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フラワーカップ 2020【反省】

フラワーカップ 結果

逃げた⑤ナリノクリスティーの刻んだラップは想定より遥かに速い1000m通過59秒2。阪神開催だった2011年を除けば過去10年での最速ラップで、そこから一旦は緩んだものの勝負処での再加速から最後は持久戦となり、ペースが流れた中でも一脚使える底力が問われる一戦となった。

1着⑬アブレイズ

勝因は何と言っても抜群のスタートを決めたことに尽きる。最初のコーナーまでが短い中山1800mでは不利となる外枠だけに、好スタートを決めたことですんなり⑤ナリノクリスティーの番手につけることが出来たことが大きかった。

キャリア1戦での重賞挑戦だったが、デビュー戦は1000m通過が今回より5秒5も遅い、64秒7からの4F持続力戦。逃げ馬が最下位で2~3着が差し馬だった外差し馬場を牡馬相手に先行して勝利。
初の長距離輸送も含めて全く違う競馬を連勝してみせたことになる。

桜花賞ではなく、オークスを目指すとのことだが、同じく1000m通過が60秒を切る59秒3だった2006年の勝ち馬キストゥヘヴンは続く桜花賞を制しており、2着のフサイチパンドラはその年のエリザベス女王杯、3着のブルーメンブラットは2年後の引退レースでマイルチャンピオンシップを勝つハイレベルなレースだった。

近くにいた2番人気⑪クリスティに0秒6差つけており、展開に恵まれたというわけでもなく、キャリア1戦でこのラップを制した本馬も今後期待していいはず。

2着⑭レッドルレーヴ

前走の未勝利戦で脚を捻ってしまったことで脚元を気にしながらの調整だったことから軽視していたが、好位~中団から進めると、4角付近で外から押し上げてきた馬との間で狭くなり掛けながらも、力強く抜け出して勝ち馬に迫った。

こちらは前走の未勝利戦でタイトなラップを自ら動いて勝ちに行った経験が活きた。
最後はさすがに甘くなったが、まだ弱さを残している段階で素質だけで走っている現状を考えれば価値のある2着で、今後が非常に楽しみ。

3着⑫シーズンズギフト

懸念した通りこの速いラップでも行きたがる面を見せたが、さすがは横山典騎手。外枠で前に馬を置けない中でも必死に抑えながら好位を追走し、向正面では折り合いをつけた。
ただ、そこから速いペースへの対応なのか抑えながら運んで、勝負処で後続が上がってきても我慢。直線で追い出されたが、伸びは今ひとつだった。

一見、チグハグな競馬にも映ったし、今回は結果よりも先を見据えての我慢する競馬に徹したように思う。
また、これまでの2戦が1000m通過63秒5と、62秒5のゆったりとしたペースでの瞬発力戦でもあり、流れた中で脚を溜められるタイプではないのかも知れない。

4着③チェスナットドレス

急坂での走りに疑問があって軽視していたが、後方の内目からじっくり脚を溜める競馬で、残り4F手前あたりから促し始めて直線、馬場の真ん中に持ち出されるとメンバー最速の上がりで力強く伸びた。
懸念していた急坂は問題なさそうだし、スムーズに回ってこれたことも大きいが、流れた中でも脚が溜められる分、今日のような厳しいラップが合うのだろう。

また、今回を含めた全6戦での自己最速上がりは9頭立て5着だった新馬戦を除けば未勝利戦(7頭立て5着)の34秒7だから上がりは掛かった方がいい。
ひょっとしたら直線も短い方がいいかも知れない。

5着⑪クリスティ

勝ち馬のさらに外3番手。自分の競馬は出来ただけに今回は完敗の形になるかと思う。
敗因として考えられることは、ワーケアと0秒5差だったアイビーステークスの1000m通過は61秒3で、前走で勝った1勝クラスは61秒8。
前半ゆったり走れた方が良いいタイプで、今回のように流れるラップは厳しかったのかも知れない。
また、新馬戦も2着に敗れており、休み明けが良くない可能性もある。

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6着⑨ミアマンテ

後方から進めたが、4角で外を回る時にさらに外からマクってきた⑧フラワリングナイトに前に入られ狭くなってバランスを崩す場面。
外に出した直線でも⑥キングスタイルにぶつけられるなど、終盤はスムーズな競馬が出来なかったが、それでも最後まで脚は伸ばした。
スムーズだったら勝ち負けだったとは思えないが、スムーズさを欠いたこたは確か。

7着⑩ポレンティア

直線で⑦ショウナンハレルヤと何度か接触して減速。
3着内もありそうだった手応えだけに今回の結果は度外視していい。
3着だった前走のフェアリーステークスも1000mは59秒0で流れていたし、今回の立て直されてからの反応を見ても、瞬発力戦よりもある程度流れた中でジリジリ脚を伸ばす持続力戦の方が合いそう。

8着⑥キングスタイル

前走の未勝利戦では向正面からマクりに出たが、今回は最内最後方からほぼ直線に賭ける競馬。
ラップ的には前走の未勝利戦が消耗戦をマクって勝っているが、前半5Fが新馬戦は62秒と3秒近くの差もあるので追走で消耗してしまった可能性がある。
ただ、レース後に三浦騎手が「坂で甘くなった」とコメントもしており、急坂が堪えた可能性も。

10着⑤ナリノクリティー

押してハナへ立ったものの、序盤リキんで走ってしまい消耗する形で、このラップでは厳しかった。
勝ち馬の位置を見込んで本命にしたが、きっちり折り合えていたとしてもこのラップでは伸びなかった気がするので、ペースを読み間違えた時点で終了だった。

11着④アミークス

今回は後方~中団で末脚に賭ける競馬だったが、坂を上るあたりで脚が鈍っており、急坂が堪えた可能性を第一に考えたい。
ペースは未勝利戦を前半5F60秒2で勝っているから、恐らく伸びなかった要因では無いと思うので、急坂を含めた上がりの掛かるレースは良くないかも。

12着⑦ショウナンハレルヤ

⑩ポレンティアと何度も接触し、最後は弾き飛ばされて戦意喪失。
不利が無ければ勝ち負けだったかと問われれば難しいが、鞍上の田辺騎手も追うのをやめており、今回は度外視しておきたい。

ショウナンハレルヤ

14着②トリンカデイラ

勝ち馬と同じくキャリア1戦での挑戦だったが、こちらは新馬戦とは1000m通過が4秒3速い流れにもついては行けたが、勝負処で手応えを失ってしまった。
出負けから追っつけて引っ掛かって消耗する最悪の展開では無理もない。

新馬戦でのラスト1Fのインパクトはなかなかだったので、このシンガリ負けで自己条件でも人気が落ちるようであれば狙ってみたい。
新馬戦同様の緩いペースで狙いたいが、今回の件で折り合いで苦労するようにならないことを祈る。

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