ハツカネズミを飼ってみた
ある冬の日、歩いていると雪の中になにやら茶色い物体が埋もれているのを見つけた。しかももぞもぞ動いている。
その茶色い物体を引っ張り出してみるとなんとネズミだった!
体長は10cmもない小柄なハツカネズミだ。近くにクルミの木があったので雪に埋もれたクルミを食べに来たのだろう。
本来だったら逃がしてしまうか害獣として処分してしまうところだが、私は興味本位から持ち帰って飼ってみることにした。私は持っていたペットボトルの中に入れて家に持ち帰ってみた。
真冬だというのに元気なヤツである。手で持ったときに何度か噛まれたが怪我するどころか痛みすら感じない。とりあえず家にあったプラスチック製の容器の中に入れて飼うことにした。
ネズミなのでエサは穀物由来のものがいいと思ってパン屑を与えた。
ネズミもパン屑を気にいったようで、人参などの野菜を与えたのだがずっとパン屑ばかり食べていた。
こうしてみると害獣であるハツカネズミもかわいく、ハムスターのように思えてくる。名前はハム太郎にした。
問題点としては臭い。独特の臭いが容器中に漂う為、部屋の換気は必須だった。
ハム太郎との別れ
ある日、飼育容器を確認すると蓋が開いており中にいるはずのハム太郎の姿が見当たらない。そう、脱走したのだ。
ひたすら辺りを探しましたが見つからない。なんて逃げ足の早いやつだ。
幸い部屋のドアや窓は閉めていた為、部屋から逃げ出すことは不可能なはずなので部屋中の家具をどかして懸命に探した。
しかし、ハム太郎の姿は見当たらない。
諦めかけていたその時、ふと足元を見るとカーペットに膨らみがあるのを見つけました。
もしや、と思ってカーペットをめくるとハム太郎の変わり果てた姿が。
そう、ハム太郎は寒さを凌ぐためにカーペットの下に潜り込んでいた。そうとは知らず私は部屋中を探し回ったので、どかした家具の下敷きとなって圧死してしまったのだ。
は、ハム太郎~~~~~~~~~~~~~!!
ハム太郎は死んだ。私は供養の為、ハム太郎の死骸は庭の雪の中に埋めたのだった。
R.I.P ハム太郎
こうしてハム太郎は短い生涯を終えた。
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