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福島牝馬ステークス 2021【予想】※下書き

福島牝馬ステークス 過去

GⅠヴィクトリアマイルへ向けてのステップレースで非根幹距離のハンデGⅢ。
例年ならコース形態も似ている中山1800mからの転戦組の好走が目立つが、今年は代替開催により舞台は左回りの新潟、ワンターンで直線の長い外回り1800mで行われる点が最大のポイント。

芝の状態は急遽、福島からの代替開催が決まったことでまだ稍重だった先週土曜の6レースでも、まるで30年前の競馬を見ているかのような芝。
ダート戦中心の番組編成にして維持に努めるが、先週日曜には不良馬場まで悪化した中で迎える3週目。

32秒台の上がりが出るようないつもの新潟ではなく、荒れた特殊な芝状態を想定しておきたい。


①リュヌルージュ(⋯)

雪が舞う中での不良馬場で行われた昨年の中山牝馬ステークスで2着、稍重馬場のマーメイドステークス3着と道悪巧者ではあったが、七夕賞ではさすがに何度かノメって8着。

3着に好走したマーメイドステークスでは渋った馬場への巧拙差に2kgの斤量差があったセンテリュオに先着を許しており、立ち回りの巧さを活かしてどこまでやれるかだろう。

②ムジカ(⋯)

勝ち上がりまでに8戦を要し、昇級初戦となった1勝クラスを2着に取りこぼして迎えた前走のローズステークスは14番人気の低評価を覆して2着に好走し、優先出走権の確保に成功。
右回りだと外に膨れてしまう癖があるようで、初めての左回りがハマったこと、スローペースの瞬発力戦になり、騎乗した秋山真騎手がギリギリまで追い出しを遅らせて一瞬の脚を活かしたことが激走の要因。

これまで道悪やGⅠを除けば常にメンバー2位以内の上がりを使っているが、使える脚が短いために自己条件でも2着に取りこぼしている現状。今回は得意とする左回りになるが、勝ち切るまでは難しい。

③パッシングスルー(⋯)

2年前に1勝クラス→紫苑ステークスと連勝、昨夏の七夕賞でも重馬場の中を逃げて0秒7差の6着に粘って小回り2000mへの適性は見せている。

荒れた馬場にも対応はできそうだが、紫苑ステークスが開幕週で1分58秒3の好時計勝ちだったように外回り1800mとなると厳しいように思う。

④ロザムール(▲)

未勝利戦卒業までに7戦を要したが、初勝利を挙げて以降は【3.1.4.2】の戦績でオープン入り。
オープン入りを決めた常総ステークスは1000m通過61秒5のスローペースから長く脚を使っての勝利で、重賞初挑戦となった前々走の中山金杯も1000m通過62秒0のスローペースから長く脚を使う形で0秒5差の4着に粘ってみせた。

前走の中山牝馬ステークスでは最後の最後にランブリングアレーの強襲に遭ってハナ差の2着に敗れたが、
スローペースの持続力戦に持ち込めば強さを発揮することを改めて証明。

今回はディアンドルの出方と外回りがカギになるが、中山金杯で先着を許したヒシイグアス、ウインイクシードは次走の中山記念でも1・3着に好走しており、先着したテリトーリアルも小倉大賞典を勝利と能力を発揮さえすればここでも上位の存在。

【1.2.0.1】としている1800mの距離に芝での道悪も【1.2.2.0】なら荒れた特殊な芝も大丈夫だろう。

⑤クラヴァシュドール(取消)

疾病のため出走取消。

⑥フィリアプーラ(⋯)

フェアリーステークスを勝って以降は着外が9戦続いているが、馬場に泣いたケースが多く、この間に良馬場で行われていた紫苑ステークスでは0秒4差の5着、ターコイズステークスでも0秒6差の4着。

良馬場で適距離であれば好走の可能性もあるが、今の荒れた特殊な芝ではここではないように思う。

⑦ミスニューヨーク(○)

