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心から尊敬できる師を持つ


稲盛和夫氏が塾長を務めていた旧盛和塾には、「追っかけ」と言われた熱狂的な塾長信者が全国には多くいました。全国各地、時には海外で開催される塾長例会を処構わず出席し、直接、塾長の薫陶を受けたいという特段に熱心な塾生たちです。

さてここで疑問になることですが、では彼ら「追っかけ塾生」の会社の業績は伸びたのでしょうか。会社の中で社員は幸せになっていったのでしょうか。財務など経営状況は良くなったのでしょうか。

彼ら熱心な塾生企業の業績、組織力、財務内容は極めて良くなっていました。何故か。そもそも、盛和塾での学びは、稲盛塾長の本を読む、地元の盛和塾月例自主例会に参加する、機関誌を読むといった通り一遍の勉強では足りません。頭で理解することと、腹から理解することの差です。盛和塾では、そのことを「学びを血肉化する」と言います。

結論から言えば、追っかけ塾生は、生の稲盛和夫塾長に会う回数を増やし、塾長と実際に会話することで、稲盛塾長と同化していったのです。稲盛塾長の生の言葉を浴び、一挙手一投足を凝視することで稲盛塾長の考えや行動原則を血肉化します。ある意味、稲盛和夫の生き写しのようになったのです。

「経営学は学ぶことは出来ても、本物の経営は学べない」という言葉があります。しかし、盛和塾での稲盛塾長の追っかけ塾生の姿に、本物の経営を学ぶ術を見つけることが出来ます。ある意味、日本の伝統芸能を学ぶ姿、多くの時間を一緒に過ごし真似をしながら学びとっていくことと同じではないかと思いました。

これから本物の経営を学ぼうとする次世代経営者は、どういう行動をとれば良いのでしょうか。

まずは、自分が心の底から尊敬する哲学者、名経営者、先輩経営者を見つけることです。そのためには、多くの経営者に会う機会を作らないといけません。また、多くの人の書籍や情報を接しなければなりません。「私が尊敬する人は、この人だ!」と惚れ込むことの出来る人を見つけなければいけません。

そして、その人とある意味、一緒に多くの時間を過ごすのです。現在実在しない経営者であれば、書籍、音声、映像などを出来るだけ長い時間にわたって視聴することです。繰り返し、繰り返し。スマホとイヤホンでどんな時でも講話を聴き続けてください。実在の経営者であれば、とにかく時間をとってもらって多くの時間を作っていただき、経営報告をしながら問答を繰り返すことでしょうか。きっとあなたの中で、何かが変わります。各種経営者セミナーに行く、経営コンサタントに指導を受けることとは違う、自身の経営者人生を変えるような貴重な経験になるはずです。

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