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日本トランスパーソナル学会ニュースレター 2023.10 [Vol.29 No.1]

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1巻頭言「あらためて、問うてみること」(甲田 烈)

本学会前常任理事/東洋大学井上円了哲学センター客員研究員

 そのことを行うのには、床座の方がいい。楽に座り、身体を揺らしながら座を定める。そして、目の焦点を合わせないで、水をちょっとだけ注いだお茶論かコップを、自分の手前に置いてみる。そして、やはり目の焦点を合わせないまま、ゆっくりとそのコップやお茶碗に手を伸ばし、両手で支え、口元に持って行き、中の液体を飲み干す。そして、また手を伸ばし、元の位置に置く。この一連の動作を、ゆっくりと10分かけてしてみる。このときに留意するのは二つ。一つは、茶碗やコップに「触る」のではなく、「触れる」という意識を持つことと、自分の背中側の空間を意識すること。

 たった、これだけの動作。側から見れば、坐っている人が、なんだかとてもゆっくりと容器に手を伸ばし、口元に持って行ってから、それを元に戻すかだけ。人間がそこにいて、坐っている空間があり、容器というモノがある。けれども、たったこれだけの小さな所作でも、その人の中で起こることは大きい。容器が、容器ではなくなる、という時節がある。興味を持った方は、試してみるといい。人間と、空間と、モノをめぐる水平と垂直の問いが、立ち上がる。

 さらに、その場で聴いた話。実はこうした動作は、先住民の狩りの初心者に対して、最初に行われる実技と酷似しているというのだ。けれども、そのどこが似ているのだろう。所作の間の心理過程なのか、目や姿勢の位置なのか、容器(モノ)や意識状態の変容なのだろうか。何がどのように似ているか、とかんがえてみることは、実際にそれをしてみるということと同じくらい、愉しいことだ。

  さて、「トランスパーソナル」はもともと、人間ではなく、宇宙に中心を置く心理学として構想された。けれど今日、もはや当たり前のように、「人間」を超えるものは他の学問領域にも溢れている。

 いくつか例をあげよう。先年まで、「人間的なるものを超える」ということを主眼とする人類学のプロジェクトに関わっていた。その新しい(と言っても世紀の変わり目を起源とする)存在論的な人類学においては、人間だけでなく、動植物も、菌類も、人工物も、もちろん精霊や妖怪といった異界のモノたちも行為主体性を持つという。つまり、この世界は「人間」だけて成り立ってはいないのだ。そこで、多種や精霊などとのからまりあいが、この人類学のテーマとなる。「トランスパーソナル」とここで語られていないとしても、実質的にはそれと重なる光景が広がっている。また、LGBTQと関わる「トランスジェンダー」をあげてみてもいい。生物学的な性と心理的・社会的ジェンダーが重ならない。それは悩みや差別の種でもあるけれども、一面において、「人間」や「個」というものを、もはや超え出ていないだろうか。

  このように、「トランスパーソナル」という言葉を使わずとも、それと心づくようなことは、そこかしこに溢れてきているのではないだろうか。そうしたとき、「トランスパーソナル」とあらためて語ってみることの役割とは、なんだろうか。

甲田 烈(こうだ れつ)
1971年、東京生まれ。東洋大学大学院博士後期課程単位取得満期退学。仏教学専攻。現・東洋大学井上円了哲学センター客員研究員・武蔵野学院大学ヌーソロジー研究所特任研究員。大学院時代は近代インド思想を研究するとともに、トランスパーソナル心理学・インテグラル理論に関心を抱き探究を続けている。また、井上円了による妖怪学を哲学的に継承・発展させる試みも行っている。関心領域は妖怪学・インテグラル理論・比較哲学・人類学。単著は『手にとるように哲学がわかる本』(かんき出版)、『水木しげると妖怪の哲学』(イーストプレス)。共著は『入門 インテグラル理論』(日本能率協会マネジメントセンター)。

 2【連載】図書紹介『ストーリーが世界を滅ぼす』ジョナサン・ゴットシャル 東洋経済新報社
向後 善之(本学会事務局長)

