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ユニコーンステークス 2021【予想】

ユニコーンステークス 過去

ダートでは初めての世代限定重賞で、舞台となる東京1600mは3歳のこの時期には芝スタートからの激しいポジション争いに、追走でも脚を使って最後の直線もスピードを維持する必要があるタフなレース。

前半1000mは59秒台は当たり前でそのまま最後まで脚を持続させる前傾ラップが傾向で、勝ち時計も過去5年すべて1分35秒台。スピードだけでなく維持するスタミナも含めた総合力が求められる。

2015年ノンコノユメから昨年のカフェファラオまで過去6年の勝ち馬すべてがその後にGⅠ馬になっているほど毎年レベルが高いのも、前半から流れるレースを勝ち切れる実力が後のG1馬を輩出する出世レースに繋がっているのだろう。


①ゲンパチフォルツァ(☆)

母アイラブリリが芝1200mで全5勝を挙げたスプリンターで当初の見立ては短距離向き。
実際に中山ダート1200mで2勝を挙げていたが、前走の青竜ステークスは1000m通過59秒4の速いペースを2番手から押し切る強い内容。

勝ち時計の1分36秒1は良馬場としては優秀で、行きたい馬を行かせて直線では追い出しを待つ余裕もある完勝だった。

操縦性が武器で馬混みや砂を被っても苦にしないが、前走の有利な大外枠から今回は最内枠。芝スタートの内枠だった前々走の端午ステークスでは外の馬に前に入られて後ろからになって4着。

今年1月のデビューから早くも7戦目になるが、管理する堀井調教師は「一戦ごと、いや週ごとに良くなって充実している」とデキ落ちはないとして、過去の青竜ステークス勝ち馬は【1.2.2.1】

テン乗りとなる木幡巧騎手が最内枠で上手く力を出し切れるかになるが、5番人気なら妙味は十分。

②スマッシャー(⋯)

芝の1800mを使われたデビュー戦、ダート替わりに1200mへと一気に距離を短縮された2戦目と大敗したが、ダート1400mでの連続2着から5戦目で7馬身差の圧勝で初勝利を挙げると、続く1勝クラスも連勝。

前走の端午ステークスでは、メンバー最速の上がりを使って0秒2差の3着まで追い上げた。
昨夏のデビュー時は454kgだった馬体は7戦目の前走で470kgまで増やしており、パワーアップは顕著。

デビュー3戦目から騎乗している坂井騎手も当初は抽選対象となる可能性があった中での意欲の東上。
クラスが上がって道中の位置取りが下がっているように距離延長がプラスに動く可能性もあり、休み明けを使われてデキも上向いているはず。

③ティアップリオン(◎)

前走の青竜ステークスでは最内枠で揉まれながらも、メンバー最速の上がり35秒9の末脚で4着に奮闘。

初めての芝スタートで今までの競馬と一転して控える形での競馬になったが、直線で内に切り替えるロスがありながら進路を見つけてからジリジリ伸びており、東京1600mで新味を見せたといえる内容。

元々が叩き良化型だけに使われた上積みはあるはずで2度目の1600m戦で慣れも見込める。
1800mを使われてきた経験に1600mの速いペースを追走した経験が活きると見る。
11番人気なら大穴で期待してみたい。

④ラペルーズ(○)

デビュー戦での惨敗から門別に移籍したが、中央復帰初戦の1勝クラスで2馬身半差の完勝を収めると、続くヒヤシンスステークスを上がり35秒0という次位より1秒も速い別次元の脚を使って快勝。

続く前走の青竜ステークスではスタートから前進気勢がなく11着に大敗。
直後に両サイドからぶつけられたことが影響したのか走る気を全く失くしてしまったようだが、レース前から発汗も激しく、タイムオーバー負けを喫した昨年のデビュー戦と同様に気難しさを露呈した格好。

重賞の舞台で逆襲を狙うが、ヒヤシンスステークスの勝ち時計1分36秒8は同じく良馬場でのレースだった前年のカフェファラオを0秒9も上回る好時計であり、青竜ステークスの1~2着馬はヒヤシンスステークスで5、3着。本来の実力を出し切ることができれば逆転は難しくはないはず。

アテにできない気性だけに内枠を引いた今回は揉まれて気難しさを出す不安もあるが、仮に青竜ステークスを勝っていれば単勝1倍台前半になっていたはずで、ルメール騎手も継続騎乗で単勝4倍台。
未来のGⅠ馬という視点で見た時、筆頭に挙げられるのは本馬のように思う。

⑤イグナイター(⋯)

大井からの参戦馬だが、中央在籍当時のデビュー戦は東京1600が舞台で7馬身差の圧勝。
ただ、当時負かした馬の中で1勝クラスを卒業した馬はいない。厳しいレースになりそう。

⑥クリーンスレイト(▲)

