見出し画像

CBC賞 2021【予想】

CBC賞 過去

京都競馬場の改修工事で昨年は阪神、今年は小倉での開催。小倉は例年より前倒しての変則開催で3週間の施行後に4週間空けてまた4週開催。

開幕週の昨日は3レースの3歳未勝利戦で1800mでの日本レコード1分43秒8が飛び出すと、10レースの2勝クラス(戸畑特別)ではアグネスワールドが記録した1分6秒5の日本レコードを22年ぶりに更新。

週明けの時点では悪天候も心配されたが、良馬場での施行になりそうで高速馬場への適性を重視する。


①タイセイビジョン(⋯)

2019年のGⅠ朝日杯フューチュリティステークスではサリオスから2馬身半差の2着。
初めて連対を外したNHKマイルカップでは1~2着馬を前に見る絶好の3番手で運びながら直線は前にいたラウダシオンに伸び負けて0秒3差の4着。

昨秋の富士ステークスでは前後半4Fが 45秒4 - 48秒0 という前に厳しい前傾ラップの中、自身より前にいたラウダシオンにまた伸び負けての5着。
同世代のライバルは2kg重い斤量を背負っていただけに成長力を含めて完敗の格好だった。

マイルチャンピオンシップでは中団から直線で伸び負けて14着に大敗を喫したが、年明けの京都金杯では、後にマイラーズカップも勝利するケイデンスコールから0秒3差の4着に健闘。
マイルチャンピオンシップと比較して、緩急の小さいペースだったことや開幕週で内の先行馬有利の馬場も味方した印象は否めないが、噛み合えば古馬が相手の重賞でも好走に手が届く手応えは掴めた印象。

ただ、1600mでは折り合いに気を遣う必要もある分、一戦級相手では長い可能性もあることから1400mへの距離短縮を図った前走の京王杯スプリングカップ。
京王杯2歳ステークスを2歳レコード勝ちした舞台で、鞍上には折り合いをつける技術に定評のなるルメール騎手を迎えたが、チグハグな競馬になって12着。

今回は川田騎手を配して、昨夏の函館2歳ステークス以来となる1200m戦での復活を図るが、激流が当然の小倉1200mへの対応はそう簡単に思えない。
57kgのハンデに、後方からの競馬になりそうな点も含めて3番人気は明らかに過剰に映る。
思い切ってバッサリ消す。

②メイショウケイメイ(⋯)

デビューから2連勝を飾り、GⅠ阪神ジュベナイルフィリーズこそ0秒9差の11着に大敗したが、翌年明けの紅梅ステークスでアタマ差ながらプールヴィルを相手に勝利。続くトライアルのフィリーズレビューで0秒2差の5着に敗れて本番で巻き返しを図ったが、以降は12戦して掲示板に載ることさえない。

もともと小柄な牝馬で陣営としても成長力に物足りなさを感じている現状で、収得賞金の問題から使いたいレースに使えず調整にも苦労しているらしい。
ここでも好走は難しいだろう。

③ファストフォース(○)

中央での勝利が挙げられずに門別に移籍したが、門別で実績を積んで中央に戻ると1勝クラス→2勝クラスを連勝を飾った。

4月からコンスタントに使われ続けてきた蓄積疲労に14kg増えた馬体が苦しかったのか3勝クラスで凡走が続いているが、今回は18kg減と絞れた。
約8か月半ぶりの実戦が重賞初挑戦と楽な条件ではないが、ロードカナロア✕サクラバクシンオー。
8番人気なら穴で期待したい。

④クリノアリエル(⋯)

44戦のキャリアを誇る6歳牝馬で3勝クラスでの足踏みが続いているが、前々走の淀屋橋ステークスで後方から最速上がりでビオグラフィーに0秒1差まで迫っており、展開が向けば通用して不思議はない。

ただ、今回は開幕週で前が止まりにくい馬場であり、追い込んでも掲示板までと見る。

⑤クーファウェヌス(☆)

典型的な夏馬で、7〜9月の暑い時期は【2.1.2.1】。
小倉に限れば【1.1.2.0】。
昨夏の1勝クラス卒業は1分7秒6の勝ち時計で、高速馬場への適性も上位。

約3か月ぶりの休み明けで重賞初挑戦になるが、中8週以上のローテーションでは【3.0.3.1】。
51kgのハンデで9番人気なら穴で期待したい。

⑥ビオグラフィー(◎)