ストーリーが世界を滅ぼす―物語があなたの脳を操作する」(Amazon)

これは僕の考えですが、

段階1:被害者Aの発生→段階2:被害者Aの救済、加害者はBと特定→段階3:加害者とされたBへの過度な攻撃→段階4:Aが加害者に転じる→段階5:被害者Bの発生→段階6:被害者Bの救済、加害者はAと特定→段階6:加害者とされたAへの過度な攻撃→・・・

というようなコースをたどることが少なくないように思います。

段階2、6で、あまりに0−100のジャッジメントをしてしまうと、段階3、7に進んでしまうのかなと思います。攻撃が過度になってしまうと、暴力が連鎖し巨大なエネルギーになっていくように思います。

ほとんどの戦争も、侵略も、内紛にも、個人的な争いにも、この暴力の暴走の可能性があるのではないかと僕は考えています。

 段階3、6においてBないしAを過激に攻撃するのも、最初は少数意見なことが多いです。「まあ、そこまで言わなくても」というのが、大勢の意見だったりします。しかし、少数意見が急激に巨大化することがあるわけです。少数意見に火をつけるのは、この本で言う「ストーリー=物語」なのでしょう。

 著者の造語で「ストーリーバース」という言葉があります。「ストーリーバース」とは、「子供時代に枕元で聞いたお話からネットフリックス、インスタグラム、ケーブルテレビのニュース、礼拝の場で聞く説教まで、あらゆるメディアで私たちが消費する物語が作り出した、心と感情と想像の中の空間(p.228)」です。

 「ストーリーバース」の中で、人は独自の物語を作ります。物語は、正義と悪を作り出します。その判断基準は、たいてい理性より感情が大きく影響するようです。

人は、多様性が保持された集団の中では、討論の結果は、妥協的なものになっていきますが、同質的な集団が懐疑や反論から隔離されると、「最も過激な立場に一気に引っ張られる(p.245)」ことになりがちです。

 トランプ旋風(一部のメディアが発信するニュースに「フェイクニュースだ!」とアピール、支持者が連邦議事堂を襲撃など)や多くの陰謀論には、そうしたメカニズムが大きく働いているのでしょう。「ナラティブはダークなほど道徳主義のエネルギーで活気づき、物語戦争で勝ちやすくなる(p.256)」ので、陰謀を企てる悪を定め(事実とは異なる物語でも構わない)て、そうした悪を攻撃する人たちがグループを形成したら、そのグループは強力なエネルギーを持ちうるのです。

 著者は自分自身のことを、リベラルな考えを持っていると述べていますが、実は、同じリベラルな人たちからの攻撃も恐れているのです。いや、より恐れているようです。

 驚いたのは、「1960年代すでにアメリカの大学の史学部は、共和党派の歴史家1人に対して民主党派は2・7人と大幅に左に偏っていた。しかしアメリカのトップ40の高等教育機関の8000近い学部を対象とした最近の調査では、歴史家のリベラル派と保守派の比率はなんと33・5対1にまで差が開いていた。(p.245)」という点です。最近、共和党が強くなってきたのかと思っていたのですが、実はアカデミックな世界では民主党が圧倒的に強いのでしょう。民主党vs共和党の争いは、リベラルvs保守という枠組みだけでは捉えられない側面があるのでしょう。

 そして、「学術界のイデオロギー的な同質性は、特にジェンダー、人種、性的指向などアイデンティティの問題をめぐる不可侵で議論の余地のない信条に関して問答無用の権威主義的な傾向が高まることにより、拍車がかかっている。(p.247)」という状況の中で、こうしたテーマについて、学術界のマジョリティーと少しでも異なる意見を述べることは、危険でもあるわけです。

この本を読んで、アメリカにおいても、ストーリーが作る「空気」が存在していることに少々驚きました。いや、「空気」は元々あったとは思うのですが、僕が留学していた1990年代と比べて、相当強くなっているのではないかと感じました。それは、ネットによる影響も強いのでしょう。

