【ビジネス】 ベンチャーキャピタル

以前、ベンチャーキャピタル(以下、VC)で勤めるいろんな方と話したことがあります。VCと言っても、様々と機能・提供価値はあるわけですけれど、投資の他にも、いろんな方向からグロース支援(ビジネス的な拡大及び、それに伴うオペレーション構築から、全体の戦略検討、PR支援、採用支援など、その幅と深さはファンドさんによって様々みたいです)をしないと、VCとして差異化、要は選んでもらうための理由作りがなかなか難しくなってしまっているようです。いろんなお話をさせていただいた中なのですが、その時思ったこと、感じたこと、私の理解を自分の中で言語化していきたいと思ったので、ここにぜひ書き記していきたいと思います。大きくまとめると以下の3つについてが今日のハイライトになります。

  • キャピタリストってのはやっぱり投資家

  • そんなんロジック立てて説明できる方がおかしくね?

  • すごいキャピタリストってどんな人なん?

あくまで私個人の所感なのでその辺りはご了承ください。

キャピタリストってのはやっぱり投資家

VCファンドっていうのは、そもそも外部からお金を集めて、そのお金を増やして返す、っていうのがまずは最低限、というかそれが一番大事、と考える人がほとんどだと思います。私も、色々とお話を聞いていて、まずは投資家としてファンドへの出資者(Limited Partner: LP)の皆さんに対して、可能な限り高いリターンを実現させるべきだと思っています。一方で、高いリターンを出すためには何が必要になってくるのか?これには色々な考え方・やり方がありますが、一つの考え方としては、基本的には安い時に買って高くなったら売る、ですよね。では安い時ってどんな時か?それは、誰も欲しがっていない(欲しがってる人が少ない)時、なんですよね。例えば最近コレクションの対象になっている遊◯王カードなんかは、当時は数百円のパック等で獲得できていたものが、数百万円まで上昇するなどしていますよね。

ちょいちょい、当時こんなに遊◯王カード高くなるって知ってたら私だって買ってましたよ・・・

そうなんです。ここがベンチャーキャピタル(というか、金融など何らかの需要と供給が相互にマーケットに作用して、対象の価値を決定づけているビジネス全般の)の難しさです。そんな感じで、将来上がるかもわからない駆け出してまもないスタートアップ企業に対して、数千万から、多い場合は数億という金額を、人様から預かったお金を出資するわけです。すごいですよねほんと。しかもこれ、基本的には貸すわけではなく、株式を取得する形になるので、もしも出資先が事業に失敗した場合のリスクを負っているんです(契約とかは色々あるらしいです)。だからこそ出資するまでのプロセスは相当に厳しいんですよね。

厳しすぎる投資プロセス

これは本当に厳しいようです。

そんなんロジック立てて説明できる方がおかしくね?

本当に厳しいということだけで終わったプロセスの話ですが、実際は、出資案件を通したい人とそれが本当に投資に値するかどうかを見る人、の二つのサイドに分かれて、チーム内で議論の中身を研ぎ澄まし、最終的な合意に至るように進めて。で、ここで思うわけです。

いや5年後10年後にこの企業が絶対伸びてる、なんて誰も知ったこっちゃないやん、、、しかも自分が思っててもそれうまく説明できないしな、、、どうやって説明するんだ、、、

ここの壁を乗り越えて、最終的な出資という意思決定の合意を得た人のみが実行できます。これはあくまで個人的な感覚ですが、多くの場合の判断軸は、論理的な正しさ、そしてその論理に用いられている内容の確からしさ、この二つに集約されると思うので、ひたすらにそれを詰め続けるという作業が求められます。そのためには当該領域の専門知識だけではなく、金融や、そもそもの経営、事業に関する知識が必要だったりします。多少の偏りはあれど、様々な業界出身者が集っていたり、採用条件にも、熱意やたまにスキルも求められるのはこう言った理由によるのかなと感じています。

うーん、論理的に説明できるところって、既にみんなが知っているしリターン小さいから出資してもあまり効率的ではない?

ここがキャピタリストというかファンドを運営する人間として一番難しそうだなと思ったところで、これがファンドによって様々な戦略がある理由だと思います。スタートアップには資金調達シリーズや、業種、将来のビジネスプランなど様々ありますので、その戦略に合ったスタートアップへ出資して、ポートフォリオマネジメント的に考えていく必要があります。その上で、上記で言っているような旨みの小さい(リターンの小さい)案件も必要なんじゃないかと思った次第です。

かと言って、まだ出来上がるかわからないマーケットにいるスタートアップもなかなか説明難しいしな、、、

そうなんですよね。所謂DeepTechと言われている領域とか、海外にはあるけれどもそもそも日本にまだマーケットが出来上がってないものとか。これを通すのは、キャピタリストの腕かなと思うので、ものすごく興味が湧きました。やはり、担当者の熱意はベースとして重要と思うのと、最終決定を行うのは人間なので、周囲を動かしながら意思決定を推進する動き方というのはある程度必要なのかなと、思ったりしました。

すごいキャピタリストってどんな人なん?

まーでもぶっちゃけわかんなくないすか。と、思ってしまっています。基本的には担当者個人がその案件の担当をしたという実績を持つわけですが、その実績は出資先のEXIT(上場とかどこかに買収されたとか)の実績だとか、運営しているファンドのリターンによって決まるわけで。この二つの実績というか能力はもしかしたら違うかもしれないですが、その時のタイミング含めて様々な要素が複雑に絡み合って、周りから見るとほぼ偶然と思われるくらいの確率でそこまで辿り着いている場合も少なくないかなと思うので。ただ、言わずもがなこの二つで圧倒的な結果を残している人はすごい、それはそうみられる面があって然るべきだと思います。

成功している人にはやはり型みたいなものがあるんじゃないかなと思っています。例えば人がめちゃくちゃ大事なんて話も聞きますが、そこでのフィーリングとか、そういう天性的なものもある程度大事なんじゃないかなと。全てが正しく言語化できると、みんな同じになっちゃいますよね。自分の軸をしっかり持ちながら、それをアップデートしていく。これをやはり愚直に繰り返していく以外ないですよね。

まとめ

優秀な人もいるし熱意に溢れた人たちの相手をしながらするし、非常に面白そうな業界だと思いました。いかに、自分の想像できない未来を信じることができるか、それを正解にしていく覚悟を持てるか、これが全てかなと思った次第です。

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