シルクレーシング所属のロードカナロア産駒で、1勝クラスを勝ち上がるまでに6戦を要したが、年明けの昇級初戦以来となった前々走の豊橋特別を18kg増の488kgで復帰すると不良馬場の中を逃げ切って完勝。

中1週で挑んだ前々走の淀屋橋ステークスも好位から差し切って連勝でオープン入りを果たした。
これまで挙げた4勝中、3勝が道悪で高速馬場への対応も問われた前走の京王杯スプリングカップは無理なくハナを奪うと、最後まで粘って0秒3差の5着。
前が残る展開であったことは確かでも、重賞初挑戦で掲示板確保なら上々の内容。

激流の小倉芝1200mでは2戦とも掲示板外に敗れているだけに、適性は気になるところだが、高速馬場への適性と先行力を信じて賭けてみる。

⑦プリカジュール(⋯)

2勝クラスを卒業してからは障害レースと並行して、平地競走でも3勝クラスへの挑戦を続けているが、3着内の好走はまだなく、芝のレースも【0.0.0.4】

最軽量49kgのハンデでも厳しいように思う。

⑧メイショウチタン(⋯)

2勝クラスは一発で卒業を決めたものの、3勝クラスで足踏みが続いていたが、5度目の挑戦だった年明けの豊明ステークスを勝ってオープン入り。

雨中の重馬場が味方したと見る向きもあるが、2歳時には1分20秒5の好時計で未勝利戦を卒業しており、それまで阪神1400m【3.1.0.3】、その他【0.0.1.7】としていた中で初めて阪神以外で挙げた勝利。

最も得意としていると言える阪神1400mを舞台にした阪急杯は中団から0秒6差の6着。
自身より前にいたレシステンシアやミッキーブリランテにも劣るメンバー8位となる34秒1の上がりは厚い壁に跳ね返された格好であるが、レコード決着の中、持ち時計を1秒近く縮める1分19秒8の好時計で走っており、叩き台だったとはいえインディチャンプと僅か0秒2差は大健闘といえる内容。

1600mのダービー卿チャレンジトロフィーに1200mの鞍馬ステークスでは着外に敗れたが、前走の安土城ステークスではクリノガウディー、シヴァージに続く3着に好走。芝1400mは【4.1.1.5】とやはりベスト。

今回は【0.0.0.4】の1200m戦。前々走の鞍馬ステークスではクリノガウディーから0秒6差の4着に健闘はしているが、激流の小倉で高速決着となるとさすがに厳しいように思う。

⑨ヨカヨカ(▲)

新馬戦→フェニックス賞と一般馬相手に連勝を飾り、ひまわり賞では2歳牝馬どころか、牝馬としては生涯背負う機会がまずない57kgの酷量を背負いながらも悠々と逃げ切って3馬身半差の完勝で無傷の3連勝。

ひと息入れた秋初戦のファンタジーステークスはテンから意外に遅く中団からの競馬。
消耗戦ラップで差し馬向きの流れになったが、直線で追ってから伸び負けて0秒4差の5着。

暮れの阪神ジュベナイルフィリーズでは果敢に先手を取りに行く競馬。それほど速いペースではなかったがラスト1Fまで先頭をキープすると、交わされてからも渋太く粘って0秒4差の5着に健闘してみせた。

今年初戦のフィリーズレビューは好位から渋太く粘って2着。ファンタジーステークス以上に厳しい消耗戦ラップを考えれば負けて強しの内容だったが、前々走の桜花賞はブービー17着に大敗。
出遅れてポジションを取りに行くまでのロスに加えてメイケイエールの暴走に絡まれた不運も確かにあったが、4角では手応えがもう怪しくなっており、軽度の外傷により最終追い切りを木曜にスライドした影響も少なからずあったのかも知れない。

マイル路線を諦めて適距離である1200m路線に矛先を向けた前走の葵ステークスは出負けしながら、直線で馬群を捌いて追い上げる好内容。ハナ差だけ届かずに2着に敗れたが、初の左回りにも対応して収穫の多い一戦であった。

熊本県産馬初のJRA重賞制覇に挑戦する今回は2戦2勝の小倉1200mが舞台。中間はゲート練習を強化して、当日はメンコを着用する予定。
コンスタントに使われ続けているが、1週前追い切りでは坂路で4F 49秒6 の一番時計を叩き出しており、50kgなら和田竜騎手の騎乗が難しくなったハンデも陣営が想定していた通りの51kg。