 著者は、言います。

 「物語を憎み、抵抗せよ。だがストーリーテラーを憎まないよう必死で努めよ。そして平和とあなた自身の魂のために、物語にだまされている気の毒な輩を軽蔑するな。本人が悪いのではないのだから。」

(p.273)

 とりあえず、僕は、あらゆる物語をそのまま信用しないようにしています。しかし、僕自身にも特有の「ストーリーバース」があるはずで、自分の独自の物語に巻き込まれる可能性についても心しておかなければいけないですね。

向後 善之(こうご よしゆき)
本学会事務局長。セラピストビレッジおよび、TEN(Transitional Emergency Network)主催。都内カウンセリングオフィス(ハートコンシェルジュ(株))等で年間1,000件以上の個人セッションを行なう。「カウンセリングは、技法・理論より、クライアントのプロセスへの好奇心」がモットー。

3動画評『深層心理学を中心とした心理学の系譜』松村 憲(株式会社アントレプレナーファクトリー/enfac 動画コンテンツ)

中島 賢(本学会常任理事、鳥取少年鑑別支所長)

  広大。この動画の題名を拝見したときに、まずはその言葉が浮かびました。登壇者である松村憲氏(以下、「松村氏」という。)は、どのように、深層心理学を中心に据えて、広大な心理学の系譜を、ご自身の視座から一連の動画として、株式会社アントレプレナーファクトリー/enfacと協働し、まとめて世に出されるのだろうかと気になりました。 

 本動画コンテンツは、3分から11分という短い動画、全52本、総計5時間以上から構成されています。大きなテーマとして、①心理学の系譜、②フロイトとユング、③ユングの元型心理学、④日本におけるユング心理学の発展、⑤人間性心理学への展開、⑥ウィルバーとインテグラル理論、⑦プロセスワークの計7題が置かれ、それぞれに各論が設定されています。

 視聴しての感想として、冒頭の気掛かりは杞憂であり、広大な内容であるにも関わらず、各論の短い動画に、それぞれに臨床上、重要な視点がコンパクトにまとめられており、明瞭にかつ要点を押さえて理解しやすく、かつ飽きずに学びを進められました。加えて、松村氏は、折に触れて、各論の相互関係をつなげるようなコメントを付していかれます。そのコメントのお陰で、広大な心理学の系譜を、迷子になったり、バラバラにとらえたりすることなく、深層心理学の流れを軸として、それぞれのテーマが有機的に結び付いている一つの地図、若しくは深層心理学の流れを樹幹とする一本の木のように理解していくことができました。

 松村氏は、一連の動画を通して、広大な心理学の世界を簡潔かつ縦横無尽に解説していきながら、最後に、心理学の系譜を見直す中で、問題や苦しみをしっかりと見ることで初めて目覚めさせられることがあると再認識され、今後は深層心理学を中心とする心理学の知恵が、個人のみならず、フィールド(場)を扱う臨床に応用されていくことに期待したいと展望を述べられます。そこに、松村氏の心理学や臨床に対する深い想いが感じられます。

 本動画コンテンツは、簡潔にかつ要点を絞って構成されており、初学者の方々が入門書のように活用したり、広大な心理学の系譜を全体的に見渡したりする上でも非常に有用であろうと思います。他方、経験や実践を積まれた臨床家の方々が、本動画コンテンツを視聴することで、各々の知識や経験が再統合されたり、新たな発見や気付きを得たりできるものでもあろうと思います。本動画コンテンツは、深層心理学を中心に据えた心理学の世界を、ワクワクしながら有機的な学びを得つつ旅することができるようにしてくれる一つの道標となり得るものであると思います。

中島 賢(なかじま さとし)
大阪大学大学院博士前期課程修了、臨床心理士・公認心理師。東京少年鑑別所にて法務技官として採用され、その後、各地の少年鑑別所や少年刑務所で勤務し、現在は鳥取少年鑑別支所長として勤務している。仕事の傍ら、下手の横好きで、合気柔術、槍術、居合道、兵法等をたしなむ。共訳書には、パメラ・M・イエイツ、 デビッド・S・プレスコット著『グッドライフ・モデル: 性犯罪からの立ち直りとより良い人生のためのワークブック』誠信書房 2013がある。

