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平安ステークス 2021【予想】

平安ステークス 過去

以前はフェブラリーステークスの前哨戦の位置づけだったが、8年前より現在の施行条件に変わり帝王賞の前哨戦にもなるレースとなった。

実績馬の始動戦にもなることから斤量を背負った馬が例年では強かったが、今年はGⅠ級といえる馬が不在。

平安ステークス 斤量別成績

今年は中京での代替開催となるが、急坂を2度駆け上がるタフなコースレイアウトは京都以上と見ており、脚抜きの良い不良馬場ではあるが、スタミナの比重を重視して考えたい。


①ヴェルテックス(⋯)

デビューから【0.7.1.2】となかなか勝ち切れずに地方への転厩も余儀なくされたが、園田で連勝して中央に復帰すると、4戦3勝でオープン入り。

前走の春光ステークスは押して中団の位置を確保すると長く脚を使って差し切り勝ち。
2100mの距離を勝ったことで期待をしたいところではあるが、初級初戦では相手が強そう。今回は様子見。

②アルドーレ(△)

重賞初挑戦となった一昨年のマーチステークスから約1年1か月ぶりの復帰戦となったオアシスステークスこそ1秒差の11着に敗れたものの、続くスレイプニルステークスでは最速上がりで0秒4差の5着まで追い込んで、ロードブレスとはアタマ差まで迫った。

続くジュライステークスは向正面で一気に後方から先頭に躍り出る積極的な競馬で、直線では並びかけられてもかなりの勝負根性を見せて重賞戦線でも勝ち負けを続けているクリンチャーと僅か0秒3差。

昨夏の阿蘇ステークスで小倉1700mらしい早仕掛けの持続力戦をしっかり競り勝ってGⅢシリウスステークスに挑戦したが、0秒6差の6着。
中京コースで出遅れて後方から大外ぶん回しでは最後に止まって当然。

そのシリウスステークス以来、約5か月ぶりのレースとなった前々走の総武ステークスは勝負処からモタついて直線も伸びを欠いて11着に大敗を喫したが、前走のアンタレスステークスでは4角最後方からメンバー2位タイの上がりで追い込んで5着。条件戦時代に同じ阪神1800mで1分49秒2の好時計で走ったこともある【3.1.0.0】で変わり身を示した。

半姉がJBCレディースクラシックを勝ったアンジュデジール、昆調教師も「パワー型で大井とか地方が合うと思うので東京大賞典あたりを使ってみたい」と話しており、2100mの距離を勝った実績もある。
11番人気なら穴で期待してみたい。

③ケンシンコウ(⋯)

メンバー3位タイの上がりで追い込んで3着に好走した昨年のユニコーンステークスに、好スタートに加えて馬が行く気を見せたことで一転して逃げの手に出て、そのまま逃げ切ったレパードステークスも先行有利の新潟1800mで脚抜きのいい不良馬場。

古馬との初対戦となった昨秋の武蔵野ステークスは、レース前から発汗が目立って消耗していた上に掲示板に載った5頭中、3頭が4角10番手以下だった差し決着を4番手からの先行策だけに11着大敗も仕方ない。

東海ステークスで復帰予定が白紙になり、その武蔵野ステークス以来となる約5か月ぶりのレースで初の関西遠征となった前走のアンタレスステークスは後方から回ってくるだけの9着に大敗。

レパードステークスは不良馬場でスピードを活かした1分49秒2のコースレコードでの逃げ切りだっただけに道悪は臨むところだが、2馬身半差をつけたミヤジコクオウがオープンでの好走がまだない中で57kg。
距離経験も含めてスタミナに不安のある今回は様子見としておきたい。

④デルマルーヴル(⋯)

中央の重賞でもレパードステークスでハヤヤッコからクビ差の2着に好走した実績はあるが、この時のレース上がりは38秒6で、以降はほとんど地方交流重賞を使われているようにレース上がりが38秒を超えるようなタフな競馬で浮上する馬。

前走のマーチステークスも中央重賞としては、レース上がりが掛かりやすく39秒0も要するタフなペースになってくれたが、位置取りが後ろ過ぎて届かず大敗。中京1900m替わりは歓迎になりそうだが、よほど展開が向いても厳しいはず。

