ的にみるとミリアニと関連付けて考えずにはいられません。

まとめ

まつり姫の言葉は、かわいく、楽しく、優しく、それでいて奥が深いです。ちまたでは、まつりは一見フワフワ自由な姫キャラと見せかけておいて、実は気遣いがバッチリできるいい女と言われています。
ですが、逆に考えてみてください。周りのことをよく見ていて気遣いができる人間が、イロモノ扱いされ侮られかねないリスクを負ってでもなお表現したいと願う"まつり姫"の世界があることを。あるいは宇宙と言ってもいいかもしれません。
紡いだ数多の言葉の中からその宇宙の一端を感じ取って頂ければ幸いです。

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