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新たなる光 ANOTHER HISTORY TIGA第五話「影の巨人復活」

日本某所

柚菜:そっちの方の調子はどう?

月光:はい、完成まであと一歩ってところです。

柚菜:わかったわ。引き続きやっておいてちょうだい。

月光:了解しました。

柚菜:これで、私も光になれる。そして、ウルトラマンティガを超える!ハハハハ!

柚菜は巨人の石像を前に高らかに笑った。


その頃GUTSの基地内では

祐希:えぇ〜いいじゃないですか〜

理々杏:与田うるさい!

祐希:だって、慰安旅行行きたいじゃん。

真夏:残念ながら今年はスケジュール的に無しね。

祐希:えぇ…

瑠奈:毎年そんなのあったんですか?

日奈:そっか、瑠奈は知らないのか。毎年この時期に行ってたのよ。

悠理:でも、今年は忙しいし基地を空ける訳にもいかないからなしって訳。

〇〇:まぁ仕方ないですよね。

その時〇〇に連絡が入った。

〇〇:はい、はい、はい、わかりました。

絢音:どうしたの?

〇〇:なんか、△△地区の〜〜に来てくれとさ。

日奈:怪しくない?

〇〇:でも、呼ばれたからには行かなきゃいけないですし。とりあえず行ってきます。

真夏:気をつけてね。

そして〇〇は1人で指定された場所へ向かった。

??:ちゃんと1人で来たようだね。

〇〇:誰だ!

??:私の事を知らないか?

〇〇:お前は、柴田柚菜か?

柚菜:ご名答。

〇〇:こんな所に呼び出して何が目的だ。

柚菜:まぁまぁ焦るな。少し話をしようではないか。

そう言って柚菜は語り始めた

柚菜:君がウルトラマンティガだということは既に知っている。そして、君が超古代の遺伝子を継いでいるということも私の助手が調べてくれて分かっている。

〇〇:僕に、超古代の遺伝子が?

柚菜:知らなかったのか?その遺伝子があるから君はティガになれているのだよ。しかし、その遺伝子を引き継いでいるのは君だけではない。私もだ。だから、理論上私もウルトラマンになれるのだよ。そして私は人がウルトラマンになる原理をつきとめた。

〇〇:ウルトラマンになって何をするつもりだ。

柚菜:私を認めなかったGUTSを潰す!

そう言っていきなり柚菜は〇〇に殴りかかってきた

〇〇は上手く避けきれず倒れてしまった

その勢いで〇〇のポケットからスパークレンスが転がり落ちた。

そして柚菜はスパークレンスを拾い上げた

柚菜:月光、これをあの装置へ

月光:わかりました。

そして、月光はスパークレンスを謎の機械へ取り付けた。

柚菜:これで私は遂に光へなれる。私を認めなかったGUTSへ遂に復讐ができる。

〇〇:そんな、汚れた心で光になんかなったら!

月光:うるさい!黙って見ていろ!

月光は〇〇を1発殴った

柚菜:ひーかーりーよー!!!!

柚菜の身体が光の粒子になり、巨人の石像の胸へと吸い込まれていった。

そして巨人は蘇った

〇〇:そんな…

巨人は空へと飛び立った

〇〇:これはまずい!

〇〇は何とか立ち上がり基地へ戻った


同時刻、GUTSには謎の巨人が現れたと通報が多数寄せられていた

瑠奈:その巨人の映像をモニターに出します。

理々杏:これは、ティガ?

絢音:いいや何か違う。

そこに〇〇が走って入ってきた。

絢音:〇〇!どうしたのその傷

〇〇:そんなことより、この巨人のことです。この巨人の正体は柴田柚菜です。

瑠奈:なんでそんなことが分かるんですか!

〇〇:僕の目の前でこの姿になった…

〇〇:柴田柚菜の目的はGUTSへの復讐です。恐らくこの基地を狙っているでしょう。

真夏:とりあえず、危ないってことね。今巨人がいる地域の避難誘導を開始して。その間にこの基地をどうするか長官と話してくるわ。

真夏:GUTS出動!

