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新潟大賞典 2021【予想】

新潟大賞典 過去

春の新潟を飾るハンデ重賞。時季的なこともあってか例年でも高速馬場になることは稀だが、今年は福島コースが使用できなくなったことから急遽代替開催されることになったことで連続開催。
週末が雨にたたられることも多く、馬場状態は悪い。

昨日のメイン、リステッド競走の谷川岳ステークスが1分33秒9の勝ち時計でやはり時計が掛かっており、極端に内を空けて走る傾向も見られた。

ハンデ戦ではあるが、53kg以下の軽量馬はこの5年で3着内に1頭も入っておらず、ほとんど54kg〜57.5kgの間で収まっており、昇級初戦の馬でも通用してしまうレース。実際に直近の2年で昨年がワンツー決着、一昨年も1・3着と軽量を活かしている。


①ボッケリーニ(▲)

デビュー戦の後、骨折が判明して初勝利は3歳7月までずれ込んだが、以降は3勝クラスでやや足踏みこそありながらも掲示板を外すことのない安定感のある走りを続けて約1年でオープン入り。

昇級初戦となった昨夏の小倉日経オープンは勝負処でやや反応が悪くなりながらも、最後の直線では大外から脚を伸ばして後にエリザベス女王杯で好走するサラキアの2着に好走。続くカシオペアステークスでは最速上がりをマークして半馬身差の2着に好走、暮れの中日新聞杯では初の2000mの距離ながら高速馬場にも対応してメンバー最速33秒5の上がりで重賞初挑戦で初勝利を飾った。

重賞連勝を狙った前走の小倉大賞典では惜しくもハナ差だけ涙を飲んだが、勝ち馬とも0.5kgのハンデ差があった57kgを背負って最速タイの上がりで2着ならば負けて強しといえる内容。

オープン入りを決めた江の島ステークスは不良馬場での快勝で、荒れたインを突いたカシオペアステークスからも時計の掛かる荒れた馬場は歓迎。

②サンレイポケット(⋯)

重賞初挑戦となった昨夏の新潟記念はレース上がりが33秒1という中でメンバー3位の上がり32秒4で3着。
距離不足の懸念もあった秋の毎日王冠でもサリオスの直後となる5番手の位置を積極的に取りに行きながらメンバー3位の上がりで3着と連続好走。

続くアルゼンチン共和国杯は道中ぶつけられる場面に直線では馬場の悪い内側に押し込められながら6着に踏ん張っており、年明けの日経新春杯も0秒3差の4着に渋太く粘っている。
確勝を期した前々走の白富士ステークスでも出遅れて後方からの競馬になりながら、メンバー最速33秒7の上がりで追い込んで0秒1差の2着に好走して、6着に敗れた前走の金鯱賞にしても僅か0秒2差。

右回りの【1.2.1.3】に対して、左回りは【3.2.2.3】と得意にしており、オープン入り後は直線の長い左回りに絞って使われていることで、毎回しっかりと自身の末脚を発揮している。

もうひと押しが足りずに勝ち切れない競馬が続いているが、相手関係は楽になる上にハンデも55kg。
今の荒れた新潟の芝も、年明けの日経新春杯で対応できており、緩い馬場は歓迎で道悪なら尚良い。

テンに速いわけではないため差しが利く馬場であれば好走の可能性は高まるが、点数を考えると、今回も惜しくも掲示板までと見てバッサリ。

③バスカヴィル(⋯)

昨春の復帰戦から1800mに延ばして2着→1着→1着と連勝でオープン入りしたが、一息入れての重賞初挑戦となったエルムステークスで12着に敗れてから大敗が続く不振に陥っている。

昨春の丹沢ステークス(ダート2100m)後に騎乗したルメール騎手が「距離はもう少し短い方がいい」とのコメントを残していた中で、陣営は不振脱出のために目先を変えて芝の2600mを前走使ったが、2秒2差のシンガリ14着に大敗。

ブリリアントステークスを除外されたことで回ってきた一戦では厳しいレースになりそう。

④トーセンスーリヤ(⋯)

