最強のストーリーテリング「ベタ」
この7月から、TBS系の日曜ドラマ『ノーサイド・ゲーム』が始まりました。
池井戸作品のドラマ化です。
エリート社員が上司に楯突いて左遷され、左遷先の落ちこぼれ社員たちと力を合わせて這い上がるという、これぞ「THE池井戸作品」とも言うべきベタなストーリーでした。
ベタとは、つまり「王道」ということ。
予想通りに話が進んでいくとわかっていても、飽きることなく安心して身をまかせられる、それが王道のストーリー展開です。
ベタであればこそ、ちょっとよそ見して画面から目を離したとしてもすぐに話に追いつけるし、肩の力を抜いてラクな気持ちで楽しめるものです。
ドラマを見て思ったことは「日曜日の夜には、変にハラハラしなくていい」。
2005~2006年に、『くりぃむしちゅーのたりらリラ〜ン』というTV番組の中で「ベタドラマ」というコーナーがありました。
ありがちなベタな展開で短編ドラマを作って、「ドラマあるある」を楽しむというものです。そのベタドラマ、たいへんな人気コンテンツでした。この後、きっとこうなるよね、ほら当たった!と、流れがわかっていても、やっぱり感動するものは感動するんです。予想通りでも、泣けてしまうんです。
ベタ、最強。
ビジネスコミックも、わりとベタなストーリーが多く、ほぼ例外なくハッピーエンドで着地します。
ビジネスコミックは、あくまで「学ぶべきビジネススキル」が主役。ストーリーが前面に出すぎては、学ぶべき内容が頭に入ってこない。
脳のリソースって、わりと限られていたりするんですよね。
なので、ベタなストーリーで読者には安心して没入してもらって、ビジネススキルに集中してもらうのが一番なのだろうなあと思うのです。
──と、やや鼻息荒めに語りましたが、コンテンツを作る者としては、凝ったストーリーのものも作ってみたいなー、直球だけじゃなく変化球も投げてみたいなあとも思いも少しはあったりするもので……。
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