ニンジャスレイヤーTRPG・2版シナリオ『デッカー・ストーリー、序』最終更新2021/9/23

これはなに?

1~n名向けテーブルトークロールプレイングゲーム「ニンジャスレイヤーTRPG」の複数人プレイ用シナリオです。2021年3月に発売された『第二版ルールブック』を想定したテキストで構成されていますが、初版コアルール並びにプラグイン、AoSルールに読み替えてプレイすることもできます。

※「デッカー・ストーリー」は序、破、急の3部仕立てを想定していますが、その内どれか一つのみを遊んでも特に支障はありません。

シナリオサマリー

クローンマッポ、ハイデッカー。既存秩序を内側から喰らうか、新たな権力を打ち立て古きを淘汰するか。ソウカイヤか、アマクダリか。方法、思惑に違いはあれど、ネオサイタマの警察機構はニンジャ組織によって打倒されようとしている。そして思惑はそれぞれながら、あなた達はこれらを阻止せんとしている。

 対象:。成長の壁(1)を超える直前のニンジャ2~4人。『ザイバツ・シャドーギルド』所属ニンジャ(あるいはソウカイヤ、アマクダリと明確に敵対する方針のフリーランス)が望ましい。
 難易度/Wassoi!判定:NORMAL、なし
 キャラロスト:あり
 余暇:普通(4日)
 備考:敵は非ニンジャ中心、弱敵だが数は多い。

ダンゴウ:ネオサイタマ某所、廃テンプル

地の文:あなた達はある共通の目的を成し遂げるためにここに集っている。思惑は各々異なるかもしれないが、共闘する身なのだ、アイサツはしておこう。

※ザイバツ以外のニンジャが居合わせている場合はザイバツニンジャは所属を明確にしない方がいいだろう。

(一通りロールプレイが終わった辺りで)
※ザイバツ・ニンジャのみの場合。
「イヤーッ!」
夜空を切り裂いて、モノトーンのニンジャ装束を纏ったニンジャがあなたたちの目の前に回転ジャンプで降り立った。
「ドーモ、ヘルダイバーです。この度は我々への増援を心から感謝する」

※フリーランス、ザイバツ混成あるいはフリーランスのみの場合。
グレーのローブに身を包んだ男がシュライン奥の闇からヒタヒタと現れた。
「ドーモ、グラッジです。一人も欠けることなく来たようだな」

※ヘルダイバーはブラックドラゴンやワイルドハントやボーツカイ、(いるなら)シルバーキーなど適宜別のザイバツ系中~高位ニンジャに差し替えていい。
◆ヘルダイバー(グラッジ) (種別:ニンジャ)
カラテ       5    体力        6
ニューロン    10    精神力      15
ワザマエ      9    脚力        7/N
ジツ        4    万札       15

攻撃/射撃/機先/電脳  7/11/11/12
回避/精密/側転/発動  13/11/9/14
飛行移動:4マス

◇装備や特記事項  
 ▶▶ヒキャクLV2、▷脚部バーニア・ユニット×2、▶生体LAN端子LV1
 パーソナルメンポ、伝統的ニンジャ装束
 『●時間差』、『●マルチターゲット』、『●連射2』、
 『◉空中制動』、『◉叩き伏せ』、『◉ランスキック』、
 『◉◉グレーター級ソウルの力』、
 『◉ニンジャソウルの闇』、『◉忠誠心:ザイバツ』、
 『☆◉荷電ドローン(ライデンの系譜読み替え)』

 『☆ドローン・ジツ(カラテミサイル読み替え)LV3』、『★ラピッド・カラテミサイル』
地の文:ヘルダイバー(グラッジ)は改めてあなた達とブリーフィングを行った。要約すると、以下のようになる(長いなら太字部分だけを抜粋する)。ただし、◎表記の情報はヘルダイバーの発言で、◉表記の情報はグラッジの発言となる。

◎◉先日ネオサイタマ政府によって組織を承認された治安維持機構『ハイデッカー』、そして現在水面下で進行している『クローンマッポ計画』。このそれぞれに『アマクダリ・セクト』、『ソウカイ・シンジケート』という二つのニンジャ組織の息がかかっている。

◎◉いがみ合う関係である両者だが、NSPD(ネオサイタマ市警)を淘汰あるいは吸収しネオサイタマの治安機構をその手に掌握したいことでは共通している。そして目下の彼らの指針とは自分たちに与しないデッカーらの暗殺による全滅だ。

