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チューリップ賞 2021【予想】

チューリップ賞 過去

例年は阪神ジュベナイルフィリーズ好走馬が春の始動戦として選ぶことでGⅡに昇格された経緯もあるレースだが、今年は①メイケイエールを除く他11頭が1勝馬で稀にみる低レベルなメンバー。

権利を獲りに来ている馬もいるが、結局は本番を見据えて折り合いも重要視されることから瞬発力戦になりやすく、過去5年の好走馬のほとんどが上がり33秒台の末脚を使っている。

雨の影響で現在まで稍重発表ではあるが、9レースの小豆島特別は1分33秒0の勝ち時計で上がり3F上位3頭は33秒台。馬場はほぼ良馬場に近いと見て、33秒台の上がりを出せそうな馬を狙いたい。


①メイケイエール(▲)

管理する武英調教師も「能力は世代ナンバーワンだと思っている」と語るように、デビュー2戦目の小倉2歳ステークスは後に京王杯2歳ステークスを勝つモントライゼに1+1/4馬身差をつけて、続くファンタジーステークスでは2歳レコードとなる1分20秒1で、いずれも掛かりながら連勝を飾り、前走の阪神ジュベナイルフィリーズにしても当然のように掛かったが、それでもラスト1Fまでは押し切るかの4着。
その着差は僅かに0秒2であり、消耗なく普通に走れば確かに世代ナンバーワンなのかも知れない。

今回も課題になる折り合いについては、追い切りの段階でもう行きたがる面を見せており、正直1600mは厳しいと思うが、1勝クラスで足踏みしているようなメンバーが相手であれば、掛かりながらでも押し切ってしまいそうではある。
これだけ脆さが露呈されている単勝1倍台なら、取りこぼしを期待したいところ。

②ストゥーティ(⋯)

デビュー戦では後にデイリー杯2歳ステークスを勝つレッドベルオーブを下したものの、続くアルテミスステークスでは好位から伸び負けてソダシから0秒4差の4着に敗れて賞金加算に失敗。

牡馬が相手ながら自己条件で確勝を期した前々走のこうやまき賞でも0秒2差の3着、前走の菜の花賞ではスタート後にまさかの躓き。0秒1差の3着に敗れてしまいこのトライアルが最後のチャンス。

最終追い切りにも騎乗した松山騎手を配して権利獲りに挑むが、なかなか勝ち切れないモーリス産駒だけに強気の先行策が必要に思う反面、430kgに満たない小柄な牝馬。3番人気なら粘り切れない方に賭けたい。

③レアシャンパーニュ(⋯)

デビュー2戦目の赤松賞では後にクイーンカップを勝つアカイトリノムスメから0秒6差の5着に敗れ、前走のこぶし賞でも0秒3差の3着。
1勝クラスで足踏みしている現状で、これまでの過去3戦の自身上がり3Fは35秒0→34秒9→34秒3と決め手に欠けそうな印象。

④シャーレイポピー(⋯)

前走の紅梅ステークスでは出遅れから差を詰めることが出来ず、1秒3離された6着に敗れたが、勝ち上がりを決めた前々走は阪神1600mでハナに立って最速上がりで突き放す強い競馬。
当時の馬場が開幕週の好馬場だったことを考えると、中京の特殊な芝も合わなかったかも知れない。
当時、2着に負かしたスンリは紅梅ステークスで10着に敗れた後にエルフィンステークスで2着に好走。

強い内容で勝ち上がった阪神1600mで狙う桜花賞への出走権だが、回復傾向にあるとはいえ稍重馬場。
スピードを活かしての押し切りは難しく、420kgにも満たない小柄な牝馬だけに最後まで持つかどうか。

⑤エリザベスタワー(○)

今回と同じ阪神1600mでの新馬戦は1000m通過62秒5
のスローペースを後方から次位を0秒5上回るメンバー最速33秒6の上がりで差し切り勝ち。

その勝ちっぷりが評価されて1番人気の支持を集めた前走のエルフィンステークス。
デビュー戦同様、1000m通過が61秒7のスローペースを後方から追走も上がり3Fはメンバー3位タイとなる33秒8にとどまり、0秒5差の9着に敗れた。
騎乗した武豊騎手によるとイレ込みや口向きの悪さは許容範囲内であったとのことから、ほぼ連続開催中だった中京の特殊な芝が合わなかったのかも知れない。

新馬戦で負かした馬がその後1頭も勝ち上がっていないことから相手が弱かった可能性はあるが、実際に33秒台の上がりを使って勝った実績は確かであり、ハミはトライアビットにクロス鼻革を着用。

権利獲りに川田騎手を配して最後のチャンスに賭けるが、馬場が回復し切らなかった点は痛い。2番人気だけに末脚が不発に終わる可能性に賭けたい。

⑥エイシンピクセル(⋯)

デビュー戦ではメンバー最速33秒8の上がりで勝ち上がったが、確勝を期して平場の1勝クラスを使われた前走は1秒2も離された7着。

小崎調教師によれば「1400mは忙しかった」と敗因を分析するが、重賞での好走を考えるのであればさすがに負け過ぎに思う。
新馬戦勝ちの舞台替わりで最低人気はさすがに舐められ過ぎな気もするが、手も出しづらい。

