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サウジアラビアロイヤルカップ 2020【予想】

サウジアラビアロイヤルカップ 過去

王道の東京1600mが舞台とあって、いちょうステークス時代からエアグルーヴやメジロドーベルらGⅠ馬を輩出し、重賞に格上げされてからも今年の皐月賞とダービーで続けて2着に好走した世代ナンバー2のサリオスや、先週のスプリターズステークスで衝撃の追い込み勝ちを見せた桜花賞馬グランアレグリア、現在でも古馬中距離路線で活躍するダノンプレミアムらのGⅠ馬が勝ち馬に名を連ねている。

前走1勝クラス~重賞を含めたオープンクラス組が過去5年で【0.1.0.20】という今ひとつな成績であることに対して、新馬組は【3.4.2.7】と56.3%という高い複勝率を誇っており、現時点での完成度より将来性を見抜くことが大事なのかも知れない。

ラップ的には一昨年こそ淀みなく流れたが、基本的には2歳戦らしくスローペースからの瞬発力戦が基本。過去5年の好走馬の8割を前走上がり1位馬が占めているように位置取りよりも決め手が重要。

昨年もサリオスが1分32秒7の2歳コースレコードを更新したように開幕週らしいスピードが例年では求められていたが、今年は台風14号の影響で本日までずっと雨が降り続いており、不良馬場を想定する。

不良馬場の今年は近年の傾向通りとはならないと考えて、道悪適性は掴めないが馬場適性を重視しつつ、上位の決め手を発揮できる馬を狙いたい。

①ピンクカメハメハ(⋯)

デビュー戦はスローペースで折り合いを欠いた2着馬に外から捲られても動じることなく、4角で再び先頭に立つと後半5F 11.9 - 12.2 - 12.1 - 11.8 - 12.1 の持続力戦を最速上がりで4馬身差の圧勝。
4着馬のジオルティに、2着ゾディアックサインも次走すぐに勝ち上がっていることからもレベルが低いことは無さそう。

3番人気で迎えた前走の札幌2歳ステークスは番手の馬に突かれて息を入れられない消耗戦。勝負処から手応えは怪しく、騎乗した武豊騎手も諦めてのブービー負けだけに度外視してもいいだろう。

今回はマイルへの距離短縮となるが、道悪は未知数であり、長く脚を使えるタイプだけに瞬発力戦が想定される中でテン乗りの三浦騎手が持ち味を引き出せるかどうか。人気落ちの6番人気でも妙味は感じない。

②ジャンカズマ(⋯)

2戦目での勝ち上がりを決めた前々走は勝負処から2番手まで押し上げて3馬身差の完勝。
同舞台の前走クローバー賞はスタートこそ決まって5番手につけられたが、前のラヴケリーは捕らえ切れず後ろにいたカイザーノヴァには差される伸び負けての③着に敗れた。

2000mのアンドロメダステークスを2着に好走しているサーブルオールの全弟なら距離が延びる今回は前進があってもいいが、長く脚を使うタイプに思えるだけにテン乗りの戸崎騎手に替わってどう出るか。

デビュー戦が重馬場で②着だったが、確証が持てる内容でもなく、今回は様子見とする。

③ビゾンテノブファロ(⋯)

中央移籍後は短距離のオープン戦を3戦して⑥④④着と厳しい結果が続いており、パワー型だけに道悪がプラスに働く可能性があるかも知れないが、たとえ道悪巧者であっても、1600mに距離が2F延びて瞬発力を発揮する印象は正直ない。

④スペシャルトーク(⋯)

勝ち上がりを決めた前走は内枠を活かして2馬身差の快勝。ただ、4角手前から鞭が入っており、1000m通過が63秒2で流れた1600mのデビュー戦での上がりが34秒1だったことを考えると、速い脚に欠ける印象で鋭い決め手が武器ということはなさそう。

それだけに、自身は不良馬場のダービーで2着に好走して、重馬場巧者のキョウヘイを輩出しているリーチザクラウン産駒であれば、台風14号の影響による降雨と不良馬場は味方するかも知れない。
弟クリスチャンの凱旋門賞優勝はデムーロ騎手にとっても刺激になったはずだから、7番人気と評価は低いが諦めずに頑張って欲しい。

リーチザクラウン産駒 馬場状態別

⑤インフィナイト(○)

