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シリウスステークス 2020【予想】

シリウスステークス 過去

今年も昨年の勝ち馬ロードゴラッソやマスターフェンサー、ロードレガリスが金沢の白山大賞典に向かったように同時期に条件が近い地方交流重賞があるため、メンバーが分散されやすい。

比較的小粒なメンバーになりやすく、ハンデ戦でもあるため、出走馬のほとんどが非重賞のオープン戦で、前走3勝クラスだった馬も【1.2.0.2】と複勝率60%となっており、昇級初戦としてのハードルは高くない。

中京のダート1900mはスタート直後から向こう正面にかけて上り坂であるため、前半からペースが極端に上がることは少なく下り坂になるラスト5Fからのロングスパート戦になりやすいラップ。

直線が長いことからも過去5年の2勝クラス以上のダート1900m戦15鞍では、上がり1位~2位【6.6.4.16】で複勝率は
ただ、スパイラルカーブもあるため、後ろ過ぎても届かない。4角5番手以内【12.9.8.57】。
前につけられてメンバー上位の上がりを叩き出せられれば言うことはないが、今年は前に行きたい馬が多いだけに上がりのしっかりした馬を狙いたい。

①ダイシンインディー(⋯)

前々走の春光ステークスで東京ダート2100mを3馬身差圧勝してオープン入り。
同舞台の前走スレイプニルステークスは0秒6差の⑦着に敗れたが、2着マスターフェンサー、4着ロードブレスは今週の交流重賞を勝った馬で相手も強かった。

3走前の下総ステークスでは番手からの競馬で③着に粘っているが、全4勝を逃げ切り勝ちで挙げているようにハナに越したことはないだけに同型が多い今回は展開的には簡単ではない。

また、距離短縮で粘り込みを期待したいところではあるものの、中3週以内の詰まった間隔【4.0.1.4】に対して中4週以上【0.0.0.5】としている叩き良化型だけに4か月ぶりの今回は叩き台と見る。

②サクラアリュール(⋯)

昇級初戦で初のオープンクラスのレースとなった前走の三宮ステークスは⑧着に大敗した格好だが、1〜2着ヴェンジェンス、クリンチャーの重賞勝ち馬2頭は別格として、3着アングライフェンとは0秒7差。

重賞常連馬には伸び負けはしたものの、忙しい印象のあった1800mの距離で稍重でのスピード勝負だったことを考えれば健闘したと言えるだろう。

僅か100mの延長とはいえ、起伏の激しいタフな中京1900mへの舞台替わりはプラスで、実際に出脚が遅いこともあって距離短縮では【0.0.2.3】ながら、距離延長だと【1.1.3.0】。
ここは先日の日本テレビ盃を勝ったロードブレスを破った前々走の桃山ステークスの再現をしたいところ。

ただ、中9週以上のローテーション【0.1.1.2】でも複勝率50%としているが、2~3着はそれぞれ1秒5差、1秒1差をつけられたものであり叩き良化型の印象。
後方から運ぶ脚質も含めて、3か月ぶりとなる今回は叩き台と見たい。

③エイコーン(☆)

ダート転向後【4.4.0.0】と3連勝で迎えた重賞初挑戦の舞台は地方交流GⅠの最高峰、東京大賞典。

オメガパフュームら重賞戦線で鎬を削ってきた強豪の壁はさすがに高く、0.7差⑤着に敗れたが、3着ケイティブレイブとは僅か0秒3差だった。

脚元の疲労が抜け切らずに復帰までに1年3か月も要したが、復帰後の3戦は徐々に絞れていく馬体とともに勝ち馬との着差も2秒3→1秒5→0秒9差。
時計が掛かった東京大賞典での健闘から、起伏の激しいタフな中京1900mは合っているはずで乾いた良馬場も歓迎だろう。

当時と同じ中4週のローテーションで挑む復帰4戦目、10番人気なら激走を期待したい。

④アルドーレ(◎)

重賞初挑戦となった昨年のマーチステークスから1年1か月ぶりの復帰となった4走前のオアシスステークスこそ1秒差の11着に敗れたものの、続くスレイプニルステークスではメンバー最速の上がりで0秒4差の⑤着まで追い込んで、先日の日本テレビ盃を勝ったロードブレスとはアタマ差まで迫った。