自己条件の松島特別を勝利して初の重賞挑戦となった紫苑ステークスは動きたかった勝負処で動けなかったロスがありながら、0秒3差の5着に健闘。
本番の秋華賞でも勝負処で下がってくる馬を捌き切れずに後方15番手まで下げるロスがありながらも盛り返して5着と世代でも中堅グループの実力はある馬。

古馬の一線級まで加わったエリザベス女王杯こそレース上がりが35秒を切る瞬発力戦にキレ負けしたが、
一息入れた年明けから自己条件での再スタートを切ると、2戦できっちり卒業しての昇級初戦。

1800m戦に限れば【4.1.1.0】としており、出して行っても折り合いを欠かないタイプで、内回り小回りがベストであることは確かだが、上がり3Fの自己ベストが3着に敗れた白百合ステークスで記録した34秒4だけに、外回りでも上がりが掛かるようなら内枠を活かした立ち回りで対応できそうに思う。

馬場に関しては陣営から「道悪で少し時計が掛かった方がいい」との話もあるように、実際にこれまで稍重と重で3勝を挙げており、今の荒れた特殊な芝も苦にすることはないはず。

一時はオーナーサイドの意向で田辺騎手への乗り替わりになるところを、同騎手の騎乗停止により続いているチャンス。使い続けてくれている杉山調教師のためにも加藤騎手には結果を出して欲しいが、3番人気では妙味として今ひとつ。

⑧シゲルピンクダイヤ(☆)

一昨年の桜花賞ではメンバー最速となる32秒7の上がりで追い込んで0秒4差の2着。
グランアレグリアにこそ2馬身半届かない完敗だったが、後に春秋グランプリ制覇を達成するクロノジェネシスや2歳女王ダノンファンタジーには先着を果たした程の世代牝馬上位の実力馬。

その難しい気性も災いして不安定な成績が続いている「最強の1勝馬」ながら、昨春のヴィクトリアマイルでは勝ったアーモンドアイは別として、2着サウンドキアラとは0秒3差の6着と牝馬マイル路線でも戦える実力があることを改めて証明しており、18kg増と馬体を増やして放牧先から帰ってきた京成杯オータムハンデでは男馬を相手に0秒3差の5着に健闘。

秋華賞以来の2000m戦となった昨冬の中日新聞杯は牡馬を相手に好位から運ぶ正攻法でクビ差の2着。
最終手段となる目隠しの覆面を練習時から着用した効果もあってゲートからスムーズな競馬が出来たことも収穫だった。

1000m通過57秒9と前崩れのハイペースとなった前走の愛知杯は同じ2000mでも展開が向かずに息が持たなかっただけに、1800mへの距離短縮は良さそう。

⑨アブレイズ(⋯)

キャリア1戦での重賞挑戦となったフラワーカップは直線での向かい風の影響で差しが利きづらい面はあったが、1000m通過59秒2と速いペースの消耗戦を先行して押し切る強い内容。

初の長距離輸送も含めてデビュー戦と異なる競馬に対応しての連勝は高い潜在能力を感じさせ、時計面でも同じく1000m通過が60秒を切る59秒3だった2006年の勝ち馬キストゥヘヴンは続く桜花賞を制しており、2着フサイチパンドラは同年のエリザベス女王杯、3着ブルーメンブラットは2年後の引退レースでマイルチャンピオンシップを勝ったハイレベルなレース。

本馬にもその好走馬と同様の活躍を期待していたが、オークス17着→ローズステークス12着→秋華賞11着とその後の3戦は1秒以上も離された二桁着順続き。

デビュー2連勝がレース上がりが36秒を超えるタフな競馬で、上がり3Fの自己ベストが35秒4というぐらい速い脚に欠けるタイプ。
3~4角で窮屈になってズルズルと下がった秋華賞に、不良まで悪化した極悪馬場に進んでいかなかった前走の中山牝馬ステークスを除けば、レース上がりが36秒を超えたレースでは大きく崩れてはおらず、
レース上がりが36秒4と前崩れの展開もハマった愛知杯では後方からメンバー3位の上がりで追い込んで0秒5差の4着まで追い上げている。