一昨年の暮れに2勝クラスを卒業すると、3勝クラスも2着→3着→1着としてオープン入り。
重賞初挑戦となった昨年の本レースはそれまで実績に乏しかった2000mの距離までクリアしての勝利。

勢いに乗って挑戦したGⅠ宝塚記念はメンバーレベルも跳ね上がった中で果敢にハナに立ったが、勝ったクロノジェネシスにマクられたことで先行勢が壊滅したことを考えれば度外視してよく、続く札幌記念にしても6着に敗れているが、緩さがあって復調途上の段階での敗戦と陣営は悲観していなかった。

前々走の中山記念は実績のある1800mではあったが、約半年ぶりの休み明けにレコードタイとなった高速決着では厳しかったはずで、一転して不良馬場に見舞われた前走の福島民報杯は極悪馬場に終始手応えが悪く度外視できる大敗。

好走に条件のつく馬だけに昨年の勝利以降は凡走が続いているが、今回は昨年に重賞初勝利を飾った舞台。馬場も高速馬場でもなければ道悪でもない、比較的に勝った昨年に近い時計の掛かる良馬場。

条件は揃っているだけに、あとは相手関係と昨年から2kg増えた56kgのハンデだけ。

⑤ムイトオブリガード(⋯)

約4年ぶりのダート戦で13着に終わった前々走の東海ステークスは、昨春の天皇賞を球節の腫れが出たことで回避して以来となる約10か月ぶりのレースとあって脚元の不安を考慮されての復帰戦。
ひと叩きされた前走の日経賞では後方からジリジリ差を詰めて、0秒9差の7着。

7歳馬だが昨年は1戦しかしておらず、その阪神大賞典も出入りの激しいタフな展開を先行して0秒4差の4着に健闘しており、その前年にはアルゼンチン共和国杯で重賞初勝利を飾っている実績馬。

長期休養明け3戦目となる今回は状態の上積みはありそうだが、芝での好走はすべてパンパンの良馬場でのものだけに今の荒れた新潟の芝で、距離も2000mとなると、好走は簡単ではなさそうで、次の目黒記念に向けての叩き台と考えて良さそう。

⑥ヒュミドール(☆)

ダートの中距離で今ひとつの成績が続いたことから、芝の長距離に目先を変えた福島の芝2600mをあっさり快勝したことで路線変更。
GⅡアルゼンチン共和国杯への格上挑戦を除外になったことで1800mのノベンバーステークスに出走することになったが、メンバー最速の上がり33秒4で馬の間を割って突き抜ける快勝。

ステイヤーズステークスではメンバー2位となる上がりを使って0秒6差の5着、続く前々走のダイヤモンドステークスでも55kgのハンデを活かして5着と長距離重賞でも連続して健闘を見せたが、最後に甘くなってしまうことから距離を短縮した前走の日経賞では中団からメンバー3位タイの上がりで0秒6差の4着。

先着を許した3頭が、先週の天皇賞を勝ったワールドプレミアに、カレンブーケドール、ウインマリリンと3頭とも掲示板に載ったことからハイレベルな一戦であったことは間違いないが、その3頭は前哨戦としての出走で、本馬は3着ワールドプレミアから2馬身半も離されており、逆にジャコマルにアタマ差の先着とも捉えられるもので過大評価は避けたいところ。

折り合い面に不安のないことから長距離路線を使われてきたが、実際に使われてみると行きたがってしまい前走の日経賞でも1周目で行きたがる面が出ており、昨秋のノベンバーステークス(1800m)での快勝から中距離がベストかも知れない。
新潟の荒れた馬場もダートでも走っているぐらいだから苦にすることはなさそう。

⑦ハッピーアワー(⋯)

3歳時にはグルーヴィットらを相手にGⅢファルコンステークスを勝っているように能力自体はあるのだが、ほぼ確実に発動する出遅れ癖が災いして、以降は11戦連続して掲示板外の凡走続き。

距離延長に、ダートへの挑戦と試行錯誤される中で、いまだ悪癖が改善される兆しも見られず、ここでも厳しいレースが予想される。

⑧バイオスパーク(△)