隊員:了解!

〇〇:隊長、僕はやることがあるのでそちらをやっていていいですか?柴田柚菜を止めるために必要なことなんです。

真夏:〇〇がそこまで言うなんて珍しいわね。〇〇がここまで言うなら仕方ないわね。しかし、ちゃんと戻ってきなさい。

〇〇:ありがとうございます!

そして〇〇は奪われたスパークレンスを取り戻しに走った。

瑠奈:〇〇さん!待ってください。

〇〇:どうした?

瑠奈:隊長、私も行かせてください。柚菜をこんな迄にしてしまったのは同期である私にも責任があると思います。だから行かせてください。

真夏:彼女を止められる自信はあるのね?

瑠奈:必ず止めてみせます。

真夏:わかった、行ってらっしゃい。〇〇、瑠奈の事もよろしく。

〇〇:わかりました。瑠奈、行こう

瑠奈:はい!

絢音と日奈が1号、理々杏、祐希、悠理が2号、〇〇と瑠奈はシャーロックで現場に向かった。

1号はいつでも攻撃できるように上空で待機し、2号は着陸して市民の避難誘導にあたった。

一方で〇〇と瑠奈は柚菜のアジトに到着した。

〇〇:何か罠があるかもしれない。細心の注意を。

瑠奈:わかりました。

〇〇と瑠奈は二手に分かれてアジトの捜索を開始した。

〇〇はスパークレンスの回収に走った。

一方で瑠奈はある一室で月光がPCを操作しているのを見つけた。

その頃、巨人は街を見下ろし話し始めた。

柚菜:私は光の力を手にし神へと近付いた。この力でGUTSへ復讐をする。待っていろ。

理々杏:あれって巨人本体が喋ってるの?

悠理:ちょっと調べて見ます。

そういうと悠理はGUTS隊員が全員携帯している超高性能小型パソコンPDI(GUTS COM)を取り出し調べ始めた。

悠理:あの声は巨人本体からではなく録音された音声でどこからか遠隔で流しているようです。

祐希:でもなんでそんなことを?

理々杏:GUTSへの宣戦布告…

悠理:そう考えるのが妥当でしょうね。


月光を発見した瑠奈はというと

月光:なんだ、君か。久しぶりだね。

瑠奈:こんな形で再開したくなかったけどね。

月光:それでこんな所まで来て何が目的だ?

瑠奈:それはこっちのセリフよ。あなた達2人の目的は何。

月光:言っただろ?俺ら2人を認めなかったGUTSへの復讐だと。

そういうと、月光のPCからアラーム音が鳴り始め、巨人の方はもがき苦しみ始めた。

そして遂に巨人は街の破壊を始めた。

月光:何故だ!俺達の研究は失敗だと言うのか。

瑠奈:あぁ、失敗よ。そんな歪んだ心で巨人なんかになろうとするから。見てみなさいよ!巨人の強大な力に負けてしまってるじゃない!

月光:そんな…俺達はまた認められなかったのか…

瑠奈:あと、君達2人は何か勘違いをしているわ。

月光:え?

瑠奈:GUTSはあなた達を認めなかった訳では無い。あなた達2人は優秀すぎた。学科試験も実技試験もトップレベルだった。そこで、2人をGUTSの試験に落としTPCの科学技術局へ配属させようとした。でも、その誘いを聞く前に2人は試験場から出ていった。

月光:そんな…俺達は早とちりし過ぎたのか…

瑠奈:今からでも間に合う。もう1回やり直してみなよ。

月光:わかったよ。でも、柚菜は巨人の力に負けて暴走してしまった…

瑠奈:これを止める方法はないの?

月光:わからない。俺達が開発したのは人間を光に変える機構だけ。巨人の制御装置なんて作っていない。

瑠奈:そんな…でも、GUTSやウルトラマンティガが何とかしてみせる!

その頃〇〇は奪われたスパークレンスを取り返そうと1人奮闘していた。

スパークレンスの周りには特殊な電気バリアが張られており、取ろうとすると身体に電流が流れる仕組みになっていた。

そして、電流に何とか耐えながらスパークレンスを手にした。

〇〇:ティガーーー!!!

