人の尽きない欲望によるデスマーチと、その回避策の思案

人の欲望は尽きない(経験則的認知)
品質を求めることは無限に行われる(行うことができる)
->チューニング・ブラッシュアップ・リファクタ・新規機能etc

開発は「1500m走を何分」ではなく「何分(期限)で、何m(機能/品質)進んだか」なのかもしれない

「機能一覧」や「開発一覧」という「1500m」に相当するものに焦点が行きがちなのでこの考えが隠れやすいと思われる

理論上「全速力で制限時間まで走れる」ならば、それが理論値である(週7日18時間勤務みたいなもの)
->理論上であり不可能
->創作活動なので、認知・体力リソースの上限もある

理論値が出せないので「いかにそこに近づくか」という課題になる

->効率よく開発
->開発力の底上げ(ライブラリ, 人の技術熟練度)
->営業日増やす
->勤務時間/日を増やす etc...

そもそも「人の欲が尽きず、品質改善は無限に行われる」のであれば、デスマーチになるのは必然?
->理論値に近づく努力の一つになりうるため

「品質」を明確に基準を作れば良いのでは?

->難易度が極端に高く、人の認知特性の差異がある関係上策定が難しい(上から約束を破られる懸念もある)
->「期間が空いている(余裕)があるから仕事を詰め込む」のは基本的な戦略とされている(社会認知上の問題)(欠乏の行動経済学上では銀の弾丸になり得ないと述べられる)
->ゆえ、現実的に構築は不可能と考えられる

(余談: 間に合わない実装から切り落としていくアジャイルと考えが似ているかも)

「デスマしない開発」はこの理論上では不可能?

->「神聖な価値観(論理で説明しない価値観)」として制御することができるが、プロジェクトの上の立場の人でないと制御できない
->(上の立場の人が制御しなければ、デスマを一つの品質向上のための戦略として取る得ることになる)

「人の欲は尽きない」という概念を制御できないか?

->強化学習によるドーパミン放出の中毒作用?(もっと欲しいという刺激欲求)
->根本解決は人間以外にならないと難しそう(ヒトのシステムとして作用されている)

もうちょっと上のレイヤー層で対応したい

->機能を制限する
それでも、「機能内の品質」という点で無限に欲求が発生するので無限の進捗を求められる
->「倫理的」制御が発生するので、よっぽど高い稼働率の場所では「人命確保」が最優先になる
->が、人命確保のレベルまで行かないと抑制されないので辛いことには変わらない

「想定機能」が作られておらず最低ラインまで行っていないときは?

->機能からスケジュールを引くのが問題(一番最初の計画)
->チームの実装レベルに応じて機能一覧を詰め込んでいくのが良い
->「人月」は極端に画一化されているので、単純な戦略としてはありだが、人月の基準を平均値(or中央値)、もしくは下限にしないと大変(できる人を基準にすると悲惨)

すでに「想定機能」を作ってしまった場合はどうする?

->機能単位で落としていく必要があると予想される
機能の品質を落として対応すれば良いのでは?
-> (少し論点ずれてしまうが)消費者は悪い部分を見つけると、そこを基準値にするので全体の品質が低いと評価される。what you see is all there is.(あなたの見ているものが全て)
->「これくらいの品質なら大丈夫かな?」という問いを常に続けて余分に認知リソースを消費するので進捗が落ちる(全体品質が落ちる/機能が乗らない)
->であれば機能単位で落とした方が良い(iPhoneOSがver3.0までコピペできなかったように)

と言っても機能と品質は必要(神聖な価値観)

->プロジェクトを統括する人が論拠ではなく、先入観による価値観で物申すならプロジェクト炎上は防げない(早々に退職するか、統括者を交代する交渉をするか)
->「このくらいの品質があれば、このくらいの利益が得られる」という明確なデータがないと主観的価値観しか拠り所がなく、対話による交渉が難しい
->そうすると「作れるだけ、作る」という形になる

そういう意味では、データを提示して議論ができるならばよいのでは?

->変動する変数があまりにも多いので、難しい
->が、全て変数を加味してデータを網羅しなくても、部分的なデータでも有用なのでそれをコツコツ集めればよいのかも

いったんの結論

新規でスケジュールを立てる時に「進捗スピード」を起点に機能を詰め込んでいくのが良いのかも。
工数見積もりも「機能->工数出し->収まるように調整」というフローがあるが、ここでの起点は機能。
「進捗スピード算出->収まるように機能追加」という流れで何が違うことが起きるかもしれない(要検証)

プロジェクトメンバーが都度変わって進捗スピードが測れないとか、ログ取ってないとかもあるので難しいことではあるが、個人ベースならできる気がする。

参考文献

ファスト& スロー(上/下)
https://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/90410.html

欠乏の行動経済学
https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013436/author_Agyo_O_676/page1/order/

無知の科学
https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013851/

早川書房ばっかり...。

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