4JTA主催セミナー報告「インテグラル理論とプロセスワークの対話」

講師:鈴木 規夫(一般社団法人Integral Vision & Practice代表理事、本学会常任理事)、松村 憲(認定プロセスワーカー、臨床心理士、(株)BLUE JIGEN 代表取締役、本学会副会長)

【日時】2023年8月27日(日) 13:00-16:00
【会場】Zoomミーティング(オンライン)

動画販売中! 詳細はHPにてhttps://transpersonal.jp/7712/

【講師プロフィール】
鈴木規夫 Norio Suzuki, Ph.D.
1990年代前半に合衆国の大学に在籍中にケン・ウィルバーの著書に出逢い大きな衝撃を受け、その後California Institute of Integral Studiesで「人間(個人・組織・社会)の成長・発達の可能性を解き明かすための統合理論」としてインテグラル理論に関する研究に取り組んだ。帰国後は、執筆やワークショップや講演を通してインテグラル理論の普及に従事する傍ら、主に企業組織の人材育成と組織開発の領域においてプログラムの設計と統括、及び、コーチ、コンサルタント、インストラクターとして多様な階層や立場のプロフェッショナルの支援活動に従事している。
また、成人発達理論に関しては、発達心理学者のSusanne Cook-Greuter等に師事し発達段階測定と発達志向型支援に関する訓練を積むと共にこれまで約20年にわたり実務領域におけるこの理論の応用と実践に取り組んでいる。Integral Vision & Practice 代表理事
《翻訳書》
ケン・ウィルバー著『INTEGRAL LIFE PRACTICE』(日本能率協会マネジメント・センター)
《著書》
『インテグラル理論入門』(I & II)(共著)(春秋社)
『インテグラル・シンキング』(コスモス・ライブラリー)
『入門 インテグラル理論』(共著)(日本能率協会マネジメント・センター)
『人が成長するとは、どういうことか』(日本能率協会マネジメント・センター)

 松村憲 Ken Matsumura
米国プセスワーク研究所 (プロセスワーク修士)、大阪大大学院 臨床心理学研究分野(人間科学修士)、認定プロセスワーカー、臨床心理士・公認心理師、(株)BLUE JIGEN 代表取締役、バランスト・グロース・コンサルティング株式会社 取締役、(株)THE COACH アドバイザリー、(一社)日本プロセスワークセンター 教員、日本トランスパーソナル学会 副会長。大学院では精神科医でユング派分析家である老松克博に師事。ユングの深層心理学をベースに個人、関係性、組織まで扱うことのできるプロセスワークを専門とする。ビジネス組織においては、プロセスワークを組織開発に応用し、組織開発専門家として様々な企業の支援を行なう第一人者。プロセスワークのコーチング機関であるGCI(Global Coaching Institute)のファカルティも務め、多くのエグゼクティブ、リーダー層のコーチングも行なっている。個人や組織のみならず、社会に生じる問題に「とどまる」ことから未来の可能性が生まれることを信じて活動の幅を広げている。

《著書》
『日本一わかりやすいマインドフルネス瞑想"今ここ"に心と体をつなぐ』(BABジャパン)
『最新!トランスパーソナル心理技法』(分担執筆、諸富 祥彦・日本トランスパーソナル学会 編)(コスモス・ライブラリー)など

《翻訳書》
アーノルド・ミンデル著『プロセスマインド:プロセスワークのホリスティック&多次元アプローチ』(春秋社)
アーノルド・ミンデル著『対立の炎にとどまる』(英治出版)
アーノルド・ミンデル著『対立を歓迎するリーダーシップ』(JMAM)
ジュリー・ダイアモンド他著『プロセスワーク入門』(コスモス・ライブラリー)など

5JTA主催セミナー報告
参加者の告白「インテグラル理論とプロセスワークの対話」しのぶかつのり(本学会理事、生きづらさ専門カウンセラー)