後方からの競馬に可能性を感じていそうな藤井勘騎手だけに展開が向いてくれることが条件にはなるが、今回は不発に終わると見る。

⑩アバルラータ(⋯)

約2年前の2勝クラス卒業から3勝クラスを卒業するまでに12戦を要して約1年2か月。
オープンクラスに昇級してからも6戦続けて掲示板外に敗れているが、リゲルステークスでの0秒4差を含めてこの間に1秒以上離されたのはオーロカップだけ。

器用さに欠ける展開待ちの馬だが、条件戦時代から差して届かずの競馬続き。7歳牝馬で上積みは厳しく、ここでも差して届かずの競馬になりそう。

⑪ディアンドル(◎)

デビューからスプリント路線を歩み、2戦目からマーガレットステークス→葵ステークスまで5連勝。
古馬との初対戦となった同年の北九州記念でも出遅れながら0秒2差の2着に好走し、スプリント界の新女王候補にまでなったが、GⅠスプリンターズステークスでは追走に手一杯で13着に大敗。

この大敗によって自信を失ったか、年明けのシルクロードステークスから二桁着順が続く不振に陥ったが、距離を1600mに延ばした昨秋のポートアイランドステークスから逃げる競馬に転じて徐々に復調の兆しを見せると、前走の小倉大賞典では大きく離れた2番手から勝負処で先頭を奪う強気の競馬。
最後にテリトーリアル、ボッケリーニに差されたが、53kgの軽ハンデとはいえ牡馬を相手に3着を死守した粘り腰は評価した方が良さそう。

今回は新潟外回りコースに替わるが、結局は気分良く走れるかどうかで同型と目されるロザムールがハナを譲ってくれるかになるが、前走では番手からの競馬で好走できたように8番人気なら一発に賭けたい。

⑫サンクテュエール(⋯)

2歳時にはGⅢアルテミスステークスでリアアメリアから0秒1差の2着に好走して、続く年明け初戦のシンザン記念で重賞初勝利。

三冠すべてに出走したクラシックは掲示板すら叶わなかったが、オークスと秋華賞は距離自体が長かった。
得意のマイル戦で再スタートを図った前走のターコイズステークスは1000m通過が58秒3と流れるペースに急かしながらの追走で14着に大敗と、厳しい結果が続いている。

冒頭のマイル重賞で好走した2戦はいずれも1000m通過が60秒を超えるスローペースであり、桜花賞は重馬場もあったが前半から流れたペースも少なからず影響はあったはずで、現状では1600mあたりでのスローペースからの瞬発力戦がベストの印象。

今回も場合によっては前半から流れる可能性もあるメンバー構成に、荒れた特殊な芝も不安材料。
デビューから三冠すべてで手綱を取ったルメール騎手から手を離れて北村宏騎手→自厩舎所属の杉原騎手に乗り替わり。ここは復活の舞台ではないように思う。

⑬ドナアトラエンテ(△)

名牝ジェンティルドンナの全妹として大きな期待を背負っていたが、気難しい面が邪魔をしての取りこぼしもあって、デビューから9戦目の明け5歳になってようやくオープン入りを果たした。

418kgでのデビューから年明けの初富士ステークスでは468kgと50kgも馬体を増やしてビルドアップ。
満を持して初の重賞挑戦となった前走の中山牝馬ステークスは0秒9差の9着。苦にすることなく対応できた初富士ステークス以上に悪い不良馬場が厳しかったことも確かに思うが、53kgのハンデに決まったことでルメール騎手が騎乗を取りやめた経緯から、確勝級とは考えていなかったはずで、

客観的に見ても、昨秋のユートピアステークスで敗れたリンディーホップがその後に愛知杯15着→白富士ステークス12着と連続して二桁着順に敗れており、オープン入りを決めた初富士ステークスで負かした馬から3勝クラス卒業馬もまだ出ていない。

