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チャンピオンズカップ 2020【予想】

チャンピオンズカップ 過去

連覇を目指す⑮クリソベリルを筆頭に昨年の1~4着馬に加えて3歳馬を代表して⑦カフェファラオが参戦。
三冠馬3頭による頂上決戦で盛り上がった先週のジャパンカップから今週はダートの頂上決戦。

中京のダート1800mはGⅠだとそこまで緩まないが、スタートから残り1000m地点までが登り坂になっていることが一つのポイントで、3角からの下り坂に4角が急なことで内枠が有利になりやすいコース形態。
一昨年のポッカリ空いた内を追い込んだウェスタールンドの2着がいい例で、4角での強烈な遠心力から外を回す大外一気は中々通用しない。

中京競馬場がある愛知県豊明市ではここ一週間雨が降っていないようで、昨日の同舞台1800mで行われた2勝クラスの勝ち時計が1分53秒7。
牝馬限定戦にしても少し掛かっている印象で、乾燥したパワーのいるダートと見て、1600mよりは2000m寄りのタイプを意識して考えたい。


①タイムフライヤー(☆)

3走前のマリーンステークスではこれまで実績のなかった中9週以上の休み明け【0.0.0.6】ながら3馬身差の完勝で、2017年のホープフルステークス以来となる約2年7か月ぶりの勝利。

また、これまでダート戦では1000m通過が60秒を切るレースで好走、超えるレースで凡走としていたが、前々走のエルムステークスでは1000m通過61秒1のペースにもしっかり折り合って2馬身差の完勝。

母の全兄がタイムパラドックスと成長力がありそうでデビュー時の456kgから490kgまで30kg以上増えた馬体に、低迷期を乗り越えての連勝はまさにハーツクライ産駒の覚醒を思わせるものだったが、前走の武蔵野ステークスは長距離輸送によってマイナス14kg。
直線での反応が今ひとつで2着馬に先に前に入られて伸びを欠いたまま⑤着に敗れたが、0秒4差まで盛り返してはいる。

左回りは【0.2.0.4】と勝利こそないが、昨年の武蔵野ステークスでの②着や、前2頭が競る厳しいペースを3番手先行から⑤着に粘ったGⅠフェブラリーステークスと問題ないように思うが、もともとタイトな流れの方が力を発揮できるタイプだけに⑭ヨシオが絡んでの熾烈なハナ争いが起こることを願っているはず。

ラストイヤーとなる松田国調教師としては残されたGⅠ獲りのチャンスはあと僅かで、ここも含めてルメール騎手が手綱を取るものだと思っていたが、藤岡佑騎手への乗り替わり。
昨年の武蔵野ステークスで②着に導いており、冒頭で挙げたウェスタールンドのイン強襲も藤岡佑騎手によるものだけに乗り替わり自体はそこまでマイナスとは捉えていないが、ルメール騎手がサンデーレーシングの本馬を袖にして⑦カフェファラオへの騎乗する点が引っ掛かるところ。

⑮クリソベリルに勝つ可能性は低いと判断したのではないかと穿った見方をしてしまう。

②ゴールドドリーム(○)

引退を撤回して迎えた7歳馬としての今年の成績は着順だけ見れば⑥③⑥着と厳しい結果に映るが、今年初戦のサウジカップは海外の猛者が集まった中で⑮クリソベリルには先着を果たしての⑥着。

平安ステークス③着はそのサウジカップ以来となる帰国初戦での約3か月ぶり、前走の南部杯は約4か月半ぶりとなる不得手な休み明けでのレース。
今年はじめてマトモな状態で使われるレースになるはずで、叩き2戦目はこれまで【4.2.0.2】。
3年前に本レースを制した際も、前走の南部杯ではコパノリッキーから0秒9差離されてからの巻き返し。

新コンビを予定していた北村友騎手が騎乗停止となったために和田竜騎手が鞍上を務めるが、当初は阪神で騎乗馬が多く集まっていた中、それを全て断ってまで本馬への騎乗を選んだらしく本気度は高い。

③メイショウワザシ(⋯)

今年は総武ステークスで逃げ切って初のオープン勝ちを飾り、夏の阿蘇ステークスでは後続が一気に動き出して早めに進出しなければならない難しい展開ながらも②着に好走し、控える競馬でも結果を残した。

前々走のGⅢシリウスステークスでも0秒6差の⑤着、スピードが要求される初めての1600mでは厳しいと思われた前走の武蔵野ステークスでも0秒9差ながら⑥着に健闘して順調にステップアップしている。