想定外のことが起きました。
その言葉を聴いたとき、心臓がドクンと一つ脈打ち、目頭がカッと熱くなったんです。

鈴木規夫さん、松村憲さんの「インテグラル理論とプロセスワークの対話」に参加したときのこと。

後半にさしかかり、話題はインテグラル理論の「視点取得能力(Perspective Taking)へと移りました。

私たちの発達に欠かせないのは、「他者の視点」から見る世界があることを想像し、その「他者の視点」でものごとをとらえ、考えること。

そして、それだけではなく、じっさいにその「他者」と対話し、理解を深め、その視点の解像度を上げていくこと。(Perspective Seeking)

鈴木さんからのその言葉を受けて、松村さんは、その先にじっさいにその視点を体験してみる「Perspective Experience」があることが求められると応じられました。

 まさに「インテグラル理論とプロセスワークの対話」から、新たな概念が生まれた、とてもエキサイティングな瞬間でした。

その興奮にあおられたのか、私はおおむね次のような問いをぶつけさせていただきました。

「生きづらい人の視点は、いつも切り捨てられる側にいる。その視点に立ってもらうことすらできない。」と。

 なぜなら、人事の現場、ビジネスの現場、あらゆる枠のなかでは、どうしても「視点」に優先順位をつけざるをえないという話題があったからです。

生きづらさを抱えている人の多くは、自分の存在自体を肯定できていません。

それは自暴自棄になるとか、自己否定感が強いといったものではない。

人間は本当に生きていていいのか、この世界は存在していていいのかという根源的な問いに阻まれ、身動きがとれなくなっている方が多いのです。

 その「視点」を表明しても、まったく相手にされない。

とりあえずそれは置いておいて、どうしたら学校に行けるのか、どうしたら会社に行けるのか、どうしたら集団行動になじめて、明るく、楽しく、元気に、イキイキと生きられるのかという「視点」に立つことを強要されます。

多くの生きづらい人の視点は、常に切り捨てられる側にある。

その事実に、インテグラル理論とプロセスワークではどう対応していくのか、そんな問いを投げさせていただいたのです。

そこに、冒頭の瞬間が訪れました。

鈴木さんから、次のような回答をいただきました。

セラピストとして、倫理的に「視点の優先順位の低い人の側に立つべき」と。

それに対して松村さんも、うなづかれました。

その瞬間、私はグッと胸が熱くなりました。

なぜかと自問してみると・・・。

それは、黙々と一人つづけてきた「生きづらさ専門カウンセリング」というこの10年ほどの取り組みが、肯定されたように感じたからかもしれません。

思えば、迷いに迷って迷いつづけながら取り組んできた仕事でした。

生きづらい人の視点に立ち、常に世間と距離を置きながら、本当にこれでいいのか、これが本当に生きづらい人の役に立っていることになるのか、その疑問の声と戦いつづける日々でした。

結局俺はただ生きづらい人を甘やかし、骨抜きにしているだけではないのか、、生きづらい人が世間と対話する力を奪っているだけではないのか・・・。

鈴木さんと松村さんからの回答は、その迷いを吹き飛ばし、背中を押してくれました。

そして、私に必要な視点は、まさに「世間の側の視点」であることがよくわかりました。

生きづらい人の視点だけに立ち、無駄に対立するのではなく、その視点に立ちつづけるために、世間の側の視点に立ちつづけることを忘れてはならない。

生きづらさ専門カウンセラーとしての自分に、この世界が求めているのは、その双方の視点を常に求め、対話し、経験していく、「両極を包み込んで成熟させる視点」なのではないか。

そんなアウエアネスに導かれたセミナーとなりました。

そしてその瞬間をもたらしてくださった、お二人の講師と、当学会スタッフの皆様に深くお礼を申し上げたいと思います。

本当にありがとうございます。

しのぶかつのり
本学会理事、生きづらさ専門カウンセラー、脱世間起業塾Adic塾長、生きづらさをチカラに変えるAdic Salon主宰、アダルトチルドレンの子育てを支える会会長。『生きづらさから脱け出す実践法』コスモス・ライブラリー