〇〇はウルトラマンティガへと変身した。

一方で暴走した巨人を止めようとGUTSは奮闘していた。

絢音:だめです。全く攻撃が効きません。

日奈:悠理、テキサス砲は?

悠理:撃てるには撃てますが、チャージまで15秒ほどかかります。その間に攻撃されて墜落したら身も蓋もないです。

日奈:それはなかなか苦渋の決断になるね。

そう言っているガッツウイング1号の前に巨人が飛んできた。

誰もが「やられた」と思ったが、どこからかエネルギー光弾が飛んでき、巨人に命中し地上に落ちた。

光弾が飛んできた方向を見るとウルトラマンティガが飛んできた。

絢音:本物の光の巨人が!

ティガは降下しながらティガ・マルチキックを炸裂させた。

(次から柚菜の変身した方の巨人はイーヴィルティガと表記させて頂きます)

イーヴィルティガはマルチキックを受け飛ばされた。が、何とか姿勢を立て直し構えをとった。

ティガも着陸し構えをとった。

ティガはハンドスラッシュを放った。しかしイーヴィルティガが同じような技で相殺した。

ティガはイーヴィルティガに向かって走り込みウルトラブレーンチョップを決めた。

その後もティガとイーヴィルティガの攻防は続いた。

ティガは1歩引きゼペリオン光線を放った。

イーヴィルティガもイーヴィルショットを放った。

2つの光線はほぼ同じ威力だったがティガのゼペリオン光線が打ち勝った。

イーヴィルティガはゼペリオン光線が命中し吹き飛んだ。

そして両者カラータイマーが鳴り始めた。

怯んでいるイーヴィルティガにすかさずティガはもう一度ゼペリオン光線の構えを取った。

イーヴィルティガもイーヴィルショット構えを取るがダメージで構えが崩れてしまった。

ティガはゼペリオン光線を放ちイーヴィルティガに命中させた。

イーヴィルティガは消滅した。

そして、ティガは空へと飛び立って言った。


イーヴィルティガが消滅した所には柚菜が倒れていた。

瑠奈はそこへと走った。

瑠奈:柚菜!

柚菜:惨めだよね。復讐の為に巨人の力使おうとしたけど、巨人の力に負けて暴走するって。結局、巨人になるためのこのスパークレンスも壊れちゃったし。

そう言って柚菜はスパークレンスを投げ捨てた。

瑠奈:…

柚菜:実はさっきの月光との会話聞こえてたんだ。あの時合格しなくて気が動転して部屋飛び出した。あのまま待っていればこんなことにはならなかったのかもね。今まで後悔しかないよ。

瑠奈:ごめんね、今まで何もしてあげられなくて。

柚菜:瑠奈が謝ることないよ。ほら、捕まえなよ。巨人になって暴走して街破壊して、レギオノイド作って暴れさせた犯人がいるんだよ。

瑠奈:確かに今まで柚菜がやってきたことは許せない。でも、その知識と技術をGUTSの為に使ってくれない?

柚菜:え…

瑠奈:今GUTSの知識担当は私含め2人だけど結構キツいんだよねwだからそこに柚菜と月光が居てくれれば少しは役に立つし、あの時約束した一緒にGUTSになるって約束も叶うよ。

柚菜:瑠奈…ゴメンね(泣)

瑠奈:もう1回やり直そ。ギュッ

沈んでいく夕日の前にはかつての友情を確かめあった2人の姿が。

それを〇〇達GUTSは見守っていた。

〇〇:なんか話の流れ的にGUTSになるみたいな感じですけど、隊長とか長官が許可しますかね。

日奈:まぁその時はその時よ。

その光景を見つめるもう1つの影が。

月光:柚菜、俺はここでお別れだな。新たな人生送れよ。俺は俺のやり方で罪を償うよ。

そう言って月光は柚菜の投げ捨てたスパークレンスを拾い上げ、夕日に背を向け歩き出した。

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