いよいよ初のGⅠ挑戦となるが、距離が延びることは大きなプラスであっても同型との兼ね合いがどうか。
仮にハナに立てたとしてもまだ重賞勝ちすらない身であり、後続のプレッシャーも優しくないだけに厳しいレースになるだろう。

④エアアルマス(⋯)

昨夏にダート路線に転向してから、3勝クラス→エニフステークス→太秦ステークスと3連勝。
続く武蔵野ステークスは初めて砂を被る競馬になったことで⑪着の大敗を喫したが、年明けの東海ステークスでは重賞常連馬のヴェンジェンスやGⅠ馬⑬インティを抑えて重賞初制覇を飾った。

右前脚の骨折による約9か月半の休養明けとなった前走のみやこステークスでは道中から⑤クリンチャーのプレッシャーが厳しい中、58kgを背負いながらも4角先頭の勝ちに行く競馬。昨秋には1400mも使われたようにどちらかといえばスピード型だけに最後は完全に脚が上がってしまった。

東海ステークスを勝った時は重馬場でスピードが活きる馬場だったが、今回はパサパサの乾いたダート。
同じ1800mでも前半のペースがいくらか遅くはなるだろうが、前走同様の競馬を狙う⑤クリンチャーがいるだけにスタミナ面での不安は残り、砂を被りたくないだけにここまで内も歓迎ではなく厳しいレースになりそう。フェブラリーステークスで狙いたい。

⑤クリンチャー(☆)

ダート転向後は【1.4.1.1】と安定して走れており、前々走の太秦ステークスでは勝負処でスムーズさを欠きながらの④着で掲示板外はまだない。

もともと寒い時期に強いタイプで12~2月の成績は【3.1.0.2】としており、中3週以内の詰まった間隔では芝時代も含めて【3.2.1.0】と複勝率100%を誇る。
今年に入っての7戦中5戦でメンバー最速の上がりを叩き出しており、ダートでの唯一の着外が不良馬場での高速決着となった太秦ステークスだったぐらいなので乾いたダートの方が合うはず。

追える川田騎手からの乗り替わりはかなり痛いが、三浦騎手にも騎乗経験はあり、宮本調教師も前走のような早めに動くレースを指示しているようで、勝ち切るまでは難しいかも知れないが好走は期待できるはず。

⑥エアスピネル(⋯)

1年ぶりの長期休養明けながらメンバー3位の上がりで②着に好走した3走前のプロキオンステークス。
7歳にして初ダートだったが、昨年のエルムステークスにも登録(回避)していたように笹田調教師は「芝の重馬場でも走るし、ダートは合うと思っていた」と試してみる意向は前からあった。

前走のGⅢエルムステークスは乾いたダートに加えて1700mの距離。上位3頭が1800m以上で活躍している馬だったようにスタミナが問われたレースでは厳しかったはずで、初めて経験するキックバックも少なくない影響があっただろう。

スピード勝負の東京1600m替わりとなった前走の武蔵野ステークスでは0秒3差の③着にしっかりと巻き返してみせたが、プロキオンステークスに続いて斤量差のあった⑧サンライズノヴァに先着を許しており、さらにメンバーが強くなる中で前走以上は簡単ではない。

距離延長に活路を見出そうにも、3歳時は菊花賞でも③着に好走しているが、以降はマイル路線に進み芝GⅠマイルチャンピオンシップでの②着や、稍重で脚抜きのいい高速ダートだったプロキオンステークスの好走からもスピードタイプ。
乾いたダートで1800mとなると厳しいだろう。

⑦カフェファラオ(⋯)

10馬身差をつけて逃げ切ったデビュー戦、出遅れを挽回するために捲って脚を使いながらも最後まで押し切ったヒヤシンスステークス、前後半4F 46秒1-48秒8の前傾ラップを2番手から5馬身差の圧勝したGⅢユニコーンステークス。
デビューから無傷の3連勝は圧巻の内容。

米GⅠケンタッキーダービーへの挑戦も検討された中で臨んだジャパンダートダービーでまさかの⑦着に大敗したことで米GⅠ挑戦は白紙になったが、仕切り直しとなった約3か月ぶりのGⅢシリウスステークスは愛知県までの長距離輸送も含めた初めての中京コースも苦にすることなく、54kgの恵まれたハンデもあって古馬相手のレースで一発回答。