 セミナー動画販売中!
詳細はHPにて
https://transpersonal.jp/7712/

6学会からのお知らせ
今後のイベントスケジュール

2023年
10月29日(日)13:00-15:00 勉強会
11月25日(土) 17:30-19:30 年末のスペシャルイベント

2024年
1月27日(土)18:30-21:30 主催セミナー(富士見ユキオ・岸原千雅子・諸富祥彦)
1月28日(日)13:00-15:00 勉強会
3月17日(日)13:00-15:00 勉強会

 7年末のスペシャルイベント
「今、一番大切なことを語り合おう」
イヤー・エンド・スペシャル・シンポジウム・トランスパーソナル★2023

【日時】2023年11月25日(土) 17:30-19:30
【会場】都内(申込みのあった方にお知らせします)
* Zoomオンラインでの参加も可
【参加費】会員:無料、一般:2,000円
【登壇者(予定)】諸富祥彦、向後善之、森未向 ほか

昨年度好評を博した年末イベントを、今年も開催します。一年に一度、理事と会員のみなさんが集って、いま、いちばん思っていることを直接、語り合い、聞きあう。そんな夜になることを願っています。どんな話が飛び出すのか、会場についてのお楽しみです。シンポジウム後は懇親会もありますので、理事たちと直接お話ししましょう♪

8学会誌投稿受付中

学会誌『トランスパーソナル学研究』第18号は2024年秋発行予定です。投稿は随時受け付けています。以下の投稿規定をご確認の上、ぜひ積極的にご投稿ください。投稿〆切は2023年4月末です。

《学会誌投稿方法》
 1.こちらから、Wordテンプレートファイルをダウンロードしてください

 2.ダウンロード・保存したWordファイル内の指定に従い、上書きして原稿を作成してください。
 3.完成した原稿ファイルを、こちらから投稿用フォームを開き、送信してください。

学会誌投稿規定

1.投稿者は原則として本学会員とする。

2.内容は未発表のものであること。①学術論文、②研究ノート、③エッセイ、④翻訳、⑤報告、⑥コミュニケーション、⑦書評、のジャンルとする。

3.①学術論文:トランスパーソナル学の発展に意味があると考えられ、論文としての形式を備え、研究としての完結性、論証性・実証性、独創性を有しているもの。
 
②研究ノート:トランスパーソナル学の発展に意味があると考えられ、独創性を有しているもの。
 
③エッセイ:論文の形式は備えていないが、トランスパーソナル学的に示唆に富む意義深いと考えられる書き物など。

 ④翻訳:トランスパーソナル学に関する最新の文献など。

 ⑤報告:調査報告やセミナー・ワークショップの記録など。依頼する場合がある。
 ⑥コミュニケーション:ネット上や学会、研究会などで行われたディスカッションのうち学術的発展に意義があると考えられるものの記録など。

 ⑦書評:トランスパーソナル学的に重要な文献などの紹介。

4. 投稿論文と内容が一部重なる論文を他誌に投稿中、印刷中、または掲載済みの場合には、必ずそのコピーを投稿論文とともに送ること。

5. 掲載されたものに関するコピーライトは本学会に帰するものとする。書籍、ネット上HPなどでの公開に関しては、編集委員会に申請すること。本学会誌掲載を明記した上で許可されることがある。

6. 研究対象者などには口頭あるいは文書にて同意をえたものであり、症例記述に関しては匿名性を配慮すること。

7. 研究の一部あるいは全部が、公的あるいは私的機関より支援を受けていた場合には、その、資金提供を受けた機関名などを明記すること。
8. 原稿は横書き、枚数は400字詰め原稿用紙で、論文50枚以内(図表、文献、注をふくむ・要旨は含まない)とする。研究ノート・報告・コミュニケーションは30枚以内、エッセイは20枚以内、書評そのほかのジャンルでは10枚以内とする。