⑤オーヴェルニュ(▲)

1700m以上の稍重~不良馬場では【4.2.0.1】と抜群の成績を残し、不良馬場の中京1800mを1分48秒9の好時計で勝ったこともあるスピードタイプの中距離馬ではあったが、年明けのGⅡ東海ステークスは逃げたインティが沈む流れを早めに動いて突き放す強い競馬での完勝で重賞初勝利。

昨年4月以来となる1600m戦となった前走のフェブラリーステークスは、本格化前とはいえダート1600mは【1.1.0.3】。2着だった未勝利戦も勝ち上がった際もタイム差のない接戦で、着外が続いた500万下条件では0秒9差→1秒8差→1秒1差と離されており、距離も合わなかった上に、16kgの馬体減も影響があったか13着に大敗。

2戦2勝としている中京コースで再スタートを切るが、初めて背負う58kgの斤量に1900m以上の距離経験もないだけにスタミナの面では少なからずの不安。
それでも冒頭での道悪実績に加えて、その高い能力と先行力を考えれば外しづらい。

⑥ペオース(⋯)

昨夏の1勝クラス卒業から、3か月の休養を挟んで3連勝でオープン入り。
昇級後の2戦は門司ステークス→アルデバランステークスはいずれも12着の大敗続き。

【3.0.0.1】としている休み明けに重~不良は3戦3勝。立て直して巻き返しを図る一戦になるが、距離実績も含めてスタミナに不安も残す今回は様子見とする。

⑦ミヤジコクオウ(⋯)

デビューからダート中距離戦線を歩んで、3歳時には鳳雛ステークス勝利にGⅢレパードステークスでも2着に好走する活躍。
約4か月後の復帰戦から古馬と走るようになったが、これまで5戦して3着内好走はなし。

エンジンの掛かりが遅いズブいタイプだけに1800mでは短いぐらいなのだろう。2000mの距離で乾いたダートだった仁川ステークスでは外々を回りながら0秒4差の4着に健闘しており、ポルックスステークスでは後方から最速上がりで0秒7差まで追い上げていた内容から出遅れてなければもう少し差が詰まっていたはず。

前走のアンタレスステークスでは脚抜きの良い重馬場での1800m戦と、速い時計の決着に最後は止まってしまい7着大敗を喫した。

僅か100mでも起伏があってスタミナが問われる中京1900mへの舞台替わりはプラス。

⑧サトノギャロス(⋯)

ダートの1200mでデビューして、2勝クラスは1400mでの卒業、3勝クラスは1600mで卒業と、キャリアを重ねながら徐々に長い距離にも対応。
前走の吾妻小富士(新潟)では出遅れて後方からの競馬になったが、3角で外を回って進出を開始すると、直線では好位集団の外。直線に入ってその勢いのまま差し切り。メンバー最速36秒0は次位より0秒9も速く着差以上の完勝といっていい内容だった。

1800mの距離も克服して、今回は初の1900m戦。
僅か100mの延長でも起伏のある中京は、新潟以上にスタミナが問われる舞台。
稍重~不良【2.1.1.4】に対して、良馬場【3.1.2.1】。不良馬場の前走を勝ったことで本格化の兆しも見られており、ベテルギウスステークスではここでも人気を集めるオーヴェルニュから0秒1差の3着、上がり3Fは0秒5上回っており今回は2kgの斤量差。

表面的な実績から人気の盲点となればと期待もしていたが、5番人気では妙味に欠ける。
スタミナに不安のある今回は思い切ってバッサリ。

⑨マスターフェンサー(○)

3歳時には米クラシック三冠にも果敢にも挑戦して、帰国してから3戦2勝でオープン入り。
昇級後のブリリアントステークス→スレイプニルステークスはいずれもエルデュクラージュの後塵を拝する2着に惜敗したが、盛岡でのマーキュリーカップから2000mを超える地方交流重賞を3連勝。

前走のダイオライト記念では3角時点でもう手応えが怪しくなって4着に敗れたが、当日は16kgの馬体減。外傷を負って川崎記念→サウジカップというプランが白紙に戻った影響で万全の状態ではなかったはず。