5戦4勝とほぼ無敗の戦績に鞍上がルメール騎手ということもあって打倒クリソベリルの期待を込めた2番人気の支持を集めているが、個人的には前走のシリウスステークスでもう底を見せたように映っており、負かした馬は一線級とは到底呼べないレベル。
勝ち時計の1分57秒8も、翌日の3勝クラス白川郷ステークスを勝ったハギノアレグリアスの1分56秒3より1秒以上も遅い。

唯一の敗戦となったジャパンダートダービーは騎乗したレーン騎手によると、1角手前で躓いたことやタイヤの跡に驚いて逆手前でコーナーに入ったこと、経験したことがなかったキックバックが重なってリズムを崩したことが大敗の要因とのことだが、初めてのナイトレースだったことも影響したように思うし、脆さも抱えた繊細な馬なのだろう。
長距離輸送はクリアしてみせたが、揉まれる展開も考えられる今回は試練のレースになりそう。

馬場にしてみても、良馬場のヒヤシンスステークスが1+1/4馬身差をつけての勝利で、同じ東京1600mが舞台でありながら脚抜きの良い稍重馬場だったGⅢユニコーンステークスが5馬身差の圧勝。
父に米クラシック三冠馬のアメリカンファラオを持つアメリカ血統だけにスピードが求められる軽い馬場が合っていると見ており、100mでも短くなる1800mの距離はまだいいとしても乾いたダートとなると、歴戦の猛者を相手にするには相当ハマらないと厳しそう。

フェブラリーステークスならまだ考えるが、ルメール騎手でも今回は厳しいと見て思い切ってバッサリ。

⑧サンライズノヴァ(⋯)

今年のフェブラリーステークス③着馬で、連覇を狙った前々走の南部杯は日本レコードで決着する前が止まらない馬場に構え過ぎた騎乗もあって、最速上がりで追い込みながら④着に敗れたが着差は僅か0秒4差。

前走の武蔵野ステークスは58kgを背負いながら最速上がりを叩き出す大外一気の差し切り勝ち。ベストといえる左回りのマイル戦で改めて強さを見せた。

今年はGⅠ3戦を含めた5戦すべてで上がり1〜2位の末脚を記録しているが、今回は同様の大外一気が通用しづらいコースレイアウトであることに加えて、1800mへの距離延長も1秒1差の⑥着に敗れた一昨年の本レース以来。馬場にしても時計の速いダートが理想だけに4角の通し方を含めて高いレベルの騎乗が求められる今回は厳しいレースになると見る。

⑨アルクトス(⋯)

前々走のエルムステークスではコーナー4つの札幌17000m戦に加えて、初めての10日競馬ということもあって0秒7差の⑥着に敗れたが、前走の南部杯では従来のレコードを0秒8も上回る1分32秒7の日本レコードを叩き出しての地方交流GⅠ初勝利。

ワンターン【6.2.0.1】と比べて、コーナー4つの競馬は【1.0.0.5】としており、好走は福島1700mの2勝クラスを勝った1勝のみ。

昨年の南部杯②着好走も1分34秒5という速い決着であり、1600mの距離でスピードがフルに活かせる状況がベストだけにパワーを要するコーナー4つの1800m戦では厳しい印象。

⑩アナザートゥルース(☆)

4年前の勝ち馬サウンドトゥルーの半弟で、今年はダイオライト記念を2馬身差の完勝、続くアンタレスステークスでは58kgを背負って②着に好走。
前々走のエルムステークスは得意とはいえない約4か月ぶりとなる休み明けに加えて、勝った①タイムフライヤーより2kgも重い58kgを背負いながら③着。

前走の日本テレビ盃は1番人気の支持を裏切る5着に敗れたが、ブリンカー着用が裏目に出て前進気勢が強くなり過ぎたことでスタートから一気に加速。
逃げようとするサルサディオーネに競り掛ける暴走で前半3Fは33秒8という芝のスプリント戦並みという異常なハイペースにさすがにバテたもの。

デムーロ騎手だけにスタートへの不安はあるが、馬自身には先行力があって、スタートさえ決まれば過去6年で2勝を挙げている腕は大きな魅力。
オープン入り後の稍重〜重馬場成績を③①②③①②⑤着としているように乾いたダートは歓迎とはいえないが、ダート1800mは【6.5.0.3】ベストの距離。
12番人気の大穴だけに激走を期待したいところ。

⑪チュウワウィザード(☆)