9.原稿は原則としてMicrosoft Wordの形式で別に定める書式に則って作成し、データで提出のこと。

10.原稿本体には、身分や氏名が明らかになる記載をしない。投稿に際しては、表題、英文タイトル、氏名、英文氏名、所属と連絡先住所、電話/ファックス番号、Eメールアドレスを別途提出する。

11.学術論文には、和文抄録(400字以内)と英文抄録(250語以内)ならびに、和文と英文のキーワード(3から5個)をつける。研究ノート・エッセイ・コミュニケーション・書評はこの限りではない。

12.文献引用は必要最低限とし、記載例は本学会誌バックナンバーを参照のこと。

13.採否については2名以上の査読委員の査読を経て、編集委員会が決定する。

14.著者校正は原則として1回とする。

15.規定の長さを超えたものに関しては受け付けない。

16.稿料は支払わない。ただし、本誌5部を贈呈する。

17.投稿は随時受け付ける。投稿に関する問合せ等は、すべて下記宛てとする。
 メールアドレス:info@transpersonal.jp 


(改定2021年11月)

https://transpersonal.jp/kitei/

9主催セミナー
"Psychological divination"
富士見ユキオ・岸原千雅子・諸富祥彦

【日時】2024年1月27日(土) 18:30-21:30
【会場】Zoomミーティング(オンライン)
【参加費】会員:3,000円、一般:5,000円

10関連セミナーのお知らせ

こちらのページから御覧ください。

11事務局からのお知らせ

 今年の夏は長かったですね。秋は朝晩の気温が下がるのはありがたいですが、1日の気温の大きな変動で自律神経も乱れがちになります。西洋医学と東洋医学をうまく取り入れながら、心身に合うケアをお試しくださいね。

さて10月といえば、今や日本中に市民権を得たハロウィンがあります。

ハロウィンの由来は、古代より行われてきたケルト民族の死者の祭り「サーオイン」にキリスト教が布教のために結びつけて誕生した祭りで、キリスト教の聖人たちが現世に戻ってくる「万聖節」です。聖人は古代語で「hallo」。すべてのキリスト教の聖人が集まる夜「All Hallow Eve」、それがなまってハロウインという名前になったそうです。(『魔女の12カ月』より引用)

日本ではそのほとんどが形骸化してしまったようなハロウィンですが、由来を知ると少し違った角度で眺めることができるかもしれません。

 季節のお話が長くなってしまいましたが、年末には今年もスペシャルイベントの企画が持ち上がっています。詳細は決定次第お知らせしますので、ぜひご都合あわせてご参加ください。お待ちしております。 

(矢崎 末由)

日本トランスパーソナル学会は、「トランスパーソナル」という考えに関心を抱く人々が集い、研究活動や情報の交換、一般社会への普及活動、海外をも含めた研究成果の発表や紹介などを行います。この学会は、特定の学問領域に限定された学会ではなく、様々な学問の境界を越えた学際的な学会です。また、学者のための閉ざされた学会ではなく、「トランスパーソナル」という考えに共鳴し、オルタナティヴな個人の生き方や社会の在り方に関心を抱く一般の方々が自由に参加し、お互いの実践や思いを交換し合える場作りも目指していきます。今後の学会の発展のため、お知り合いの方を新しい会員としてぜひご紹介ください。ご協力をよろしくお願いいたします(申し込みはホームページからも可能です)。

 一般会員の方 :入会金 1,000 円 会費 5,000 円 (会費ご入金日~ 2023年 8 月分)
賛助会員の方 :入会金 10,000 円 会費 20,000 円(一口)
銀行振込 みずほ銀行三鷹支店 普通預金 1790349
郵便振替 口座番号 00130-7-169681

Newsletter Vol.29 No.1 2023 年 10月1日発行
編集:ニュースレター編集委員会 (制作:事務局)
発行:日本トランスパーソナル学会 〒 101-8301 東京都千代田区神田駿河台 1-1
明治大学文学部14号館 6階B611 諸富研究室内 FAX : 03-6893-2978

 


 

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