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大阪杯 2020【反省】

大阪杯 結果

前後半バランスが2秒4も違うように前半スローペースからの4F持続戦。後半3Fは11秒台前半ラップの連続を要求される瞬発力と位置取り、勝負処での内外の差も明暗を分けたレースになった。馬場は軽めの高速馬場。

1着⑤ラッキーライラック

逃げた⑧ダノンキングリーとそれに並ぶ⑩ジナンボーを前に見る離れた3番手の最内は本レースのベストといえるポジションで、序盤のスタートでこの位置を取れたことが大きかった。

また、勝負処で外から⑫クロノジェネシスと③ブラストワンピースが上がって行った際は、前が詰まる可能性もある中で冷静に我慢。
直線では⑩ジナンボーが下がったタイミングを見逃さず、風よけにしていた⑧ダノンキングリーとの間をこじ開けると鋭く抜け出した。勝負処で我慢した分、ここぞの爆発力に繋げたデムーロ騎手の鮮やかな騎乗も完璧と言える。

これらを可能にしたのも一度叩いた効果で、馬体重こそ11kg増だった前走の中山記念時よりさらに2kg増えていたが、きっちり仕上がっていたし、520kgの馬体はデビュー時の480kgから40kgも増やしたことになる。

次は宝塚記念になるかと思うが、今回の勝利で【2.1.2.0】となった距離延長は好材料で、唯一の不安材料だった高速馬場での2000mより1Fでも距離が延びるのはプラスだろう。非根幹距離もエリザベス女王杯で結果を出しているし、やや時計が掛かりやすい馬場へと替わることもいいはず。
逆に距離短縮【0.2.0.3】となるヴィクトリアマイルだとスピード面も含めて厳しい。

2着⑫クロノジェネシス

道中は勝ち馬の外を並走。⑤ラッキーライラックにフタをする競馬も可能ではあったが、勝負処で先に動く形を選択。外を回って勝ちに行ったことが結果的に裏目となったが、本馬以外の掲示板に載った馬は道中ラチ沿いをムダなく走っており、クビ差を考えれば一番強い競馬をしたといってもいい。

バゴ産駒でもあり、宝塚記念なら馬場は合うと思うが、距離が延びることには不安がある。
京都記念を勝っているし、今回のペースでも折り合えたけど、一線級相手だとどうか。
ちなみに距離短縮は②①②着。距離延長だと③⑤着。

3着⑧ダノンキングリー

逃げも示唆していた⑦ステイフーリッシュをはじめ、先行策が予想された馬のスタートが今ひとつだったことで、抜群のスタートが仇となってしまった。
内で同じく好スタートを切った勝ち馬を行かせる手もあっただろうが、折り合い面も考慮してか横山典騎手はハナに立つレースを選択。前走は今回の勝ち馬の位置から勝利を飾れたが、今回は逆に目標にされる形となったことが大きな敗因だろう。

1番人気だっただけに批判もありそうだが、外を回されるか④ワグネリアンのように包まれて終わる形もあったから最善の策ではあったように思う。
⑩ジナンボーに並ばれる形だったので、スローペースでも刻んだラップ以上には厳しく、0秒1差の敗戦ならば1番人気に支持されるだけの力量は見せたと思う。
2000mの距離はやはり微妙に長い。

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4着⑪カデナ

いつも通り後方から。ロスのない最内を選んで、勝負処で各馬が外を回す中、インを狙う。
前が壁でなかなか追い出せない場面もあったが、前にいた④ワグネリアンには1馬身強の差をつけたし、3着はあったかのような内容。
前走の小倉大賞典で約3年ぶりの勝利を挙げたが、今回は重い馬場で上がりも掛かった前走とは真逆の軽くて速い上がりが求められた中での好走。
フロック視する向きもあるかも知れないが、ここに来てのパワーアップも考えておきたい。

5着④ワグネリアン

レース後に「1列前でレースがしたかった」と福永騎手はコメントしているが、それはいつもの結果論。
折り合い重視で前に馬を置きたかったのだろう。これまでの全5勝を直線の長いコースで挙げているだけに、スタート後に勝ち馬に譲った時点でほとんど詰んでいたと言える。
3歳春までは33秒台の上がりも使えていたが、以降は34秒0が最速であるようにディープインパクト産駒の硬質化もあったかも知れない。

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6着⑩ジナンボー

一発があるのではないかと警戒していたが、真っ向勝負を挑んで返り討ち。
中山でも不良馬場でも勝っているから急坂を登るパワーは間違いなくあるはずだから、新潟記念で33秒9を出しているとはいえ、上がりが速すぎたのかも。

③ブラストワンピース

距離短縮が効くと見て3番手の評価をしたが、序盤の位置取りで遅れを取ったことが全てで、川田騎手も押して促したが前に行けずに後方から。
向正面でポジションを上げるにはリスクが高すぎて、結局3角から外からマクり上げたものの、他馬も加速する中で大外マクりは一線級相手では代償は大きく、ラスト1Fで力尽きた。

高速馬場も速い上がりも不向きではあるから、3番手の評価にとどまったのだが、こうなってくると宝塚記念での巻き返しも怪しく思えてくる。
3歳春の毎日杯こそ問題なく勝っているが、菊花賞は4着で昨年の本レースが6着、今回の7着と全て同じ内容での負け方。関西への長距離輸送が影響しているのか疑問も湧くし、距離延長はこれまで①⑤④⑧⑪着。
人気が落ちるグランプリホースは絶好の狙い目ではあるが、なんとも悩ましい。

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8着⑥レッドジェニアル

⑫クロノジェネシスの直後から。勝負処のペースアップで離されて直線でも伸び負けては力負けにあるが、近走の不振からはやや前進したように思うし、2000mの距離が良かったのではないだろうか。
速い上がりに不安はあるものの、軽い馬場の方が合うだろうし、メンバーが落ちる新潟大賞典や鳴尾記念あたりに出走するようなら考えてみたい。
母父がマンハッタンカフェで京都新聞杯を勝っているように非根幹距離も合う。

9着⑦ステイフーリッシュ

逃げを示唆していたがテンにダッシュがつかずに中団からの競馬になってしまった。
3歳以降の16戦でメンバー上位の上がりを記録したことが2度しかない決め手に欠ける馬だけに、序盤のポジション争いが全て。

10着②サトノソルタス

スター後にごちゃついて中団の最内に収まってしまったことが全て。勝負処では③ブラストワンピースのさらに外を回る形になっては厳しいだろう。
間隔が詰まっていたことも影響したと思う。

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11着⑨マカヒキ

後方から大外も大外は無謀すぎた。
高速馬場も速い上がりも向かなかったはず。

12着①ロードマイウェイ

スタート後に隣の②サトノソルタスとぶつかって落馬しかける程バランスを崩す。先行策どころか前走同様に最後方から大外回し。今回は上がりもメンバー中最下位となる35秒5と走っておらず参考外の一戦になるが、こうなってくると馬のメンタルが心配で、結果が出るまでしばらくは重い印は打てない。

ロードマイウェイ スタート


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