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行動分析学 前半

 これは、自身の備忘録である。内容の扱いについては自己責任。

こころに頼らない心理学

 行動を説明し、影響を与えることを目的とした心理学。

 こころという構成概念に頼らない心理学。

行動は、個人と環境との関わりから解明できる

 なぜ、そのように行動するのか(しない)のかを説明するだけでなく、どうすればそのように行動する(しない)ようになるのかを解明する心理学。

 徹底的行動主義。

学生はなぜ授業中にお喋りするのか?

 いい加減だから、不真面目だから、気がたるんでるから、意識が低いから、ゆとり世代だから、たるんでるから。

 こんな説明で、お喋りがなくなりますか? こんな説明してませんか?

行動とは

 その時々の環境条件において示される、有機体(生活体)の運動や反応、あるいは変化

 行動は、生きている生体が示す変化であり、死体でも起こりうることは行動ではない。横になっている等は、状態を示しているだけ。

行動の二つの側面

 ・顕在的行動

 外から観察される行動。喋る、書く、手を上げるなど

 ・内潜的行動

 外から観察できない行動。考える、感じる、身体反応など

行動分析学の特徴

 ・心理学だから、こことの存在を前提として、その中身を知ることが重要とか考えない

 ・行動の原因は「自信欠如」「動機の低さ」「性格」なのどのこころの中の内的構成概念にあるとは考えない

 一般的な心理学は、構成概念を測定して、行動などの説明や予測をする。

 それは、行動の予測や説明には役に立つが、行動の原因と言えるのだろうか?

 個人を批判したり、自尊心や意思を原因にしても対策できない。

 ・タバコがやめれない・・・意思が弱いからだ

 ・タバコがやめれない・・・依存症だからだ

 人間の行動は、いろいろな角度から説明することができる。その説明を考えても意味がない。

行動の原因を考える

 行動を理解し、その行動に対して何らかの影響を与える(コントロールする)ために、行動の原因を考える。

 原因(独立変数)を操作することで、結果(従属変数)がコントロールされるという、関数関係を検証する必要がある。

 原因(独立変数)を操作できなければ、科学的に検討することはできない。

相互作用

 行動は、個体と環境との相互作用を明らかにすれば、理解と制御が可能となる。すべての行動は、環境によって決定されている。

2種類の行動

 ・レスポンデント行動

 行動に先立つ環境変化によって誘発される行動。

 ・オペラント行動

 行動の後の環境変化によって、その生起頻度が変化する行動。

オペラント行動

 行動は、個体と環境の相互作用を科学的に実験した結果、オペラント行動の法則が明らかになった。

 この法則をマスターすれば、行動を予測するだけでなく、制御することが可能になる。

オペラント行動の法則

 ・人は、行動をした後に本人にとって好ましくない環境変化(嫌なこと)が起きると、その行動をしなくなる(頻度が減少する)。

 ・人は、行動をした後に起きていた本人にとって好ましい環境変化がなくなると、その行動を徐々にしなくなる。

行動随伴性

 行動の原因を分析する枠組みで、行動の直後に生じる状況の変化と行動変化の関係。

弱化

 環境変化によって、その後、行動が減少する行動随伴性を「弱化」。

・嫌子(好ましくない刺激)出現の弱化

 刺激の出現によって行動が減少。

・好子(好ましい刺激)消失の弱化

 刺激の消失によって行動が減少。

行動の法則

 ・好子出現の強化

 ・嫌子消失の強化

 ・嫌子出現の弱化

 ・好子消失の弱化

 この4つの随伴性で多くの行動が説明できる。

消去

 これまで強化されていた行動に対して、強化の随伴性を中止すると、強化の随伴性を導入する以前の状態まで、その行動は減少する。

消去バースト

 消去手続きを開始した直後、一時的に行動の頻度や強度が爆発的に増えること。

 消去の手続きになると人は、攻撃行動をしやすくなる(消去誘発性攻撃行動)。ex.渋滞とか。

復帰

 これまで弱化されていた行動に対して、弱化の随伴性を中止すると、弱化の随伴性を導入する以前の状態まで、その行動は増加する。






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