◉これを打破することで、ネオサイタマ内のパワーバランスがどちらかの方へと傾くことを阻止してほしい。
※PCに『何故』と問われれば、「ニンジャ組織によるネオサイタマの蚕食を少しでも防ぎたい」「今のこの街を気に入っている」などの玉虫色の回答をする。自分が動かないことについてはそれら組織に追われている、目をつけられているなどではぐらかす。

◎我々が今後も活動していく上でソウカイヤとアマクダリ、このどちらもイニシアチブを握ることのできない膠着状態を維持することこそが望ましい(こんな東端の汚水臭い街の治安機構なぞ毛ほども興味はない、言外にそう語っている)。

◎◉堕落デッカー『ギリダ』がソウカイヤ、あるいはアマクダリの手のかかった暗殺エージェントに狙われている。暗殺エージェントを始末し、これを保護せよ。

◇シナリオ開始前に:事前情報収集

プレイヤーたちが情報収集をしたいと判断した場合、NMはプレイヤーキャラクターの中から代表で1人『調査判定』を行わせていい。『ハッキング』で判定を行い、その難易度はHARDだ(ダイダロス等の電算系ニンジャに気取られる危険をイメージして難易度が上がっている。NORMALにしても特に問題はない)。
以下の表に対応する『◉知識』スキルを持っていた場合、ある程度「アタリ」をつけた調査を行い核心に踏み込みやすくなったとみなされ、有利になる。

◆『クローンマッポ計画』、『ハイデッカー』への事前調査に対する修正:
最も適した知識スキル(+2):バイオ系メガコーポ、ソウカイヤ、アマクダリ
次に適した知識スキル(+1):公僕の流儀、セキュリティ
その他ロールプレイ上適切とみなされた知識スキルはNM判断で適宜+1~2の修正を持たせていい。
成功:あなた達はネオサイタマ市警の重サイバネ・デッカー『クロンスキ』がチーフマッポ並びにデッカーの不審死事件を「調査」していることを知った。無関係ではないだろう。
→全員『即応ダイス』+2。

出目【6,6】:『クロンスキ』の行動履歴はどうにも何かを隠ぺいした痕跡がある。掘り下げて調査した結果……彼とテック武装メーカー『オナタカミ』との関係を突き止めた!
→戦闘兵器との衝突を想定して全員このシナリオでのみ使える『パルス・グレネード』を入手できる(任意)。

成功、失敗を問わずプレイヤーは『フォールン・デッカーの「クロンスキ」』のデータを手に入れる(失敗した場合はヘルダイバーあるいはグラッジがデータを共有したなどあったのだろう)

◆フォールン・デッカーの「クロンスキ」 (種別:モータル/重サイバネ)
カラテ       4    体力        4
ニューロン     3    精神力       3
ワザマエ      3    脚力        2/-
ジツ        -    万札        5

攻撃/射撃/機先/電脳  5/8/4/4
回避:5

◇装備や特記事項
 ▶サイバネアイLV1、▷高性能赤外線ターゲッター、▶テッコLV1、▶生体LAN端子LV1
 ▷仕込み大型ナイフ:▷内蔵型ブレード読み替え
 LAN直結型デッカーガン:銃器、連射2、時間差、マルチターゲット、ダメージ2

シナリオマップ

「チッ、この頃どうにもシケてやがる。連中デッカーってもんをナメてやがるな……」
一人毒づき、ダスターコートの中年男性は違法ドラッグ売人からピンハネした万札を懐にしまうと禁煙ZBRガムを嚙み始めた。

「ドーモ」その隣でタバコを咥え、PVCレインコート姿の背の高い男が並び立つ。

「?おお、ドーモ。確か、アンタ……えーと?」「クロンスキですよ、ギリダ=サン」「ン、思い出した。マッポ殺しの捜査がどうこう言ってたな」「目星がつきましてね、ちょっと向こうでお話を」「まあ、いいけどよ……」

「で、ホシは誰だって」「すぐにわかりますよ」
車内に資料を取りに行くと言うクロンスキについていき駐車場へ招かれたギリダは己の背後を振り返った。この区域では見知らぬマッポたちが展開し、ライアットシールドで封鎖している。

「こりゃ一体」「それをわかる必要はありません。貴方はここで死ぬのだから」クロンスキは携帯灰皿でタバコをもみ消すと、デッカーガンをギリダへと向けた。

マップにニンジャを配置して、アイサツをしよう。

◆フォールン・デッカーの「ギリダ」 (種別:モータル)
カラテ       4    体力        5
ニューロン     3    精神力       3
ワザマエ      4    脚力        2/-
ジツ        -    万札        5

