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マイラーズカップ 2020【予想】

安田記念へのステップレースでもある春の京都競馬開幕を告げるマイル重賞。
開幕週に行われるだけあって過去5年すべての年で1分33秒を切る時計で決着しており、パワーや底力よりもスピードが求められるレース。
上がり3Fも好走馬の大半が33秒台の上がりを使っており、ラスト3~4Fの瞬発力勝負になりやすい傾向。

マイラーズカップ 過去

ただ、だからといって上がり最速馬の成績【2.0.0.3】と上がりが速ければいいわけではなく、道中の位置取りやコース取りも重要で、理想は昨年のダノンプレミアムのような先行して速い上がりを使えるタイプ。

今年は年明け開催での荒れた馬場の影響があってか、例年ほど速い印象を受けず、勝ち時計も1分33秒前後に落ち着くかも知れない。

①インディチャンプ

昨年は安田記念を1分30秒9で勝つと、秋にはマイルチャンピオンシップを1分33秒0で制して春秋マイルGⅠ制覇を成し遂げた。回りも馬場も異なる条件でのGⅠ勝ちは力がなければ出来ないこと。
前走の中山記念はプラス16kgでいかにも休み明けという余裕があり、58kgを背負っての1800mだったことを考えれば、最優秀短距離馬としての面目は守った。

香港遠征断念は早々と決断したため、影響はないかと思ったが、1週前の時点ではまだ太いとの音無調教師の話もあって、ダンビュライトとの併せ馬となった最終追い切りも遅れての入線。
全体時計こそ速かったが、終いはバテており、相当な負荷を掛ける必要があったことは間違いない。

後のGⅠ大阪杯1・3着馬が出走していた前走の中山記念に比べればメンバーはかなり落ちるので、これだけ力の差があれば押し切ってしまう可能性はあるが、1倍台にもなりそうな人気を考えると取りこぼしを期待したくなる。

②ランスオブプラーナ

ハナに立つことが予想されるが、昨日の芝レースでの4角先頭馬は【0.0.0.6】と3着すら確保できず、開幕週の馬場の恩恵は受けられないかも知れない。
ただ、京都の開幕週に移ってからの8年間で逃げ馬は【1.2.0.5】と健闘しており、中4週以上【0.0.0.5】に対して、中3週以内【3.1.1.2】といい間隔で臨めることはプラス。複勝圏なら逃げ残りがあっても。

③タイムトリップ

昨秋のスワンステークスが稍重で4着。直近の勝利が同じく稍重での石清水ステークス。開幕週の良馬場でこのメンバーでは厳しいのではないか。

④ブラックムーン

2年前の京都金杯勝ちが1分34秒3、同年マイルチャンピオンシップを1分33秒9で走り、今年の洛陽ステークスが1分34秒6だった。
時計が掛かってくれた方が良く、前傾ラップ待ちの追い込み馬。開幕週では届かないだろう。

⑤ベステンダンク

1分31秒9の好時計で逃げ切った米子ステークスが約2年前。昨年より1800m以上の距離を使われており、開幕週ではスピード面で厳しいのではないか。

⑥ロードクエスト

前走はダート戦に出走し、1年以上も遠ざかる勝利に対して陣営も試行錯誤しているが、昨夏の関谷記念は6着ながらメンバー最速31秒9の上がりを使って走破時計も1分32秒4と上々の数字。
京都外回りはスワンステークスを勝った舞台で、昨年の東京新聞杯では①インディチャンプと0秒4差。さすがに勝ち切るまではどうかも複勝圏なら。

⑦ヴァンドギャルド

前走の東京新聞杯は内枠からチグハグな騎乗だった中で0秒2差。3着クリノガウディーは後に高松宮記念1位入線、5着クルーガーがダービー卿チャレンジトロフィーを勝っており、重賞で通用する下地はある。
本質的には長めマイラーの印象があるが、昨秋の1勝クラスでは開幕週初日の馬場をメンバー最速33秒6の上がりで1分33秒2の時計で勝っており、今年の京都の馬場ならスピード負けは避けられそう。

安田記念出走へ向けて賞金加算が必須で、1週前追い切りでは馬なりで自己ベストを更新。鞍上を務める厩舎所属でもある岩田望騎手は3週連続で追い切りに跨っており、前々走のウェルカムステークスでは騎乗して勝利を挙げている。先週はあと一歩のところで重賞初勝利を逃したが、今週こそはの気持ちだろう。

⑧カルヴァリオ

昨秋の京成杯オータムハンデを1分31秒0で4着しているだけに開幕週の馬場は好材料。
前傾ラップを理想とするだけに坂の下りからの勝負となる今回は展開が合わないとみる。

⑨リコーワルサー

昨年のJRA挑戦2戦は福島テレビオープン、富士ステークスがいずれも稍重ながら5着、16着。
良馬場でこのメンバーではさすがに厳しいだろう。

⑩ヴァルディゼール

内回りも含めれば京都1600mは3戦3勝で、シンザン記念も勝っている。エンジンの掛かりが遅いだけに下り坂を利用できる京都が合っているのだろう。
課題はその3勝の勝ち時計が1分36秒4、1分35秒7、1分34秒2といずれも時計が掛かっていること。
1分34秒2の勝ち時計で決着したアーリントンカップは8着、1分32秒4の勝ち時計で決着したNHKマイルカップは6着に敗れており、これまで34秒を切る上がり時計を記録したことがないことからも、そのあたりの対応が課題になるだろう。

⑪フィアーノロマーノ

課題は前傾ラップを得意とすることからも急坂コース【4.2.0.0】に対して、直線平坦コースは【2.0.0.7】(2勝は新馬と500万下)としていること。
前半から流れてくれた方がいいだけに、後半勝負になりなすい京都外回りは【0.0.0.3】としている。

ただ、高松宮記念3着のダイアトニックと接戦だった阪急杯からもスピードはメンバー屈指で、夏場に走らせない程の冬馬巧者【3.2.0.1】でもあり、安田記念よりおそらくGⅡのここがメイチ。
自ら番手で逃げ馬を急かすくらいの騎乗が期待されるがどうだろうか。

⑫レッドヴェイロン

2015年の本レース勝ち馬レッドアリオンの半弟。前走の東京新聞杯ではキャリア13戦目にして初めて掲示板を外す9着に敗れたが、メンバー4位の上がり33秒5で0秒5差なら位置取りの差もあったし、これまでの自己最速が33秒2だから上がりの脚に限界もあった。

それだけに逃げの一手も示唆していることは好材料で、テンに速くないだけにハナには立てないだろうが積極的な競馬を試みるのではないか。

【結論】
単勝 ⑫レッドヴェイロン

どの人気馬にも付け入る隙があるのなら、そこまで人気していない本馬から入りたい。
早くから浜中騎手を確保して、2週連続の一杯での追い切りは一族が得意とする東京1600mのGⅠへ是が非でも賞金を加算したいからで、勝負気配は高いはず。
32秒台の上がりを要求されても厳しいので、坂の下りからスパートをかけるぐらいの強気な騎乗を期待したいところ。

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