饒舌オタクになりたい
SNSでよく見かける饒舌に語っているオタクたちがやけに素敵でまぶしくて、感性が好きだ!表現が好きだ!と思った人を何人もフォローしている。
でも段々それらにいいねするだけでまるで自分から出てきた言葉のように思えてきてしまって、このまま自分の言語化能力がますます乏しくなってしまうことに危機感を覚えたので、ここでアウトプットの練習をすることにした。
もっと雄弁にユーモアたくさんに語りたい!という気持ちは割と前から強くあって、前にも何度か日記を始めたことはあるけれど、とはいえ困った、話題がないな。といつも止めてしまう。
日記ってめんどくさくて続かないんじゃなくって、書くことがなくって続かないんだ。ふーん。みんなそうなのかな。ちがう?
もともと自分のことをインプットが好きな人間だと思っていたこともあってか、色々と観たり読んだりする機会はあるんだけど、でも、かなりの確率で「ふーん。」で終わってしまう。
最近やっと気づいたけれど、多分表層をなぞっているだけで結局なにもインプットできていないから、抱く感想がないんだと思う。いや本当にお恥ずかしい。アカデミックぶりたいだけだった。ぜんぜんインプット好きじゃないのかもしれない。
ただ、その数ある機会の中で時には「ふーん」で終わらずにグッとくるドラマや映画、絵、音楽、人に出会ったりもする。
けれどそれを摂取するのにも、わたしにとっては結構パワーがいる。周りの環境や自分の状態が整っていないと臨めない。インプットがド下手なんでしょうか。
こういうのも下手の横好きって言っていいの?ちがう?ただのアホ?アホですか。ふーん。
でも自分が熱量を持っているものに対して自分の言葉で表現ができないのはあまりにもどかしいので、兎にも角にも、まずは饒舌オタクたちの真似事をやってみるか〜という気持ちで今これを書いています。
もしかしたらインプットじゃなくってアウトプットが下手すぎるのが原因で「なにも感想がない」って勝手に思い込んでしまっているだけかもしれないしな。
蛇口の開き方が分かったら、わんさか出てくるのかもしれない。もしかしたら。
すこし前に子ども科学電話相談というもので「心の中で考える時、言葉を使うけれど、言葉がなかった時はどうやって考えていたんですか?」という質問があったという話を見かけて、本当にその通りだと思った。(ほらまた人の言葉を我が物のように…)
答えは、言葉を持たない動物や赤ちゃんの脳の動きから察するに、映像や感情などの感覚で「考えている」のではないかということだった。
ふーん。じゃあわたしの中にもやっぱり、うまく言語化ができていないだけでちゃんと考えはあるはずなんだ。当たり前っちゃ当たり前なんだけど、なんか安心した。
好きなひとやもののことを好きなように話せるようになりたい。いまは言葉の引き出しが足りなくて、この気持ちをどう表現すればいいのかわからない。
胸が締めつけられたり、喉の奥がキュッとしまったり、鼻の奥が痛くなったり、自然と口角が上がったり、目尻が緩んだり、涙ぐんだり、オタクは一瞬一瞬とても忙しいはずのに、それが一体どこから湧き上がってくるもので、どんな気持ちを自分が抱いているのか整理がつかない。ただただ昂っているだけの困ったオタクになってしまう。
自分の考えや気持ちを熱く明確に言語化できる人たちがSNSには山ほどいて、羨望の眼差しで見つめている。(画面を)
ちゃんとインプットもできてないのに「なんかいい感じのアウトプットをしたい」なんて烏滸がましい願望を胸に抱きながら、アホはアホなりに今日からたまにここにきて文章を認めることにします。
饒舌オタクになれるまで、どうか気長にお付き合いください。
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