前々走のジュライステークスは向正面で一気に後方から先頭に躍り出る積極的な競馬で、直線では並びかけられてもかなりの勝負根性を見せてダート重賞でも勝ち負けしているクリンチャーと僅か0秒3差。

前走の阿蘇ステークスでは小倉1700mの舞台で早仕掛けの持続力戦となったが、しっかり競り勝った。
今回は昨年のマーチステークス以来、2度目の重賞挑戦で、昆調教師は「パワー型で大井とか地方が合うと思うので東京大賞典あたりを使ってみたい」と賞金加算を目論んでおり、3週連続での一杯追い。

勝利経験もあるタフな中京1900m、乾いた良馬場ならパワー型だけにより良い。半姉にJBCレディスクラシックを勝ったアンジュデジールがいる期待馬。
鞍上が横山典騎手だけに必殺の後方ポツンも、小倉の1700mから中京1900mならその心配もないはず。
内枠を活かした好位抜け出しを期待したい。

⑤ランスオブプラーナ(⋯)

昨年の毎日杯を勝って以降、11戦中7戦が勝ち馬から2秒以上も離れて入線する長い不振。
残りの4戦も0秒9差以上は離されての敗戦で、今回は昨年末の兵庫ゴールドトロフィー以来となるダート戦となるが、当時も2秒2差の⑩着に敗れており、厳しいレースが予想される。

⑥メイショウワザシ(⋯)

昨年はハナを主張し、常に番手の馬に絡まれる厳しい展開の中でも③着に粘った。

今年はオープン特別の総武ステークスを勝利し、前走の阿蘇ステークスでは後続が一気に動き出して早めに進出しなければならない難しい状況。
4角先頭からそのまま押し切るかの勢いも見せたが、ゴール寸前で④アルドーレに差されて②着。

当時あった1kg差は今回は同斤量となり、巻き返しを図る今回だが、【3.1.0.1】の得意としている小倉から中京1900mへのコース替わりは歓迎とは言いづらく、ハナを窺う馬も少なくない中で昨年より2kg増のハンデを考えると6番人気の今回は軽視する。

⑦エムオーグリッタ(⋯)

1~2位の上がりを記録したレースは28戦のキャリアで僅かに3度。前走の古町ステークスにしても先行有利の新潟1800mが味方した印象が強い。

全5勝を良馬場で挙げ、【0.1.1.5】の道悪成績を見れば良馬場は歓迎だが、54kgのハンデでは難しそう。

⑧サンデーウィザード(⋯)

昨年3月の復帰以降は芝でもダートでも苦しいレースが続いており、②着に好走したように見える3走前の吾妻小富士ステークスでも0秒9差離されている。

年齢の割にはフレッシュだが、それでも8歳馬。いきなりの一変は難しいだろう。

⑨ダノンスプレンダー(⋯)

先行しながらも確実な末脚を使って、これまで通算【4.2.2.0】の安定感ある戦績に川田騎手が鞍上ということもあってか、重賞初挑戦ながら3番人気。

連勝の勢いがあって、先行力とある程度のあがりの脚があることは魅力ではあるが、3走前までは6戦すべてでメンバー中1~2位の上がりを記録していた中で、前々走の2勝クラスでは3位、前走の3勝クラスでは16頭立てで8位の上がり。底が見えた感もある。

55kgのハンデも見込まれた印象で、過剰人気の感がある今回は思い切ってバッサリ。

⑩ダイメイコリーダ(⋯)

昨夏のデビューから11戦のキャリアを積み上げ、馬体は450kgから491kgまで約40kgのボリュームアップを果たして迎えた前走のジャパンダートダービーは、1週前に脚部不安が囁かれながらも②着に逃げ粘った。調教師もビックリしていたように仕上がりに不安があった中での好走は明らかな地力強化だろう。

ヒヤシンスステークスで大敗していることからも、速い脚が求められるマイルより長い距離の方が合いそうで、1800m以上の距離ではダートに限ると【2.3.0.1】と唯一の着外も④着で掲示板外はない。