⑦タイニーロマンス(⋯)

東京1600mでの新馬戦は1000m通過が63秒5のスローペースを折り合いよく運びながら、上がり3Fは34秒3と勝ち時計の1分38秒1も合わせて物足りない数字。

デビュー2戦目はフェアリーステークスで重賞挑戦。騎乗した内田博騎手はハナを奪いに行ったが、序盤からシャドウファックスに競られて、次々と外から動かれる厳しい形。リズムを崩して勝負処でズルズル下がりながらも最後まで粘っての6着(1秒差)はむしろ健闘した部類と見ている。

自己条件に回った前走の春菜賞はアヴェラーレにこそ完敗の形ながら、好位4番手からメンバー3位タイの上がり33秒6の脚で伸びて2着。
開幕2週目の好馬場での1400m戦ではあったが、実際に33秒台の上がりを使えたことは収穫。

関東馬でありながら地元のアネモネステークスではなく、こちらを選んだのは広く直線の長いこの舞台を考えての判断だと思うが、初の中山だった前々走は初めてのコースに戸惑いもあったように、初の長距離輸送を含めた阪神遠征を乗り越えての権利奪取はそう簡単ではないように思う。

⑧テンハッピーローズ(◎)

確勝を期して挑んだ前走のフェアリーステークスはスタートが良すぎたことからチグハグな競馬に終始してまさかの4着に敗退。

デビュー2戦目のサフラン賞ではサトノレイナスから0秒2差の2着、前々走のアルテミスステークスではソダシから0秒4差と、後に阪神ジュベナイルフィリーズを1~2着に好走する馬を相手に小差の競馬をしており、このメンバーで6番人気はないはず。

今回から鞍上を務める池添騎手も3週連続で追い切りに跨っており、現状では桜花賞出走は厳しいだけに何としても権利を獲りたいはず。
上がり3Fの自己ベストが33秒9と上がりの脚に限界がありそうではあるが、伏兵扱いされているだけに激走を期待したい。

⑨シャドウエリス(⋯)

小倉1200mでのデビュー戦は離れた3番手から脚を伸ばすも捕らえ切れず0秒2差の2着。
2戦目は1600mに距離を延ばされたが、折り合いを欠くこともなく中団から最速上がりで差し切り勝ち。

続く前々走の赤松賞はアカイトリノムスメから0秒6差の4着、前走のこぶし賞は0秒4差の4着。
友道調教師はいずれの敗戦も力んだ点を敗因に挙げているが、レース映像を見る限りはそのようには映らず単純に現状では決め手に欠けるだけの印象。

1分36秒2→1分35秒1→1分33秒9 と持ち時計はしっかり詰めて成長を見せているが、1600mでの上がり3Fの自己ベスト34秒8を更新できるようには見えない。

⑩マリーナ(⋯)

横浜ベイスターズ三浦監督の所有馬ということで話題になっているが、未勝利卒業までに9戦。
前々走では次走でエルフィンステークスを3着に好走するクァンタムレル厶とクビ差の接戦を演じてはいるが、卒業を決めた前走は不良馬場が味方した可能性も拭えず、いくら低レベルなメンバー構成とはいえ、ここでの権利獲りは簡単ではなさそう。

⑪バリコノユメ(⋯)

ウインバリアシオン産駒として初の重賞出走馬。
産駒に芝での勝ち鞍がまだなく、半姉が交流GⅢマリーンカップ勝ち馬のサルサディオーネとあってダート向きの印象は拭えないが、デビュー2戦目の前走は芝の1600m戦である1勝クラスの白梅賞。

デビュー戦のダート1200mから2Fの距離延長でもあって簡単なレースではなかった中、初めて経験する芝のスピードへの戸惑いから最後方の位置取りになったことに加えて、勝負処での反応も今ひとつだったようだが、直線ではメンバー最速タイの上がり34秒8の脚を使って0秒3差の4着に健闘してみせた。

下級条件でなら芝での好走もありそうだが、33秒台の上がりを想定している今回ではないはず。

⑫タガノディアーナ(☆)

勝ち上がりに4戦を要したが、それまでの4戦すべてでメンバー最速の上がり。昇級初戦となった牡馬相手の前走つばき賞も勝ち馬に次ぐメンバー2位となる上がり33秒6の脚を使ってクビ差の2着。

勝っても負けても0秒2差以内に走っており、相手なりに走るタイプに映るし、同じ阪神を舞台に前走で33秒台の上がりを使えたことも収穫で、牡馬相手に1800mの距離を経験できたことも強みになりそう。

今回は1600m戦だけに後方からの競馬になる可能性はあるが、スローペースになりそうなだけに、それほどマイナスにはならないだろう。
勝ち切るまではどうかと思うが、4番人気とそこまで人気していないだけに押さえておきたい存在。

【結論】
単複 ⑧テンハッピーローズ

午前中に買ってしまったため、馬体重マイナス10kgには軽く引いたが、勝負仕上げだと信じる。

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