前々走で2着に好走したフィリーズレビューも勝ったシゲルピンクルビーを含めて次走成績が散々で低調なメンバーだった可能性もあり、前走の葵ステークスもそれは同様。
夏開催でGⅢになった2006年以降は20頭もの3歳馬が出走しているが未勝利。2009年エイシンタイガーと2010年ダッシャーゴーゴーの2着が最高着順となっており、クラシック路線の激戦から日が浅いこの重賞は3歳馬にとってはハンデ差があっても簡単と言えない舞台。過去10年でも3歳馬は【0.0.0.15】

⑩アウィルアウェイ(☆)

昨秋のマイルチャンピオンシップは距離が長かった上にスローペースからの瞬発力戦、前々走のオーシャンステークスは元から前哨戦仕様の仕上げで苦手としている稍重、前走の高松宮記念では重馬場。二桁着順に連続して敗れている近3走の敗因はいずれも明確。

ムラのある戦績に映るが、良馬場の1400m以下に限れば【3.1.2.1】と崩れておらず、昨秋のスプリンターズステークスは最優秀短距離馬グランアレグリア、後に香港スプリントを勝つダノンスマッシュに次ぐ3着と展開がハマったにしても断然の実績。

寒い時期にも勝利を挙げているが、6~8月の暑い時期は【2.0.1.2】。昨年は稍重の北九州記念で3着に好走し、そのままGⅠスプリンターズステークスでも好走。気温の上昇に合わせて調子を上げているようで、今回は待望の良馬場での1200m。

昨冬のシルクロードステークスは休み明けでの勝利で燃えやすい気性だけに久々でも力を出せるタイプ。
開幕週で前が有利であることは確かで、実質トップハンデを背負って3歳馬とのハンデ差は楽ではないが、地力は断然。

⑪ピクシーナイト(⋯)

デビュー当初から福永騎手がその将来性に期待を寄せていた馬で、まだ余裕があった状態での初陣となった中京1400mを最速上がりで快勝。

秋明菊賞は出遅れ→リカバリー→抑えるとチグハグなレースとなって0秒4差の3着に敗れたが、巻き返しを図ったシンザン記念はスタートが無事決まったことで果敢にハナに立つ競馬。

開幕週の先行有利の馬場が味方したことも確かだが、1分33秒3の勝ち時計は5日前に行われた京都金杯とは僅か0秒2差で1000m通過も0秒4速かっただけ。
2着のルークズネストはファルコンステークスを、3着バスラットレオンはニュージーランドトロフィーを勝利してレースレベルの高さを証明。

前哨戦で控える形も考えられたアーリントンカップはスタートが良かったことからハナに立つ形。重馬場を苦にすることもなく、マイペースでの逃げが叶ったが最後に差されて0秒4差の4着に敗戦。

本番の前走NHKマイルカップでも、大外枠から果敢にハナを奪ったが、ワンペースな面がある本馬にとってさすがにスピードだけでは乗り越えられずに、直線で失速して12着に大敗。

主戦の福永騎手も「GⅠを取るなら1200m」と話して、スプリント路線に矛先を向ける初戦。約2か月ぶりのレースが初の1200mになるが、高速馬場の前走は前半3Fが33秒7。激流の小倉1200mならハナに立つ形にはならないだけに我慢が利くかどうか。
陣営としては秋の大一番に向けて慣らしておきたい考えで、追走でバタバタになるリスクはあるはず。
2番人気なら思い切ってバッサリ切って勝負。

⑫メイショウカリン(⋯)

後方から末脚に賭ける馬で小倉1200mは【2.1.1.2】と好相性。3勝クラス卒業も前後半3F32秒6-35秒7の激流を4角ほぼ最後方からメンバー2位の上がりで差し切っており、舞台としてはベスト。

ただ、基本的に時計の掛かる馬場を得意にしており、1分8秒台の決着でないと厳しく、51kgのハンデでも高速馬場では難しいレースになると見る。

⑬ノーワン(⋯)

フィリーズレビュー勝ち後は競走中止を含めて16戦も連続で着外。
阪神開催だった昨年のCBC賞は最速上がりを記録して6着も0秒9差。前走のパラダイスステークスでもメンバー最速タイとなる32秒8の脚で追い込むも、0秒8も離された9着。

要はとても届かない位置から上がりだけ脚を使う競馬を続けている現状で、激流の小倉芝1200mでの一変を期待するのは酷。
東京遠征後に連闘で小倉への長距離輸送は、刺激を与える狙いがあるようだが、そこではないように思う。

【結論】
本命 ⑥ビオグラフィー

ワイドBOX:③⑤⑥⑨⑩

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?