ただ、この唯一の着外が直線に急坂のある阪神で、1勝クラスながら0秒8差つけられており、斤量差を得て確勝を期した2勝クラスの鷹取特別でも控えて掛かった面があったとはいえ②着に取りこぼし。
直線急坂よりも平坦の方が粘れる印象があって、前に行きたい馬が多いメンバー構成は厳しい。

「まだ少し歩様に硬さが残っている」と森田調教師が語る休み明けとしての状態を考えれば、今回は思い切ってバッサリ切る。

⑪グレートタイム(○)

前走のジュライステークスこそ馬っ気を出してしまったが、キャリア16戦中14戦でメンバー3位以内の上がりを記録しており、その中にはユニコーンステークスやジャパンダートダービーでルヴァンスレーヴから0秒6差、0秒3差の接戦を演じたレースも含まれる。

今回は昨年のレパードステークス以来、1年2か月ぶりの重賞挑戦。稍重〜不良【2.3.1.1】に対し、良馬場では【1.3.0.4】としているだけに乾いたダートは歓迎とは言えないが、ジャパンダートダービー以来の久しぶりの長めの距離で前進があっても。

⑫テーオーヘリオス(⋯)

デビュー4戦目以降は1200m〜1400mを中心に使われてきており、1800m以上の距離は5年4か月ぶりとなる8歳馬。さすがに難しいだろう。

⑬キメラヴェリテ(⋯)

皐月賞トライアルの若葉ステークスで②着に逃げ粘れたことから芝でのレースを続けていたが、今回は3戦ぶりのダート戦。
昨秋の北海道2歳優駿を逃げ切った実績があって、ダートでハナに立てた際は【2.0.1.0】としているが、左回りでは⑬⑨⑭着とハナにさえ立てずに惨敗。

休み明けでもあり、前に行きたい馬も多い今回は厳しいレースになりそうな印象。

⑭ナムラアラシ(⋯)

直線に賭ける競馬で展開は向きそうだが、左回りでの成績【0.0.1.8】に加えて、3か月の休み明けではさすがに厳しいだろう。

⑮カフェファラオ(▲)

昨年暮れのデビューでキャリアはまだ僅か4戦に過ぎないが、デビューからの3連勝は圧巻の内容。
⑦着に大敗したことで米GⅠケンタッキーダービーへの挑戦が白紙になった前走のジャパンダートダービー。

騎乗したレーン騎手によると、1角手前で躓いたり、タイヤの跡に驚いて逆手前でコーナーに入ったことや経験したことがなかったキックバックもあって、リズムを崩したことが大敗の要因だった模様。

恐らく、初めてのナイトレースだったことも影響したように思うし、脆さも秘めた繊細な馬なのだろう。
今回は愛知県までの長距離輸送も含めた初めての中京コースだけに脆さを露呈するリスクは低くないはず。

馬場にしてみても、良馬場のヒヤシンスステークスが1+1/4馬身差をつけての勝利で、同じ東京1600mが舞台でありながら脚抜きの良い稍重馬場だったGⅢユニコーンステークスが5馬身差の圧勝。父に米クラシック三冠馬のアメリカンファラオを持つアメリカ血統だけにスピードが求められる軽い馬場が合っていると見ており、今回はパサパサのダートで距離も1900m。

また、確勝を期して配したと見られるルメール騎手は8月にエルムステークスを勝って以降、重賞は1番人気での3敗を含めて7連敗中。管理する堀厩舎も同馬が勝ったユニコーンステークス以来、11連敗中であり、いくら相手が手薄で明らかに恵まれた印象のある54kgのハンデでも全幅の信頼を寄せるまではどうか。

⑯ミツバ(⋯)

昨年1月の川崎記念を勝利して以降、7戦着外が続いており、8歳という高齢も考慮されて次走の名古屋グランプリでの引退も示唆。

中央と地方合わせて通算50戦というキャリアを誇り、これまで走ってきた地方交流重賞での強豪相手に比べれば格段に落ちるメンバー構成に加えて、中京ダート1900mで好成績を挙げているカネヒキリ産駒。
ただ、その分ハンデは58kgを背負わされるし、さすがに厳しいか。

【結論】
単勝 ④アルドーレ
複勝 ③エイコーン

③エイコーンの複勝1点勝負も考えていたが、④アルドーレが2番人気とはいえ単勝7倍前後なら十分に美味しいと見た。

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