大目標とする帝王賞に向けて仕切り直しの一戦だが、中央の重賞は初挑戦。スタミナはこのメンバーでも上位となる存在だが、2000mを超える地方交流重賞でも中団の位置取りから運ぶ馬だけに差し損ねるシーンは考えておきたい。

⑩ドスハーツ(⋯)

デビュー戦の13着大敗以降は一度も掲示板を外すことのなく堅実に走る一方で、展開に左右さらる脚質から6度の3着惜敗も数えていたが、新人の小沢騎手が騎乗するようになった今春から連勝してオープン入り。

前走も行き脚がつかずに後方からの競馬になったが、次位より0秒8も速い最速上がりで差し切り。
今回と同じ中京ダ1900mで3勝を挙げる舞台巧者で、重賞初挑戦にして初制覇を目論むが、鞍上の小沢騎手としても同期の中で重賞挑戦一番乗りの初挑戦。

連勝時に背負った54kgから2kg増える56kgとなると、展開頼みの脚質では厳しいように思う。
なお、稍重〜重では【2.0.3.2】。

⑪マルシュロレーヌ(☆)

昨年は福島牝馬ステークスやマーメイドステークスの芝重賞にも格上挑戦していたが、良い結果が伴わずにダートに路線変更。
初ダートの桜島ステークスを一発回答で3勝クラスを卒業すると、地方交流重賞路線で5戦4勝の快進撃。
敗れた1戦も地方交流GⅠのJBCレディスクラシックで前が止まらなかった0秒6差の3着。

前走のエンプレス杯では出遅れて後方からの競馬になったが、徐々にポジションを上げて4角では3番手まで浮上すると直線できっちりと差し切った。
着差こそ僅か0秒1差だったが、56kgを背負っていた中で、上がり3Fは次位に0秒9つける最速の完勝。

いずれも牝馬限定戦ながらも、地方交流重賞において快進撃を続けている中で、ダートの舞台では初となる中央重賞への挑戦となる今回。
初ダートだった桜島ステークス(良馬場)で記録した上がり3Fは35秒0。もともと芝で走っていたぐらいで中央に戻ってパフォーマンスの上昇を見込んでおり、牡馬が相手でも例年よりメンバーの落ちる今年なら、好走も可能と見ている。

ダートに転向してから5戦、川田騎手が一度も手綱を手離しておらず、1週前追い切りにも騎乗。
帝王賞を見据えた前哨戦の位置付けかも知れないが、牝馬の域を超えた期待も伝わる。

⑫ロードブレス(◎)

ダートに転向した昨年の年明けから一気に3連勝してオープン入り。昇級初戦となったスレイプニルステークスこそ4着に敗れたが、リステッド競走のBNS賞を勝つと、続く船橋の日本テレビ盃で重賞初勝利。

年が明けてからの2戦では川崎記念→名古屋大賞典と蓋をされて動き出しが遅らされたり、中途半端に脚を使わされたりとチグハグな競馬が続いていたが、初の中央重賞挑戦となった前走のアンタレスステークスは勝負処で少し狭くなって位置取りを下げながら渋太く脚を伸ばして3着好走。
58kgを背負った上で直線の坂を不安視していたが、上位2頭との2kgの斤量差を考えれば好内容。
チークピーシーズの効果もあったのかも知れない。

2度目となる中央重賞挑戦で、100m距離が延びるが、
ダート1900mでは【3.0.1.0】としており距離延長は歓迎で、稍重〜重でも【2.0.2.1】と脚抜きの良い道悪も追い風になるはず。
昨秋の浦和記念ではダノンファラオにハナ差まで迫る2着に好走しており、もともとの実力は十分。
それで7番人気の低評価なら一発も期待したい。

⑬マリオマッハー(⋯)

オープンへ昇級後の2戦は、アルデバランステークスが2秒1差の11着、仁川ステークスが2秒2の13着。

2勝を挙げている得意の中京1900mが舞台になるが、同じ舞台でのアルデバランステークスで手も脚も出なかっただけに、ここでは厳しいはず。

⑭サクラアリュール(△)