5週連続で重賞勝利中の川田騎手を配して必勝態勢で臨む一戦になるが、スタート次第では厳しいレースになることも考えられる。

⑭アフランシール(⋯)

オープンクラス昇級後は京成杯オータムハンデ12着→オーロカップ10着→京都牝馬ステークス13着と3戦連続で二桁着順に沈んでいる。

前々走のオーロカップでは1400m巧者のプールヴィルから0秒5差ではあるが、オープン入りを決めた新潟日報賞で負かした馬も、その前の2戦で先着を許した馬からもオープンクラスで活躍している馬はまだおらず正直重賞の舞台では力不足の感は否めない。

今回はカレンブーケドールから0秒4差の5着に健闘した一昨年のスイートピーステークス以来となる1800m戦になるが、東京も含めた直線に坂のあるコースの【1.1.1.10】よりは直線平坦【3.0.0.1】コース向きの印象が強いだけに新潟替わりはプラスになるが、稍重だった2勝クラスを勝ち上がった際にも川田騎手から「本質的には軽い馬場」向きと評されているように特殊な荒れた芝を想定している今回は厳しいはず。

⑮カリオストロ(⋯)

これまでに4度の二桁着順があるように揉まれ弱く脆さのある馬だが、2歳レコードで5馬身差をつけて逃げ切った万両賞や1600mは長いと判断して1400mに戻した橘ステークスでの1分21秒2の好時計勝ち。
昨秋の信越ステークスでも揉まれ弱さを意識して強引にハナを奪うと、馬場の悪い内ラチ沿いにコースを取りながらも51kgの軽ハンデを活かして2着に好走しており、ハマった時には強さを見せる。

前走の京都牝馬ステークスは高速馬場の阪神1400mと絶好の条件であったが、飛び上がるようなスタートで出遅れた上に休み明けの影響か内へモタれるような走りで14着に惨敗。

荒れた特殊な馬場は前述の信越ステークスが時計のかかる新潟でのものだけに大きなマイナスにはならないが、理想はやはりスピードの活きる高速馬場。
今回は初となる1800mへの距離延長も課題となることを考えると、手は出しづらい。

⑯パラスアテナ(☆)

秋華賞への切符を懸けた昨秋の紫苑ステークスは勝負処で外から上がっていく積極的な競馬で2着に好走すると、本番の秋華賞でも出遅れながら勝負処で後方から5番手付近までポジションを上げてそのまま最後まで粘り抜いて0秒3差の4着に健闘。

紫苑ステークスでも内をロスなく立ち回って勝利したマルターズディオサや3着シーズンズギフトより外を回った強い内容の競馬で、この連続での好走は世代の中でも上位の力を持っていることの証明だろう。

古馬との初対戦となった寿ステークスは後方から外に出せないままラスト1Fまで包まれっ放しと厳しい展開で参考外といってもいい敗戦だったが、それでも進路が開けてから0秒3差の4着まで追い上げたのだから、やはり能力はある。
牝馬で実質トップハンデ55kgを背負った前走のアメジストステークスは1000m通過58秒8と前半から思いの外ペースが流れたことで最後は他馬と脚色が同じになって、0秒2届かずの3着。

昨春のカーネーションカップで見せた高速馬場での上がり3F 33秒3の脚からスローペースの瞬発力戦向きとの印象も強い馬だが、器用さも兼ね備えていて意外にもこれまで掲示板を外すほどの凡走はない。

世代でも上位の力を持ちながら近走は自己条件でも勝ち切れない競馬が続いているが、いずれも納得できる敗因はあって、昨冬もダートとはいえ未勝利戦を卒業できなかったように寒い時期を苦手としている可能性もあるように思っている。

約2か月の間隔が開いたが、暖かくなってきたことで状態面の上昇があるのであれば好走のチャンスも考えられるが、2番人気はあまりに妙味が低い。

【結論】
単複 ⑪ディアンドル


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