訳もわからないくらいの感動

約1ヶ月ぶりに出勤した。

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多分世の中でみたら全然大したことはないけど、自分にとっては初めての病気経験になって、いろいろなことが不安でたまらなかった。

甲状腺の病気は、一生ものだろうし。またこんな症状を繰り返すかもしれないだろうし。
今の仕事はかなり体力仕事な側面があるから、転職も考えるべきだろうし。

自分は身体が弱い、ってことを突きつけられると、うすうす分かっていたとはいえショックなものだ。

楽しみだった予定を断って、行きたかったライブのチケットも売って、1ヶ月、"なんにもない暮らし"をしてみた。

お陰様でもともと好きだったゲームにはすっかり打ち込めた。ゼノブレイド、まじ面白いゲームだったな、やっぱり。

外に出た、ときちんと言えるのは、病院に行った3回だけか。

仕事は毎日本当に憂鬱だった。外勤の仕事、それも現場が第一の仕事を、テレワークでできるもんか。能動的に考えなきゃいけない仕事なのに、受けたことしかやらない人間になった。能動的になんて、外出もできないのに考えられるもんか。
リアルの現場で起こることを、バーチャルだけで処理して何か提案するのは、限界があるのだ。
でもずっと、こんな気持ち言い訳だろうな、と思ってずっとモヤモヤしていた。今もしている。

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久しぶりに会社に行くのがとても楽しみだった。
大好きな同期や先輩に会って、他愛もないことを話したいから、外に出れば、少しは仕事のやる気も出るだろうから。

病気のせいでちょっと痩せてしまったから、パンツを履いたらゆるくて、ベルトを通す輪っかのないパンツなのに、無理やりベルトしてみた。

外にでると、太陽の光がいつになく眩しく思える。時々、コンビニに行くだけでもそう思っているけど、今日は天気がいいから余計に。

朝から頭の中で少し鳴ってた、
オープンカー/家主
を聴こうと思って、ワイヤレスのイヤホンを耳にはめ込む。

オープンカー、めちゃめちゃいい曲なんだよな。王道パワーポップの音で、なるようになれという、少しのやけっぱちと、たくさんの明るさや希望を感じられる曲だと思う。

眩しい光と、眩しい音と、今、目的地をもって歩いていること。
訳もわからないくらい、感動した。

それは、心と身体に、1ヶ月分溜まりに溜まっていた垢が落ちるようでいて、一方で、何もない砂漠に急に雨が降ったようでもいて、
空っぽになることと、いっぱいに満ちることが同時に感じられるような感動だった。
上にも下にも右にも左にも、心が動いているような感動。

嬉しいのか悲しいのか怒っているのか、よくわからないけど全てに感動して、涙が止まらなくて、頭が痛くなるくらい、電車に乗ってからもポロポロ流してた。

イヤホンをつけて出勤するという、あまりにも日常的で当たり前のことが、こんな感動を喚起するとは思いもしなかったので、
あまりの衝撃で、会社についてから働きもしないで、スタバに来てそれを記録してみている。

びっくりしたな、自分の中のモヤモヤが、こんなに大きかったとは。当たり前のことが、こんなに貴重だったとは。

たかが1ヶ月まともに外出してなかっただけなのに大袈裟だなとつくづく思うけど。

身体には気をつけなくちゃいけないかもしれないけど、心はまだまだ全力で動けるよ、自分。

今日も一日、頑張ろうかな。

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