これまで17戦して【9.3.4.1】と、最低着順が直線で若干スムーズさを欠いた昨年の本レースの4着という、展開・馬場・コース問わずに堅実に走る実力馬。

勝ち切った交流GⅠが川崎記念や浦和でのJBCクラシックであるように器用に立ち回れる武器を活かしたかったところだが、この外目の枠では正攻法のレース。

⑮クリソベリルには3戦3敗で、スムーズさに少なくない差があった昨年から、帝王賞では0秒6差、JBCクラシックでは0秒9差と1年で差が広がっている可能性は低くなく、東京に次ぐ直線の長さを誇る中京コース では【0.1.1.1】と勝ち切れていないだけに、今回も逆転までは難しそう。

⑫モズアスコット(⋯)

今年のGⅠフェブラリーステークス優勝馬。これが安田記念との芝ダート両GⅠ制覇の偉業達成でもあったスピードタイプで、前々走の南部杯でも1分32秒台という日本レコード決着の中で②着を確保。

前走の武蔵野ステークスは2番人気の支持を集めながら0秒9差の⑦着に敗れたが、初めて背負う59kgに日本レコードを走った疲労があったかも知れない。

今回が引退レースとなるが、ダート戦で唯一崩れたレースが距離こそ1600mでもコーナー4つの船橋競馬場でのかしわ記念。初めての地方競馬の深い砂で脚を取られたこともあったかも知れないが、1800mの距離も含めてベストの舞台ではない。仮にベストの状態であっても花道を飾ることは簡単ではないはず。

⑬インティ(△)

昨年のフェブラリーステークスを7連勝で制したが、以降は1年半以上も勝ち星を挙げられず今回は9番人気まで評価が急落。

もともと気分よく走れるかどうかによる脆さも抱えた馬で、年明けの東海ステークスで控える競馬を試したのはこれまでのように簡単に自身の競馬をさせてもらえなくなってきたからだろう。
昨年でも3着に走っているように、中京1800mでは【2.0.1.0】と崩れていない理由も前半のペースが厳しくなりにくいからだと考えられる。

近走の不振は前半1000mが速すぎて自分のリズムで走れなかったことによるものだと考えており、同型の③メイショウワザシと⑭ヨシオがどう出るかだが、2頭次第では気分よく走れての激走はある。

インティ 前半1000mラップ

⑭ヨシオ(⋯)

先週のジャパンカップではGⅠ馬キセキの前にハナに立つことさえ許されず、1000mを過ぎる頃には次々に交わされ始め、結局ブービー14着のトーラスジェミニからさらに大きく離されたシンガリ負け。

適性とかけ離れたレースを無理に使われながら連闘での出走。無事にレースを終えて欲しい。

⑮クリソベリル(◎)

5戦5勝のキャリアで制覇した昨年から、ダート界の新王者として迎えた今年は初戦のサウジカップこそ初めてとなる海外輸送によって30kg近く体重を落としたこともあって初めて他馬の後塵を拝したが、帰国後は帝王賞を2馬身差、JBCクラシックを2馬身半差と大井巧者のオメガパフュームに接戦にすら持ち込ませない完勝劇。国内8戦全勝として王者として迎え撃つ。

これまで2か月以上の間隔を空けて使われてきた中、今回は初めて間隔の詰まった中4週でのレースで1週前追い切りと最終追い切りに跨った川田騎手が状態面に若干の不安があることを示唆。
音無調教師も前日追いでの調整で対応するが、万全の状態ではない可能性は考えた方が良く、この外枠も川田騎手にとっては試練の枠だろう。

ただ、その川田騎手が「圧倒的なポテンシャルがあって本来なら日本を代表して海外の強豪と戦うべき馬。日本で負けていい馬ではない」と語るほど。
好位のインを上手く立ち回れたことで戴冠した昨年から一年。まだまだ緩さを残す未完成の状態ながら、それで勝ち続けてきた馬であり、他馬にもそれぞれ不安材料は抱えている。

サウジカップで出遅れたようにゲートにも課題がある以上は今年一番難しいレースにはなるだろうが、体調が万全でなくても外を回すことになっても、それでもその能力の違いで勝ち切ってしまうかも知れない。

⑯サトノティターン(⋯)

昨年はマーチステークス勝ちや、エルムステークスでの③着など重賞でも活躍を見せていたが、7歳となった今年は4戦して連対なし。
前走のエルムステークスはブリンカー着用の効果も期待されたが、1年ぶりとなる1800m以下の距離もあってか終始促しながらの追走で2秒5差の⑬着。

今回はその大敗以来となる約4か月ぶりのレースになるが、追走で手一杯になりそうな印象。

【結論】
本命 ⑮クリソベリル

3連単フォーメーション
1着 ⑮
2着 ①②⑤⑩⑪⑬
3着 ①②⑤⑩⑪⑬

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