芝の1600mを使われたデビュー戦、ダートに替わった2戦目と連敗したが、3戦目での中山ダート1800mで鮮やかな変わり身を見せて2馬身半差の完勝。

続く前走の1勝クラスは1000m通過が58秒0の超ハイペースを追走、レース上がりを2秒も上回る36秒4の最速上がりで直線ゴボウ抜き。
見た目の派手さだけでなく、勝ち時計の1分36秒4も同日の古馬2勝クラスより0秒3速い。
3着ノーブルシルエットは古馬相手の次走で楽勝しており、5着馬も勝利とレースレベルは高いと見る。

展開がハマったことは確かでも、本馬は約4か月ぶりの休み明け。この中間は短期放牧を挟んで順当に状態は上向いているはずで、鞍上の田辺騎手への乗り替わりは不安材料だが、末脚は侮れないと見る。

⑦ケイアイロベージ(☆)

デビュー前からセン馬になっており、デビュー戦からブリンカーを着用されているように気性的な難しさを抱えていたが、デビュー2戦目に7馬身差の圧勝を飾って未勝利を卒業すると、前走の1勝クラスを3馬身差の完勝で連勝。

1800mの前走でも後方から追っ付けながらの追走で、勝負処でムチが入っていたように東京ダート1600mでどうか。半兄クインズサターンは東京1600mで4勝を挙げて2018年の武蔵野ステークスでも2着に好走。

三浦騎手で3番人気は過剰に映るが、貴重な距離短縮ローテーション。

⑧サンライズウルス(⋯)

デビューから3戦すべてでメンバー最速の上がりを記録。前々走は最内枠で4角ほぼ最後方の絶望的な位置取りから直線では前が塞がる不利がありながらラスト1Fで鋭く伸びてクビ差の2着。

勝ちに等しい2着でまだ底を見せていない魅力を秘めており、特に前々走のラスト1Fの伸びは高い将来性も感じる脚で、追走に苦労している節もあるため距離が延びることへの不安もないが、キャリアの浅さを露呈するリスクもある。

1600m以上の距離経験もなく、5番人気なら思い切ってバッサリ切る。

⑨ブラックアーメット(⋯)

スタートが安定しないことが戦績にも表れているが、ダート替わりのデビュー2戦目からすべてのレースでメンバー3位以内を記録しており、末脚は堅実。

オープン初挑戦となった前々走の昇竜ステークスは出遅れて7着に大敗しているが、初の1600m戦となった前走の青竜ステークスではスタートを決めて中団で流れに乗るとメンバー2位タイの上がりで3着に好走。

距離が延びたことで前進を見せたが、さらにメンバーが強化されて逆転があるかどうか。

⑩プロバーティオ(⋯)

芝を使われたデビューから2戦はいずれも二桁着順に沈んだが、ダート替わりの3戦目で初勝利を挙げると持ち前の先行力を武器に中山ダート1200mで2勝目。

ヒヤシンスステークスでは今回1番人気が予想されるラペルーズから0秒2差の2着に逃げ粘ってみせたが、約3か月ぶりのレースとなった前走の青竜ステークスでは直線で粘りを欠いて5着に敗戦。

休み明けではあったが、ヒヤシンスステークスは中盤にペースが緩んで前が有利であっただけに、ペースが速くなって脆さが露呈した印象。
敏感な馬で揉まれる形を避けたいだけに今回もハナを奪いに行きたいが、外のカレンロマチェンコの動向がカギで先行勢も多数揃っている。

最終追い切りの坂路4F 50秒1は次位アルミューテンが記録した51秒0を大きく引き離して16日の一番時計で状態は前走より上向いていそうだが、逃げ粘りはそう簡単ではないように思う。

⑪ヴィゴーレ(⋯)

まだ準備が整っていない段階だった阪神でのデビュー戦は7着に大敗したが、2か月後の札幌では4角で外に膨れ気味になりながらも最速上がりで差し切り。

重賞初挑戦となった札幌2歳ステークスでは後方から勝負処で5番手までマクる積極策も0秒7差の6着。
続く芙蓉ステークスでは最速上がりこそ記録したが、前との差を詰めるまでには至らず0秒6差の4着。

2か月後の葉牡丹賞は8kg増の馬体にパワーアップも期待はされたが、スタートこそ改善されて3番手から運べたものの伸びを欠いて3着死守がやっと。
続くホープフルステークスは4角で前がごちゃついた際にブレーキをかける形になったことも響いて9着に大敗を喫したが、これは参考外と見ている。

約2か月の休養を経たつばき賞は中団から直線でイン突きを選択すると、鋭く伸びて快勝。
これがキャリア7戦目であったが、レースの上がりが35秒を切る瞬発力戦は新馬戦以来で実質初めて。
自身はメンバー最速の33秒4を記録、馬体も12kg増とデビューから約20kgも増やしてパワーアップも期待されたが、スプリングステークスで15着に大敗を喫すると続く前走のプリンシパルステークスでも10着。

