【漫画】グランドジャンプ連載：レッドムーダン

グランドジャンプで絶賛連載中の”レッドムーダン”
主人公の武則天は中国唯一の女帝で、その残忍さから世界三大悪女としても知られている。

レッドムーダンの連載が始まり、なんとなく彼女の人生に興味をもった私は、少しドキドキしながら、ネットで調べてみた。やはり残酷な手法を使った彼女の統治に関するサイトが多く、途中まで読むのが精一杯。身震いせざるを得ないような嘘のような話ばかりだった。そして私は、彼女はきっと愛を知らず、孤独な幼少期を過ごしたに違いないと予想を立てていた。

この漫画では、彼女の名がまだ武照であった幼少の時期から物語は始まるのだが、物語の開始早々、予想は見事に外れた。彼女の家族は、途方もなく貧しく、またその貧しさによって迫害されることもあった。貧しいという事実はまだ幼い武照に重く、容赦なくのしかかる。しかし、母親や祖母は自分の身を削ってでも武照を助けようとしていたし、とにかく彼女に多大な愛を与え続けていた。武照もそんな家族の為になりたいと、幼いながらに体を張って皆を守ろうとしていた。家族一人一人が家族を想い、守り合う温かい家庭。彼女が受ける愛は、人によっては羨ましく思う人もいるほどのように思う。

しかし、家族からの愛情不足が彼女の残酷なまでの冷徹さを生んだ原因でないとするならば、何が彼女を世界に名を轟かせる悪女にさせたのか。そして彼女は果たして本当に悪だったのか。という疑問が湧いてくる。その答えを知りたくて、欠かさずチェックしてしまう作品。

日本でいう大奥での攻防が、中国でも行われていたという事実も面白く、のめりこんでしまう。歴史物がお好きな方はもちろん、ゴシップガールのような女豹たちのキャットファイトを覗くような作品が好きな方にも是非読んでいただきたい作品。