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阪神牝馬ステークス 2020【反省】

阪神牝馬ステークス 結果

前傾ラップの予測は脆くも崩れ、前後半のバランスではイーブン。緩んだ幅こそ小さかったものの、中盤で緩んで4角〜直線入口で一気に加速するラップは例年通り。どちらかといえば瞬発力戦に近いラップで、位置取りだけでなく決め手も問われた。
芝の状態は先週と変わらず、速い時計の出る馬場。

1着②サウンドキアラ

内枠を活かしてラチ沿いの好位5番手から。予想記事でも書いたようにもともと勝ち切れなかっただけで急坂コースも【0.2.4.0】と崩れていただけではなく、平坦コースの京都でより斬れるということ。
ただ、その上で叩き台である今回は直線の伸びに他馬との差が出ると予想したのだが、坂の部分でもきっちり伸びて1馬身半差。5番手からメンバー2位の上がりを出されては他馬はお手上げで文字通り完勝だろう。

昨年のヴィクトリアマイルの敗因は坂ではなく、1分30秒5の決着となった高速馬場。年明けにダイアトニックも勝って昨年のリベンジに挑むことになるが、課題は1分31秒台以上の高速決着になった際の対応に尽きる。

2着⑮スカーレットカラー

出遅れて後方からとなったが、縦長の展開にも慌てず動じず、直線まで我慢を通して馬なりのまま進路が開くのを待って、しっかり追い出したのは正味ラスト2Fぐらい。昨春から示していた通り、上がりはメンバー最速の33秒4で一瞬の爆発力を見せた。
前有利、内有利の中での結果だから結果以上の評価をされがちではあるが、本馬にとっては勝負処で緩んでの瞬発力比べてとなったことは歓迎だったはず。

課題は昨春以降はまだ未知数の締まったペースで同じように脚が使えるかどうか。
今回は16kg増で余裕残しにも映ったので、昨秋に府中牝馬ステークスを勝った東京で行われる本番も展開が向けば大仕事があるかも知れない。

スカーレットカラー 詰まる。

3着⑩ディメンシオン

ハナに立つ勢いだったが、⑫トロワゼトワルが外から来るとスッと控えて2~3番手の内。
ポジションとしてはベストで展開と馬場の恩恵は少なからずあったように思う。
昨秋の京成杯オータムハンデを1分30秒9の走破時計で走っているように軽い芝も良かった。

4着④ビーチサンバ

勝ち馬の直後、最内ピッタリ。上がりがメンバー中3位だっただけに伸びてはいるが完璧だったコース取りに加えて、マークした勝ち馬に上がりの脚でも劣ったことは今回は力負けの格好たろう。
これまでの好走を3着以内とするなら、スローペースの瞬発力戦向きに映るが、ローズステークスは位置取りの差で残れたようなものだし、クイーンカップは少頭数でのもの。
5着ではあったが、昨秋の秋華賞は 58.3 - 61.6 の厳しい前傾ラップを逃げて0秒6差と高く評価していて、実はこの時のように脚を長く使って粘る形がベストなスタイルな気がしている。そうでなければ、ただ器用貧乏なだけなのかも知れない。

5着⑬ダノンファンタジー

勝ち馬のやや前目のポジションで、本来であれば本馬がその勝ち方を期待されていたはずである。
22kgの馬体増はやや緩くは映ったが、ほぼ成長分と思えたし、本命にはしなかったものの、この馬に勝たれてしまうのは仕方ないと考えていたぐらい。

ほぼ完璧と思えるレースぶりに、おあつらえ向きのレース展開であったはずだが、直線での脚色は見るからに今ひとつで平凡な上がり。位置取りの差で5着に残れたといっていい凡走。
今ひとつ敗因を断定しきれないが、前哨戦への仕上げに定評のある中内田調教師が調整を誤ったか。
もしくは本馬のクラシック成績は④⑤⑧着と、クロノジェネシスやカレンブーケドールといった一線級に続く世代の2番手グループで、ただ単に力負けか。

6着⑤リバティハイツ

今回はこの馬としては比較的前目の位置で、⑬ダノンファンタジーを前に見る形。0秒4差とそれほど負けているわけではないが、位置取りの差もあったことを考えると、やはり1400mがベストだろう。

7着⑦プールヴィル

道中は④ビーチサンバの外で0秒1先着されたのは、4角での内外に分かれた分の差。メンバーが落ちればマイルでも通用するかも知れないが、伸びを欠いた以上はやはり【3.4.0.0】の1400mがベスト。

9着⑯サトノガーネット

出遅れて後方から。勝負処で外から進出して直線は大外に持ち出してジリジリと伸びた。
思った程ではなかったにせよ、やはりマイルは距離不足の印象。ただ、今回の距離短縮はピリッとしない近走を憂慮した矢作調教師の戦略というのが個人的な推察で、中距離に戻ってのガラリ一変があるかも。
あくまで推察なので距離延長で買うわけではないが。

12着⑨シャドウディーヴァ

上総ステークスこそ能力の違いで勝てたが、左回り【1.4.1.1】に対して、右回りは④⑨④⑮着。
直線では前が壁だったこともあって、かなり追いづらそうな走り。しばらく右回りでは厳しい。

14着⑭アマルフィコースト

特に問題なくスムーズに2番手を追走していたように見えたが、直線さっぱり。
ここまで崩れる馬ではないだけに敗因が判らない。

15着⑫トロワゼトワル

ハナに立つまでに脚を使ったことは許容範囲。それより4F目で緩いコーナーに入るコース形態から12秒までラップが落ちてしまい、後続を離すこともできないまま4角を迎えてしまったことが厳しかった。
高速馬場と世界レコードに冷静さを失ってしまったが、よくよく考えれば京成杯オータムハンデは後続の無警戒による開幕週の大逃げがハマったもの。
3馬身半差であっても52kgと展開の恩恵によるものだったか。過大評価し過ぎてしまったのかも知れない。

16着⑪シゲルピンクダイヤ

前走に続いて今回も行きっぷりが悪く、気難しさが一層増したようである。デムーロ騎手も諦めたように今回も一応は参考外の一戦ではあるが、気難しい面が解消されない限りは重い印は打てない。

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