紅一点となるブラックスピネルの半妹。フルゲート18頭立てのデビュー戦は好スタートを決めて2番手から抜け出すセンスのある勝ち方。
鞍上の北村友騎手がターフビジョンを横目にする余裕がありながらの2馬身半差だけに内容は濃く、2~7着馬の勝ち上がりこそまだないが、8着のルースが勝ち上がっており、先週のサフラン賞でも3着。

平坦の新潟から坂のある東京に替わるが、牝馬ながらデビュー戦の馬体重は490kgと馬格に恵まれており、父モーリスはイメージしていた程の道悪巧者ぶりは成績には現れていないが、実際に楽勝したデビュー戦は不良馬場。どちらかといえば高速馬場で速い脚を要求された時の方が心配。

音無調教師からは弱気なコメントも出ているが、北村友騎手は来春を思い描く好素材。

モーリス産駒 馬場状態別

⑥セイウンダイモス(⋯)

新馬戦、未勝利戦と福島1200mを続けて使われ、2Fの距離延長で挑んだ前走の新潟2歳ステークス。
未勝利戦が押っ付けながらの追走だった内容から距離延長はプラスと考えたが、後方からマークした上がりはメンバー5位と物足りないものだった。

未勝利戦で2馬身半も差をつけた2、3着馬が次走であっさり勝ち上がっていることから力が無い訳ではないと思うが、勝ち馬から1秒1差も離されたことを考えると、巻き返しは簡単ではなさそう。

⑦ダディーズビビッド(⋯)

世代一番星を挙げ、約3か月ぶりの実戦だった前走の野路菊ステークスは逃げ馬を捕らえ切れず②着。
1000m通過が61秒3のスローペースなら上がりは34秒を切って欲しかったところで、トップレベルの決め手は残念ながらまだ備わっていないと見る。

⑧キングストンボーイ(◎)

札幌1800mでのデビュー戦は直線で左に右に寄れて走る荒削りな走りだったが、馬体を併せてからはしっかり競り落とす勝負根性を見せての勝利。
結果的にクビ差の接戦だったが、最内をロスなく運べた相手とは走った距離の差もあったし、着差以上の内容であったことは間違いない。

その2着ナックイルシーヴを含めた負かした5頭がその後まだ1頭勝ち上がっていないことからレースレベルに懐疑的な面はあるが、3着以下は7馬身離しており、サリオスやグランアレグリア級の可能性を見せるライバルも見当たらないメンバー構成。

道悪に関しては父が新種牡馬ドゥラメンテでまだサンプル数が少ないが、道悪の方が高い連対率。

ドゥラメンテ産駒 馬場状態別

⑨ステラヴェローチェ(△)

外傷性鼻出血による出走取消から約1か月、エタリオウの半弟サンデージャック、スカーレットカラーの半妹イリマらの良血馬が揃ったデビュー戦。
スタートから出して行ってハナに立つ形になったが、番手の馬と併走する形でもペースを落として我慢することができ、直線では1番人気のグルーヴビートが追い上げて来るともうひと伸び。最後はクビ差まで迫られたが、手応えにはまだ余裕があった。

良血馬が揃った一戦ではあったものの、負かした馬は次走以降で⑨③⑦⑥⑭⑩⑮⑨⑩⑧⑧⑦着とまだ勝ち上がった馬がおらず、先行有利の展開が味方した印象もあり、今回は来週の紫菊賞を目標にしていた中で急遽出走決めた経緯。

バゴ産駒だけに道悪巧者の可能性もあるが、来週の内回り2000mの方が良かった印象。

⑩カガフラッシュ(▲)

前走の札幌2歳ステークスは序盤から引っ掛かるチグハグな競馬。2000mの距離である先週の芙蓉ステークスにも登録していたが、テンションの高さと江田照騎手の進言もあってマイルのここへ。

距離短縮がプラスに働く可能性は高いと見ており、重馬場だったデビュー戦は相手が弱かった可能性が高いとはいえ、連続開催後半の上、雨の影響でレース上がりが38秒5も掛かるタフな重馬場をラスト4Fで一気に捲って勝ち切った内容は相当な道悪巧者に映った。

エイシンフラッシュ産駒 馬場状態別

【結論】
単勝 ⑧キングストンボーイ

デビュー戦に続いて騎乗するルメール騎手もかなり惚れ込んでいるとのことで、皐月賞馬エポカドーロの半弟という良血に藤沢和厩舎&ルメール騎手なら1番人気間違いなしかと思われたが、単勝5倍近くつくなら将来性に期待したい。
この不良馬場なら将来性には目を瞑って8番人気⑩カガフラッシュの複勝を少々。

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