オープンクラスへの昇級2戦目にして初の重賞挑戦となった昨秋のシリウスステークスで2着に好走。
最内をロスなく立ち回る藤岡康騎手の好騎乗が最高にハマった形に加えて54kgのハンデもあったが、後にフェブラリーステークスを勝利するカフェファラオと0秒1差は相手の得意とする土俵ではなかったとはいえ胸を張れる実績。

地方交流GⅠのJBCクラシックこそ相手も強かったが、名古屋での地方交流GⅢ名古屋グランプリでも大敗を喫しており、狭い地方は合わないのかも知れない。
約3か月ぶりの実戦となった前々走の名古屋城ステークスはやや忙しい1800mの距離に58kgの斤量を背負って3着、前走のブリリアントステークスでも後方からメンバー2位の上がりを使って3着。

近走の成績こそ物足りないが、3勝クラスを卒業した桃山ステークスではロードブレスを破っており、今回は前述のシリウスステークスを2着に好走した舞台。
中9週以上【0.2.2.2】でも複勝率66%超としているが中1週では【3.0.0.1】と好成績。
スタミナが活かせる乾いた良馬場が理想であり、メンバーレベルも上がることで勝ち切るまでは難しいかも知れないが、叩き2戦目で9番人気なら。

⑮スワーヴアラミス(⋯)

昨年はマーチステークスで重賞初挑戦初勝利を飾ったが、その後は4戦してすべて着外。

昨年の本レースはGⅠ級の上位3頭にこそ離されたが、古豪ヒストリーメイカーには1kg重い57kgを背負って半馬身差の5着に健闘しており、ブラジルカップ5着は約5か月ぶりの休み明けに57.5kgのハンデ。いずれの敗戦も良馬場に1900mを超える距離でもあった。

昨秋のみやこステークスは先行策すら取ることが出来ないまま、中団から伸びることなく惨敗となったが、中1週の影響からか地元の阪神でも10kgも馬体を減らしており、状態が万全でなかった印象。

しっかり休ませて約5か月ぶりの復帰戦となった前走のマーチステークスでも1秒1差の7着に大敗。
前年の勝利を含めた2戦2勝の中山1800mが舞台で、馬体重も12kg戻っていたが、ゲート入りを嫌がったように気持ちの面で休み明けの影響があったのかも知れない。

凡走が続いているが、ある程度の敗因があるもので、ダート戦に限れば1900m以上【1.2.1.2】に対して、ダート1800m以下の距離では【5.2.1.2】と、
今回の中京1900mも決して適している訳ではないが、

稍重~重【4.2.0.1】に対して、良馬場は【2.2.2.3】と芝向きのハーツクライ産駒らしくスピード勝負に強いタイプだけに不良馬場は歓迎。
良馬場だった昨年と比較してメンバーも落ちるだけに叩き2戦目で12番人気の低評価も考えれば昨年以上の結果も期待してみたい。

⑯アメリカンシード(☆)

芝でも若葉ステークスでメンバー2位の上がりを使って3着に好走してGⅠ皐月賞にも挑戦(12着)。
昨秋からダートに替わって3連勝で一気にオープン入りを果たしたが、アレキサンドライトステークスではノーステッキで5馬身差の大楽勝、その3連勝で2着馬につけた着差の合計は17馬身。

重賞初制覇を狙った前走のマーチステークスでは、今回も継続騎乗するルメール騎手がGⅠ高松宮記念の裏開催へ乗りに来たこともあって単勝1倍台の圧倒的な支持を集めたが、行きっぷりから今ひとつで14着大敗。気難しい面でも出たのかと思われたが、レース序盤で
落鉄しており、その上でレースの1000m通過59秒7の速いペースも重なったことが響いた印象。

仕切り直しとなる一戦で、中京1900mは2勝クラスの犬山特別をノーステッキで5馬身差圧勝した舞台。
芝時代には2000mでの連対経験もある。
脚抜きの良い道悪も、昨秋の1勝クラスを1分48秒6の好時計で7馬身差の圧勝を飾っており、揉まれにくい外枠も先行できればマイナスにはならないはず。

ルメール騎手も1週前追い切りに騎乗しており、砂のマイル路線を歩むカフェファラオと共に中距離路線のお手馬として結果を残したい一戦。

【結論】
単複 ⑫ロードブレス

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