キャリア23戦目にして初めての重賞挑戦となった昨夏の函館記念は差し馬による決着となるタフな展開の中でも好位から勝ちに行って0秒3差の3着に好走。
昨秋のGⅡ京都大賞典では2400mの距離もあって最後は止まってしまったが、どちらも始動戦だったとはいえグローリーヴェイズやキセキといったGⅠ馬らを相手に正攻法の競馬で0秒6差に善戦。

【3.3.3.4】と得意していた2000mへの距離短縮に、池添騎手を確保して必勝体制を敷いていた福島記念は内枠を活かしたロスなく立ち回った好騎乗もあって、クビ差の接戦を制して重賞初勝利を飾った。

重賞連勝を狙った中山金杯は2kg増のハンデ57kgに、急坂を2回上がる中山2000mで大外枠から終始外々を回る形にバテて10着。
前走の小倉大賞典は前が残る展開を後方10番手からの競馬も厳しかったが、それでも伸びを欠いた形。
持ち時計は1秒更新しており、前半からペースが流れて1分46秒台で決着する展開は厳しかった。

直線の長い左回りより、右回り向きの印象はあるが、下級条件時代で勝ち星こそないものの【0.3.1.2】
時計が掛かりそうな今の荒れた新潟の芝はプラスになりそうなだけに、11番人気なら穴で期待したい。

⑨サトノエルドール(◎)

1勝クラス→2勝クラスを連勝後も、サトノソルタスやシャドウディーヴァ、オセアグレイトら後の重賞好走馬を相手に3勝クラスでも差の競馬で【3.4.6.0】と、勝ち味に遅いながらも堅実に走っていたが、昨春の迎春ステークスを最後に掲示板外の凡走が続く不振に。

ブリンカー着用が功を奏して鮮やかに復活勝利を挙げた前走の美浦ステークスでは、出遅れながらも早々にポジションを上げて向正面では4番手外。4角では先頭に並びかける勢いで、そのまま押し切った。

勢いに乗って初の重賞に挑むが、新潟2000mは1勝クラスで好位から33秒2の最速上がりで勝利を飾ったこともある舞台。
当時とは馬場状態も違うが、管理する国枝調教師は「時計の掛かる馬場も苦にしない」と語っており、美浦ステークスを好位から押し切って勝利しての臨戦は昨年の勝ち馬トーセンスーリヤと同じ。

7番人気なら、今年の東京新聞杯で待望の重賞初勝利を飾った3年目の菅原明騎手に期待してみる。

⑩ポタジェ(☆)

ルージュバックの半弟で、デビュー勝ち後は2勝目がなかなか遠く、クラシック出走まで届かなかったが、5戦目で1勝クラスを卒業してから一気の3連勝でオープン入りを果たした。

昇級初戦の白富士ステークスで追い出しを待たされるロスがありながら、重賞常連のサンレイポケットを抑えて4連勝を飾って初めて重賞に挑んだ前走の金鯱賞でも一線級のメンバーを相手に0秒1差の3着に好走。

相手はいずれも1kg重い斤量を背負った前哨戦仕様ではあったが、グローリーヴェイズに競り勝ち、キセキの追撃を凌いでの好走は濃い内容。
重馬場だった生田特別ではしっかり走れていたように悪化した馬場を苦にすることもなかった。

これまでのキャリア9戦中6戦で最速上がりを使っており、残りの3戦も2位〜4位の上がりと一定の決め手も備えている。

今回はメンバーの落ちるローカル重賞を狙って確実な賞金加算を目論むが、GⅠの裏開催でデビュー4年目の西村淳騎手へと乗り替わりにもなる一戦。
金鯱賞で待望の重賞初勝利を飾ったが、当時は逃げる戦法がハマった形。今回は本命馬として自ら勝ちに行くことが求められる一戦であり、取りこぼしも。

⑪ダノンマジェスティ(○)