攻撃/射撃/機先/電脳  4/5/3/3

◇装備や特記事項
 ▶生体LAN端子LV1、テックヘヴィレガース
 LAN直結型デッカーガン:銃器、連射2、時間差、マルチターゲット、ダメージ2
 ジュッテ:アサシンダガー読み替え

※NPCとしてのルーチン
 物陰マスに侵入次第、「クローンマッポ」>「増援」>「クロンスキ」の優先度で銃撃。
 彼が撃破したNPCの【万札】は万札プールに取っておいて、後でPCらで山分けする。
◆試験運用クローンマッポ (種別:モータル/バイオ生物/クローンヤクザ)
カラテ       2    体力        1
ニューロン     1    精神力       1
ワザマエ      3    脚力        2/-
ジツ        -    万札        1

攻撃/射撃/機先/電脳  2/3/1/1

◇装備や特記事項
 マッポガン:銃器、連射1、ダメージ1
 ライアットシールド:装備したキャラクターを対象とする『射撃判定』の難易度+1。
「ニンジャ、ナンデ!?く、クソッ。あまり使いたくはなかったが……」
クロンスキはあなた達の出現に当惑しながらもハンドヘルドUNIXを用いて何らかのコールサインを送った。増援が来る可能性が高い!

イベント:3ターン経過あるいはクロンスキ残り【体力】2以下(このイベントが発生するまでクロンスキの【体力】【精神力】は0にならない)

それはいつの間にか、あなた達を包囲していた。恐るべき静音性の大型ドローンの編隊は機銃の銃口を向けている!

『市民!これは試験飛行中の暴徒鎮圧ドローンであり、警察機構への襲撃を偶然目撃し暴徒鎮圧に加勢する!』「運がいいな私は、偶然に助けられている」欺瞞!

モブエネミーリスト」より「ハイタカ」をPCの人数に等しい数、できるだけ全員を包囲するように配置する(最低3体)。

「アバーッ!」(シマカタ長官、バンザイ……!)

(ギリダ生存時のみ)
「マッポがクローン? ソウカイヤ? ニンジャ? ……ネオサイタマはいつからワンダーランドになっちまったんだ、エエ?」

敵の全滅あるいはプレイヤーの全滅(撤退含む)でエンディングへ。

エンディング

A+:【万札】PC人数×20、『余暇』4、【名声】+1、(ザイバツ所属者のみ)カルマロンダリング可能
A条件に加え『(10-PC人数)ターン以内にクリア』『クロンスキをハッキング系スキルで撃破』『高難易度オプション(シデムシ投入)を適用してクリア』のいずれかを達成

A:【万札】PC人数×15、『余暇』4
ギリダ生存、敵の全滅

B:【万札】PC人数×10、『余暇』4
敵の全滅

C:『余暇』4、【名声】-1
全員撤退あるいは爆発四散
隠し報酬

事前情報収集で出目【6,6】を満たしてB以上でクリア
→クロンスキの死後、彼のハンドヘルドUNIXを【ワザマエ】か『ハッキング』で解析することで、彼とオナタカミの共謀の決定的証拠……その裏に潜むアマクダリの気配を察知できる(追加報酬として挑戦者に【万札】5、【名声】+1)
ただし難易度はU-HARDであり、一度でも失敗すれば機密保持のために自爆してしまう。
高難易度オプション例
・増援に「シデムシ」1体を追加
・イベント発生条件を2ターン経過にする

など、PCの強さに応じてシナリオ中の敵を適宜強化してもいいだろう。
NMはこの記事に含まれるデータを、セッション中に利用したり、自作のシナリオへ流用することができる。ただし当シナリオのデータを流用して作成したものを公開する場合、この記事を引用元として明記すること。
◆忍◆
ニンジャずかんEX【ヘルダイバー】
ハチ・ニンジャクランかそれに類するクランのソウル憑依者。ザイバツ・シャドーギルドのマスター位階であり、部下のモンスメグともどもネオサイタマに長く潜伏していた。
◆殺◆
◆忍◆
ニンジャずかんEX【クロンスキ】
非ニンジャ。NSPDに勤務するデッカーでありながらソウカイ・シンジケートからワイロを受け取りクローンマッポ反対派やその関係者を秘密裏に抹殺する。しかしこれでさえ表の顔の一つに過ぎず、実際はハイデッカーの尖兵としてクローンマッポ計画のスパイ行為を担当していた。
◆殺◆

更新履歴

2021/9/23:エンディングにA+評価を追加、ヘルダイバーちょっとだけ強化。ほかテキスト追加。

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