芝での大敗が続いてダートに矛先を向けてきたが、母ヴァイセフラウはダートの1200mで3勝を挙げた馬で自身もピッチ走法で合いそうだが、前走が芝で3着内好走を果たしたのは過去10年でワイドファラオだけ。

ニュージーランドトロフィーを勝っていた同馬と比べると厳しい印象は否めない。

⑫ローウェル(⋯)

芝1600mでのデビュー戦は11着に大敗を喫したが、約3か月後の2戦目からダートに移して3戦2勝。

前走の1勝クラスでは番手から前に行った3頭での叩き合い。ラスト3F 11.8 - 11.9 - 13.5 の減速ラップを最速タイの上がりで押し切る好内容。
ダートに矛先を向けての3戦はいずれも速いペースを前に行って粘る内容で、1600mへの距離延長がカギ。

さらに初の長距離輸送に左回りの東京コースと、乗り越えなければならない課題は少なくなく、昨年のNHKマイルカップの勝ち馬ラウダシオンの半弟で兄同様に東京が得意であっても、簡単ではなさそう。

⑬ピンクカメハメハ(⋯)

函館の芝1800mで初陣を飾って以降は凡走が続いていたが、海外初挑戦だったサウジダービーを3番手から押し切り、サウジアラビアの地で2勝目を挙げた。

転戦したUAEダービーは10着に敗れたが、村上助手は「距離(1900m)が長かった」と距離を敗因に。
ただ、サウジダービーの勝ち時計1分38秒57は平凡でその勝利を鵜呑みにするのは難しい。

厩舎の先輩でもある昨年のサウジダービーを優勝したフルフラットは昨年の本レースで1秒7差の6着。
昨年のフルフラットと勝ち時計(1分37秒91)の比較でも劣っており、手配した鞍上が北村宏騎手では勝負度合いとしてもどうか。

⑭カレンロマチェンコ(⋯)

昨夏に初勝利を挙げてから2勝目が遠かったが、年明けから1勝クラス→昇竜ステークスを逃げて連勝。

約3か月ぶりのレースが重賞初挑戦となるが、課題は初めての1600mの距離。
管理する高柳調教師は「前走は詰めて使っていた分、ピリピリしていた部分があった」と、約3か月の間が空いていることはプラスに働きそうでも距離が延びて上昇があるかとなると怪しい。

高柳大調教師はハナにこだわらない姿勢を見せているが、逃げた際の成績は3戦3勝と崩れ知らずで、自分の形に持ち込むと強い馬。
芝でスピードをつけてハナに立ちたいこの馬にとって今回は有利な7枠。

ハナにこだわらない姿勢の示唆はねじ伏せられるだけのスタミナに自信がないことの表れで、競り合っても共倒れに終わると見ているのだろう。
好位3番手の外から運ぶ形を想定しているが、最後まで脚を伸ばせるかとなると厳しいと見る。

⑮サヴァ(⋯)

夏のデビューから1400mに距離を短縮された2戦目で初勝利を挙げると、4戦目の寒椿賞でオープン入り。

約3か月ぶりのレースだった昇竜ステークスを0秒9差の5着、続く前走の伏竜ステークスは2秒1差の9着に大敗しており、重賞では厳しいレースになりそう。

⑯ルーチェドーロ(⋯)

鮮やかな逃げ切り勝ちを飾ったデビュー戦から、芝に挑戦した2戦目の函館2歳ステークスでもクビ差2着に好走したが、ダートに再転向。

地方交流重賞での3戦はいずれも1秒8差以上も離される大敗が続いたが、中央のダート戦では【2.0.0.1】
着外に敗れた前々走の昇竜ステークスも約3か月ぶりの実戦で出遅れた分、道中で脚を使わされたうえに、上位3頭に対して外を回された中での0秒2差の4着。

前走の端午ステークスは中団から鮮やかに差し切って見せたが、勝ち時計の1分23秒5はペースが速かったといっても同日の古馬3勝クラスよりも速い時計での勝利でスピード能力は高い。

今回は距離延長が課題となるが、新馬戦で函館1000mの高速馬場を圧勝、芝の函館2歳ステークスでも2着に好走するほどのスピードタイプ。
1600m以上はJBC2歳優駿が10着に、全日本2歳優駿が3着と地方の砂が合わないとしても負け過ぎ。

距離が延びても良いようには到底思えず、少なくとも重賞では最後に脚が鈍ると見る。
2番人気なら思い切ってバッサリ切る。

【結論】
本命 ③ティアップリオン

例年なら上位人気馬で比較的堅く収まるレースだが、今年は上位人気馬の不安要素が大きく、馬単ボックスで高配当を期待した。

馬単ボックス:①③④⑥⑦

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