皐月賞馬アルアインの全弟として2016年のセレクトセールにて2億3,760万円で取引された期待馬ながら、
気性の若さが災いして春のクラシックは不出走。

一息入れられて古馬との初対戦となった木曽川特別を荒削りな内容ながら、2着馬に騎乗していた川田騎手からも「着差以上に強い」と評価される快勝だったことで菊花賞も期待されたが、脚部不安で長期休養へ。

約2年4か月ぶりとなった復帰戦では押し出される形でハナに立ったものの前半に力んでしまうところは相変わらず。最後にクビ差だけポタジェに交わされたが、3着馬には3馬身半差をつけて、最後まで粘ったように地力の高さは見せた。

続く寿ステークスは出遅れて4角でも最後方と厳しい状況から、次位より0秒5も速いメンバー最速上がりでアタマ差まで迫って見せると、前走の但馬ステークスでは2番手から序盤に口を割って頭を上げる場面もありながら、最後は地力の高さで押し切って待望のオープン入りを果たした。

クセの強い馬だけに、乗り慣れた和田竜騎手へと手が戻ることはプラスでハンデも55kg。

⑫ニシノデイジー(⋯)

もともと2000m以上の距離で【0.0.1.8】としていた中で先行勢に厳しかった昨春の目黒記念でのシンガリ負けこそ度外視できるが、続く函館記念でも1秒7離された13着に大敗。
2歳時は重賞連勝を含む【3.1.1.0】とクラシック候補にも挙がるほどの活躍も、3歳以降は【0.0..0.10】と一度も3着以内の好走ない厳しい結果が続いている。

初のマイル戦に活路を見出したかった前走の東京新聞杯は、流れにこそ乗れたものの直線では伸びることなく13着に大敗。
約6か月半ぶりの休み明けだったことを差し引いても案外な内容で、続戦することなく休養に。

再び中距離に戻して復活を図るが、成長力に疑問もあるだけに今回も様子見とする。

⑬マイスタイル(⋯)

一昨年は京都金杯での2着を皮切りに本レース3着、夏には函館記念で重賞初制覇、秋にはスワンステークス3着好走と飛躍の一年と言える活躍ぶり。

マイルチャンピオンシップでもインディチャンプから0秒4差の4着に逃げ粘る健闘を披露したが、続く阪神カップから一転。13着に大敗すると、休養を取って立て直しを図った翌年の阪急杯でも12着と続けての二桁着順に沈む結果に終わった。

昨年のダービー卿チャレンジトロフィーでも14着に敗れたが、レース前から豪州遠征に向けての検疫で東京競馬場での在厩から中止による調整面での狂いもあってか10kg馬体が減っており、レースでも大外枠から57.5kgのハンデを背負ってペースが流れていた先行集団に突っ込む無謀策もあった。

休養期間中に裂蹄もあって1年ぶりのレースとなった前走のダービー卿チャレンジトロフィーでは果敢にハナに立って0秒4差の4着。
差し馬がワンツー決着した中で見せた粘り腰は復活を期待させるもので、2000mの距離も函館記念を勝った実績がある。

ただ、前走から中4週となる今回は反動も心配なだけに様子見とする。

⑭サトノソルタス(⋯)

昨春の金鯱賞ではサートゥルナーリアより前の3番手を取って、勝負処から前の2頭に並び掛ける積極的な競馬で0秒3差の2着に好走。

間隔の詰まっていた大阪杯は馬体も10kg減らして万全のコンディションではなかったと思われる一戦で、約8か月ぶりの中日新聞杯ではフルゲートの大外枠で後方からの競馬になりながらも0秒7差の7着。

前走の日経新春杯はスタートで出遅れた上に直線でも前が詰まる不完全燃焼ながら0秒7差の5着と、暮れに復帰してからの2戦は厳しいレースが続いているが、
中10週以上の間隔で2200m以下なら【2.2.1.1】と、好走を期待できる条件が整ったかに思えたが、

これまでのキャリア11戦でメンバー3位以内の上がりを使ったレースは3度だけ。
決め手のあるタイプではなく、立ち回りの巧さで勝負したいだけに大外枠では厳しいように思う。

【結論】
単複 ⑨サトノエルドール

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